ものづくり補助金平成24年度大阪府

「Smart Process」(樹脂製品製造のスピード化と外観加飾技術)の確立

角一化成株式会社

この事例のポイント

  • 近年、主要な取引先のメーカー各社が海外に生産拠点を移したことで、国内受注数量が伸び悩んでいた。
  • 樹脂製品の製造スピードを上げる「Smart Process」と、これまでの複合成形技術を生かした外観加飾技術の確立に取り組んだ。
  • 加飾新技術「Deco Plas」を開発し、金型へのテクスチュア転写や画像処理によるダイレクト印刷など、プラスチックの多色成形と複合成形の技術を示せるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名角一化成株式会社
所在地大阪府 吹田市
業種プラスチック製品製造業
技術分野金型
従業員数96人
資本金4,500万円
設立1921年

事業の背景

1921年に大阪市北浜で「角一商店」としてゴム商品を扱い始め、94年の業歴を持つ。創業時からのゴム製品に加え、樹脂関連製品の製造販売を手がけ、自動車用のメーターカバーやステアリングカバーなどを大手自動車メーカーに供給してきた。家電用部品なども大手電機メーカーに納めてきたが、取引先の海外移転により国内受注の伸びが止まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信近年、主要な取引先のメーカー各社が海外に生産拠点を移したことで、国内受注数量が伸び悩んでいた。
  • 販路・情報発信国内受注の落ち込みに対応するため、新たな販路を開拓する必要があった。
  • 販路・情報発信既存の納入先の要望を待つのではなく、自社から技術力を発信してアピールする必要があった。

やったこと

樹脂製品の製造スピードを上げる「Smart Process」と、これまでの複合成形技術を生かした外観加飾技術の確立に取り組んだ。補助金でUVプリンタ、3Dプリンタ、金型を購入し、製品開発を進めた。その結果、金型に素材のテクスチュアをリアルに転写できるようになり、高度な画像処理によるダイレクト印刷も可能になった。京都の金銀箔の意匠を取り入れたり、写真やアートの加飾にも対応できるようになった。ただし色の出し方は難しく、専門家と材料の調合を重ねており、現在も試行錯誤が続いている。

新しい製品・サービス:加飾新技術「Deco Plas(Decoration Plastics)」

事業の効果

加飾新技術「Deco Plas」を開発し、金型へのテクスチュア転写や画像処理によるダイレクト印刷など、プラスチックの多色成形と複合成形の技術を示せるようになった。京都の金銀箔の意匠を取り入れるなど、写真やアートの加飾にも対応できるようになった。大量生産よりも多品種小ロットに向いているため、1個あたりのコストが割高になる点が課題として残っている。展示会で得た声をもとに販売方法を検討しており、技術力を示すことで他の製品の受注にもつなげたいとしている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性450トン・650トン級の特殊成形設備を有する企業は西日本で少ないと具体的に示され、強みと外部環境の関係がうかがえる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け家電などの製品デザイナーから評価が良好で、京都の金銀箔など意匠性を取り入れた具体的な製品像とターゲットが示されている。
  • 4
    事業化までの道筋2015年内に名古屋・東京・大阪の工業展出展を予定し、得た情報を販売方法改善やシリーズ開発に反映すると時期付きで示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制専門家と材料調合に取り組んでいるとあるが、事業遂行の人材・事務体制についてはうかがえる程度である。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業から94年の業歴と複合成形の実績は読み取れるが、補助事業が経営戦略上どう位置付けられるかは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    450トン・650トン級の特殊成形設備を有する企業は西日本で少ないと具体的に示され、強みと外部環境の関係がうかがえる。

  • 課題の認識と解決3

    国内受注の伸び悩みと新たな販路開拓の必要性は示されるが、高付加価値化につながる計画の具体的な数値や道筋は薄い。

事業の実現可能性3.3
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    専門家と材料調合に取り組んでいるとあるが、事業遂行の人材・事務体制についてはうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    家電などの製品デザイナーから評価が良好で、京都の金銀箔など意匠性を取り入れた具体的な製品像とターゲットが示されている。

  • 事業化までの道筋4

    2015年内に名古屋・東京・大阪の工業展出展を予定し、得た情報を販売方法改善やシリーズ開発に反映すると時期付きで示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    複合成形と外観加飾を組み合わせた「Deco Plas」は、金型への素材テクスチュアのリアル転写など同分野で高度な加飾技術として示されている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    京都の伝統意匠や日本文化の発信に触れるが、雇用創出や経済波及効果としての国の補助の必要性は明確に書かれていない。

  • 費用対効果2

    多品種小ロットで1個あたりのコストが割高になる課題が残ると述べられ、費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    高度な画像処理によるダイレクト印刷など新技術の開発は示されるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    自動車から家電・情報機器・インテリアなどへの展開が期待されるとあり、成長分野への進出がうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及3

    大阪・吹田の企業として京都の意匠を取り入れる点は地域特性の活用とうかがえるが、地域成長への効果は具体的でない。

今後の展望

2015年内に名古屋、東京、大阪の工業展へ出展し、得られた情報を販売方法の改善や「Deco Plas」の新シリーズ開発に生かす。加飾技術を他の製品の受注にもつなげる考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。