ものづくり補助金平成27年度製造業山梨県

次世代自動車の早期世界展開を支える車体部品量産プロセスの革新化

株式会社 サイトウ

成果切削時間(1断面カット) 75秒→60秒

この事例のポイント

  • 次世代自動車の部品は運動特性が異なるため部品の共通化が難しく、精度面でも従来より高い要求があった。
  • NC丸鋸切断機を新たに導入し、切断にかかる時間、バリの高さ、切断精度について従来の限界能力を上回る目標値を掲げて加工検証に取り組んだ。
  • 切削時間(1断面カット) 75秒→60秒。素材供給工程の高品質化が実現し、次世代自動車の部品製造で求められる要求に応える体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 サイトウ
所在地山梨県 都留市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数70人
資本金1,000万円
設立1987年

事業の背景

同社はアルミ製品の二次加工・設計を手がける企業で、約10年前から放熱器の製造を皮切りに自動車部品を手がけ、約5年前からはホンダの車体部品も製造している。ホンダが2016年4月に発売した最上位モデルスポーツカー「HONDA NSX」では車体フレーム部品を担当した。今後はFCV、EV、PHEVのステアリング部品の製造も見据えている。次世代自動車の開発・販売促進が進み、製造には全品検査を基本とする高い品質と精度が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力次世代自動車の部品は運動特性が異なるため部品の共通化が難しく、精度面でも従来より高い要求があった。
  • 品質・精度高品質な製品を受注量に確実に対応するため、次世代車部品に専用化した素材供給過程の実現が不可欠となっていた。
  • コスト・採算切り出し後の素材を購入するとコストが増し、自社で切り出すと切削バリを抑えるために速度を落とすか後工程処理が必要で、短納期と確実性の競争力が低かった。

やったこと

NC丸鋸切断機を新たに導入し、切断にかかる時間、バリの高さ、切断精度について従来の限界能力を上回る目標値を掲げて加工検証に取り組んだ。鋸刃は切断面に合った金属を選び、焼き入れや焼き戻しの方法、刃の角度などを細かく指定して刃物メーカーに注文した。切削油も機械や刃との相性、粘度などを踏まえて選定を依頼した。加工検証では1度目で10個のサンプルを加工し、すべてで目標値をクリアした。1断面カットの切削時間は従来の限界75秒から60秒以内に短縮し、バリの高さは0.1mmから0.1mm未満に、切断精度は部材寸法20mmに対し0.03〜0.07mmから±0.04mm以内を達成した。

加工機NC丸鋸切断機

事業の効果

  • 切削時間(1断面カット) 75秒→60秒
  • バリの高さ 0.1mm→0.1mm
  • 切断精度 0.05mm→0.04mm

素材供給工程の高品質化が実現し、次世代自動車の部品製造で求められる要求に応える体制が整った。切断時間、バリ、切断精度のいずれも目標値を満たし、1度目の加工検証で10個すべてが目標をクリアした。今後は現状の設備で技術力の向上を図りながら、順次設備の拡大も進める計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去から培った切削技術とノウハウ、ホンダ車体部品の実績が記載され、次世代車部品への展開という方向性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    切削バリを極小に抑えつつ高速化する独自技術や、自動車業界の高い要求に応える強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    短納期と確実性で競争力が低いという課題認識と、専用化した素材供給過程の必要性は書かれているが、事業計画の数値は薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    切削時間75秒から60秒以内、バリ0.1mmから0.1mm未満、精度±0.04mm以内など具体的な目標値を検証でクリアしたと書かれている。

  • 事業を進める体制3

    渡辺常務を中心とする開発チームが加工検証を担ったと書かれているが、体制の人数や事務処理面の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    次世代自動車の部品製造に応える高精度加工という価値と受注先のニーズは読み取れるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後は現状設備で技術力を高めつつ順次設備を拡大するとあるが、スケジュールや課題解決方法は具体性がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    次世代自動車部品の高精度加工という高水準の付加価値化をめざす取組と読めるが、数値による裏付けは限定的。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    次世代自動車の早期世界展開を支えるという産業面の意義は書かれているが、雇用や波及効果の数字はない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す投資額や付加価値増加の数値は書かれておらず、わずかに生産性向上がうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献2

    最新設備による高品質化や自動車サプライチェーンへの貢献がうかがえるが、デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    次世代自動車へシフトする業界の変化への対応が記されており、構造転換への関与がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    山梨県都留市の事業者という記述はあるが、地域特性を活かした雇用創出や成長の具体的記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

素材メーカーとタイアップしながら加工メーカーの可能性を広げ、最少人数で最大の仕事ができる仕組みをつくり、より大きな利益を生み出す会社にしていきたいとしている。

事業者の声

同じ機械を使っても、その機械を使いこなせるかどうかで出来上がる製品には大きな差がでます。いかに使いこなして目標の数値を出すかは、それまで積み重ねてき技術やノウハウ、経験値、緻密な計算によるもの。当社が常に高い要求に応え続けてきている結果です

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。