ものづくり補助金平成27年度学術研究、専門・技術サービス業岐阜県

岐阜県初の小動物専用CT導入によるエキゾチックペット医療の高度化

この事例のポイント

  • エキゾチックペット医療は高度な専門性が必要だが、それに対応できる獣医師の絶対数が不足している。
  • 小型動物専用の3DマイクロCT「Stella Scan AX」を導入した。
  • 従来のレントゲン装置では確定できなかったEPの病状を診断できるようになり、検査レベルが向上した。

事業者のプロフィール

所在地岐阜県 岐阜市
業種技術サービス業
従業員数6人
設立2003年

事業の背景

平成15年の開業後、犬猫以外の小動物(エキゾチックペット)を専門に診察する動物病院が少数であることから、EP診療に特化してきた。ウサギ、ハムスター等の小型哺乳類を中心に診療し、紹介や口コミで県内外からの来院者が増加傾向にある。近年は少子高齢社会を背景にペットを飼いたい人が増え、東海北陸地域全体でもEPを専門に診察する病院は少数である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能エキゾチックペット医療は高度な専門性が必要だが、それに対応できる獣医師の絶対数が不足している。
  • 品質・精度EP診察に特化した検査機材が不足しており、知識や技術手技、経験でカバーすることに限界を感じていた。
  • 品質・精度小さな患畜のため実施できる検査や治療に限界があり、病名を確定できない場合は大都市の動物病院への転院が必要だった。

やったこと

小型動物専用の3DマイクロCT「Stella Scan AX」を導入した。CTは人医療で広く普及している診断機器だが、同機はEPや小型動物の検査に最適となるよう開発された動物病院専用の装置である。ウサギ、ハムスター、モルモット、デグー、チンチラなど様々なEPで有用性を検証し、個々の違いを反映した機材の調節や使用方法を確認した上で運用マニュアルを作成した。検査結果が最適な状態で得られる環境を整え、飼主に分かりやすく説明するため検査を受けたEP飼主の満足度を測るアンケートも実施した。

検査測定3DマイクロCT「Stella Scan AX」

事業の効果

従来のレントゲン装置では確定できなかったEPの病状を診断できるようになり、検査レベルが向上した。検査結果を3D画像で示せるため、飼主に病状を分かりやすく説明し正しく理解してもらえるようになった。転院手続きが不要になり手続き時間が削減でき、提供プロセスの効率化も実現した。ホームページや口コミによる周知で、中部・北陸地区への商圏拡大にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成15年開業後にEP診療へ特化し、その後の機材強化で診療体制を拡充してきた経緯が事例に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    EP専門診療の少数性と紹介・口コミによる県外来院増加が書かれ、近隣にない独自性という強みも示されている。

  • 課題の認識と解決4

    機材不足を知識や経験でカバーすることに限界を感じたと課題が明記され、転院手続きの削減という効果も書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値や賃上げの目標値は書かれておらず、手続き時間削減や顧客満足度向上がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制3

    運用マニュアル作成や個々の違いを反映した機材調整など、検査体制を整えた取り組みが書かれている。人員配置は不明。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    獣医師不足や飼主の紹介・口コミ、3D画像による病状説明など、ニーズと顧客への価値が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    検証、マニュアル作成、周知活動の流れは書かれるが、スケジュールや中長期の課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    EP専門の動物病院が東海北陸で少数で、近隣に類のない独自性を持つ点が事例に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    少子高齢化を背景とした小動物ペット需要の増加に触れるが、雇用や経済波及効果への言及は見当たらない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額など費用対効果を示す数字は書かれておらず、効果は定性的な記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    3DマイクロCTによる診断と3D画像の見える化は書かれるが、サプライチェーンへの波及は読み取れない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    小動物ペット需要の増加に触れるが、市場成長分野への進出が日本経済の構造転換に資するかは書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    岐阜県初の導入で、中部・北陸地区への商圏拡大や近隣他県からの来院が増えている点が事例に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

EP専門医というブランド力が顧客の中で確立・強化されていくと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。