ものづくり補助金平成24年度大阪府

省エネ・高効率3次元3枚プロペラ翼の開発

阪和化工機株式会社

成果納入先の運転電力量の省エネルギー化(約12%減)

この事例のポイント

  • 従来の攪拌機用3枚プロペラは、羽根ボスに平板の羽根を溶接して羽根角度を調整しながら溶接するため、技術者の熟練度合いによって製品にばらつきが生じていた。
  • 新型の羽根の開発のため、まず流体解析シミュレーションを行い、攪拌効率が高いと考えられる湾曲羽根をハンドメイドで試作した。
  • 納入先の運転電力量の省エネルギー化(約12%減)。新型3次元3枚プロペラを搭載した攪拌機により、納入先の運転電力量が約12%削減され、攪拌効率が向上して省エネ・高効率化…

事業者のプロフィール

事業者名阪和化工機株式会社
所在地大阪府 大阪市東淀川区
業種一般機械器具製造業
技術分野めっき
従業員数55人
資本金5,000万円
設立1946年

事業の背景

1946年の創業以来、攪拌機の専業メーカーとして事業を続けている。攪拌機は液体材料を混ぜる機械で、混合・溶解・冷却など目的は多様であり、金融とサービス以外の幅広い業界で必要とされる。ポンプの性能を兼ね備えたポンピングミキサーなど専業ならではのノウハウに定評があり、化学・医薬・製紙・食品・水処理・環境関連などから安定した受注を確保している。現在の市場規模は10億円程度である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の攪拌機用3枚プロペラは、羽根ボスに平板の羽根を溶接して羽根角度を調整しながら溶接するため、技術者の熟練度合いによって製品にばらつきが生じていた。
  • 納期・工程溶接ひずみを取る作業やバランス調整、機械加工による調整が必要で工程が多くなり、お客様から求められる短納期に対応できなかった。
  • 新製品・新技術流体解析シミュレーターで最適な攪拌状態を作るための3次元3枚プロペラの設計は進めていたが、実際の製作には取り組めていなかった。

やったこと

新型の羽根の開発のため、まず流体解析シミュレーションを行い、攪拌効率が高いと考えられる湾曲羽根をハンドメイドで試作した。この羽根を用いて標準タンクで実証実験を行い、高効率攪拌翼の設計目標を達成した。次に試作羽根から金型を起こし、新たに導入したプレス機で生産を開始した。プレス機の導入により、少量多品種を生産するための作業工程を3〜7日間短縮した。

新しい製品・サービス:流体解析シミュレーションで設計した新型3次元3枚プロペラを搭載した攪拌機

事業の効果

  • 納入先の運転電力量の省エネルギー化(約12%減)
  • 少量多品種生産の作業工程を3〜7日間短縮

新型3次元3枚プロペラを搭載した攪拌機により、納入先の運転電力量が約12%削減され、攪拌効率が向上して省エネ・高効率化に貢献した。プレス機の導入により少量多品種生産の作業工程を3〜7日間短縮し、短納期化とコスト低減を実現した。今後は水処理・化学プラント・製薬メーカーなどへのPRや海外市場の開拓を進める予定である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性流体解析で自社内に科学的検証体制を持ち、省エネ・短納期を武器に化学・医薬など幅広い分野で安定受注している。
  • 4
    課題の認識と解決溶接ばらつきと多工程による短納期対応不可という課題を認識し、プレス機導入で工程を3〜7日短縮した。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け市場規模約10億円で、省エネ・省電力性と短納期性に優位性があると示し、ターゲット分野も具体的に挙げている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    イノベーションへの貢献流体解析シミュレーションの活用に触れているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの波及は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    1946年創業以来の携拌機専業メーカーで、3枚プロペラ開発は既存の攪拌機事業の延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    流体解析で自社内に科学的検証体制を持ち、省エネ・短納期を武器に化学・医薬など幅広い分野で安定受注している。

  • 課題の認識と解決4

    溶接ばらつきと多工程による短納期対応不可という課題を認識し、プレス機導入で工程を3〜7日短縮した。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    運転電力量約12%減と工程短縮を目標に掲げ、実証実験で高効率化の目標達成を示している。

  • 事業を進める体制3

    流体解析シミュレーションを自社で実施できる体制があり、試作から金型製作、量産まで一貫して進めている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    市場規模約10億円で、省エネ・省電力性と短納期性に優位性があると示し、ターゲット分野も具体的に挙げている。

  • 事業化までの道筋3

    既存市場へのPRから水処理・製薬などへの搭載、海外テスト機制作まで段階的な展開計画が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    同業他社にはない新型の羽根形状で、既存の3枚パドルとの差別化による高効率化を実現している。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    電力価格高止まりの中で導入企業の省エネ・省コストに貢献し、海外市場への展開も見込んでいる。

  • 費用対効果3

    電力消費量を約12%削減し、工程短縮によるコスト低減も実現しており、省エネ効果が明確である。

  • イノベーションへの貢献2

    流体解析シミュレーションの活用に触れているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの波及は薄い。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    省エネ・省電力機器として電力コスト高止まりへの対応に触れるが、構造転換に資する記述は弱い。

  • 地域経済への波及2

    大阪市の企業として地域に根ざす記述はあるが、地域特性を活かした雇用創出や成長牽引の記述は薄い。

今後の展望

電力価格が高止まりする中、高効率攪拌機の導入により導入企業の省エネ・省コスト化を実現できるため、今後も市場開拓と技術開拓を続ける。

事業者の声

今回開発した新型3次元3枚プロペラを搭載した携挫機は失挫効率がアップするため、お客様の製造工程における携挫時間が短くなり、電力のランニングコストが抑えられるとともに、電力消費量の削減が期待できます。必ずお役に立てるものと考えております。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。