ものづくり補助金平成27年度製造業長野県

真空吸着方式ロクロ導入による付加価値南木曽ろくろ細工の開発と生産効率の向上

有限会社ヤマイチ小椋ロクロ工芸所

この事例のポイント

  • 従来のろくろ加工では、極薄や芯をずらした斬新なデザインの製品は技術的に加工が困難だった。
  • 真空吸着式ろくろを導入し、削る木を機械に固定するために必要だった余分な木が不要になった。
  • 真空吸着式ろくろの導入により、今まで困難だった極薄や芯をずらした斬新なデザインの商品を製作できるようになり、付加価値が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ヤマイチ小椋ロクロ工芸所
所在地長野県 南木曽町
業種木材・木製品製造業
従業員数4人
資本金2,000万円
設立1976年

事業の背景

南木曽ろくろ細工は、木目の美しさと手ざわりの良さから結婚式の引き出物や記念品として人気を集め、大量生産をしていた時期もあった。しかし安価なプラスチック製品等に押されて需要が減少し、職人も減っている。同社は伝統工芸士の小椋社長のもと、インターネット販売や新商品開発にも取り組んでいた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来のろくろ加工では、極薄や芯をずらした斬新なデザインの製品は技術的に加工が困難だった。
  • 販路・情報発信妻籠宿からのインバウンド誘客が喫緊の課題であり、新たな顧客開拓が求められていた。
  • 人手・技能木地師や職人が減り、後継者不足に不安を抱える状況が続いていた。

やったこと

真空吸着式ろくろを導入し、削る木を機械に固定するために必要だった余分な木が不要になった。これにより真円をずらした加工が容易になり、極薄や新しいデザインの商品を製作できるようにした。作業時間を短縮し、生産効率の向上を図った。また、2018年11月にフランス・パリのショールームで展示会を開催し、商品や技術をPRして現地業者との商談会や一般販売も行った。さらに地域おこし協力隊員を採用し、工房で職人としての技術習得に努めてもらっている。

加工機真空吸着式ろくろ

新しい製品・サービス:真円をずらして加工したUFO型の花器などの斬新なデザインの皿や、極薄の製品。

事業の効果

真空吸着式ろくろの導入により、今まで困難だった極薄や芯をずらした斬新なデザインの商品を製作できるようになり、付加価値が向上した。作業時間が短縮され、生産効率も向上した。高級志向の若い世代をターゲットとした事業展開を図っている。他社との差別化と新たな顧客開拓にもつながると考えられている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    伝統工芸の木地師の歴史や南木曽ろくろ細工の継承は読めるが、事業の経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    安価なプラスチック製品に需要を奪われた外部環境と、他社との差別化を図る意図は読み取れるが、自社の強み・弱みの具体的な分析は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    後継者不足や需要減少の課題認識は示されるが、高付加価値化の具体的な収益計画や数値は書かれていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    地域おこし協力隊員を採用し3年間で職人技術を習得させる体制は読めるが、事務処理能力などの体制は具体性が薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    真円をずらした斬新なデザインや高級志向の若い世代向けという狙いはあるが、顧客ニーズの裏付けは示されていない。

  • 事業化までの道筋2

    真空吸着式ろくろ導入やパリでの展示会開催などの取組はうかがえるが、スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    真空吸着式ろくろによる極薄・芯ずらし加工で他社との差別化を図る点は読めるが、高価格化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地域おこし協力隊の採用や南木曽町の伝統工芸継承の取組から地域への波及はうかがえるが、国が補助する積極的理由は読めない。

  • 費用対効果2

    木を無駄にしない効果や生産効率向上の記述はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    木曽の落葉広葉樹を活かした南木曽ろくろ細工で地域の伝統を守り、協力隊員の定住による担い手育成が書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新たな顧客開拓とインバウンド誘客、職人育成による伝統工芸の継承を進めていく方針である。

事業者の声

「もっと変化に富んだものができないか。さらに、木をムダにしたくないという思いからこの機械を導入しました」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。