ものづくり補助金平成24年度大阪府

屋外工事のナット締め課題を解決する電動ドライバー補助工具の生産体制構築

株式会社関西クラウン工業社

この事例のポイント

  • 屋外工事のナット締めを円滑に行える電動ドライバー用補助工具が求められていた。
  • 屋外工事のナット締めに使う電動ドライバー用の補助工具を開発・生産した。
  • 電動ドライバーとの併用により、入り組んだアングルや狭い作業空間、横位置での締緩作業でもスピーディーに作業できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社関西クラウン工業社
所在地大阪府 八尾市
業種はん用機械器具製造業
技術分野繊維加工
従業員数7人
資本金1,000万円
設立1950年

事業の背景

同社は1950年創業で、冷間鍛造加工によるソケットレンチなどの作業用工具を製造してきた特殊工具メーカーである。冷間鍛造は切りくずが出ないためコストを抑えられ、精度が高く品質も安定しており、建築現場や電気工事現場で使われてきた。現場の作業効率は工具の性能に大きく左右されるため、作業の効率化を次の事業テーマに据えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力屋外工事のナット締めを円滑に行える電動ドライバー用補助工具が求められていた。
  • 品質・精度作業の安全性と作業ミス防止に課題が残っていた。
  • コスト・採算補助工具の商品コストを下げる必要があった。

やったこと

屋外工事のナット締めに使う電動ドライバー用の補助工具を開発・生産した。1次試作では、アンカーボルトのネジの深さに関係なく使えること、多様な作業箇所に対応できる形状であること、作業が簡単かつ迅速で、トルクをロスなく伝達できることの3課題を満たした。2次試作では、ナットの締付け部分の連動ギアの歯たけを通常より0.3〜0.5mm短くし、3つのギアの歯面間とギア付きソケット差込み部分に適度な遊びを作った。これにより回転と連動駆動がスムーズになった。作業の安全性確保のため逆回転防止のラチェット機構を廃止し、ハンドル部分にはゴム製グリップを装着した。作業ミス防止のため中間ギア部分はソケット機構を設けず単なる穴にした。その結果、主要部品を3点削減しコスト低減にもつなげた。さらに3D制御で印字できるレーザーマーカーを導入し、表面処理後の刻印を可能にして打刻ミスによる不良品を防いだ。

  • その他3D制御レーザーマーカー
  • 加工機電動ドライバー用補助工具の生産設備

新しい製品・サービス:電動ドライバー補助工具「こりゃナット君」

事業の効果

電動ドライバーとの併用により、入り組んだアングルや狭い作業空間、横位置での締緩作業でもスピーディーに作業できるようになった。部品点数の削減でコストが下がり、作業の安全性とミス防止も向上した。今後は既存取引先の自動車関連事業者や建設関連業者、ソーラー施工業者に加え、量販店やネット販売にも販路を広げる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決現場から挙がった設置工期短縮の課題を明確に捉え、ギア形状の変更や部品3点削減で安全性・ミス防止・コストの課題に取り組んだ過程が具体的に読み取れる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け現場作業の効率化という価値、工期短縮の業界要望、実作業での好評が具体的に書かれ、ターゲット顧客も建設・自動車関連などに整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性1950年創業で冷間鍛造の工具製造を蓄積し特殊工具メーカーへ成長したとあり、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の明確な位置付けは書かれていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    1950年創業で冷間鍛造の工具製造を蓄積し特殊工具メーカーへ成長したとあり、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の明確な位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    建築・電気工事現場での利用や自動車関連、建設、ソーラー施工業者など市場の動向に言及があるが、競争優位の根拠は強みとして概括的にしか書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    現場から挙がった設置工期短縮の課題を明確に捉え、ギア形状の変更や部品3点削減で安全性・ミス防止・コストの課題に取り組んだ過程が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    5年後に1,000万円の売上を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の根拠も薄い。

  • 事業を進める体制2

    従業員7人の小規模事業所で試作開発を実施したとあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    現場作業の効率化という価値、工期短縮の業界要望、実作業での好評が具体的に書かれ、ターゲット顧客も建設・自動車関連などに整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    1次試作から2次試作、量販店やネット販売、展示会の活用といった段階的な進め方は示されているが、スケジュールや中長期の検証内容は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    工具の作業効率化という分野で、ナット締めの補助工具を新商品として開発したとあるが、市場の普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    建設現場の工期短縮や作業効率化への寄与がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出などの公的支援の必要性は明示されていない。

  • 費用対効果3

    部品3点削減によるコスト低減と不良品防止の効果は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザーマーカーによる3D制御印字の導入が書かれているが、業界やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献までは読み取れない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    ソーラー施工や建設関連など成長が見込まれる分野への展開がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    八尾市の企業であることは示されるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出についての記述は読み取れない。

今後の展望

5年後に1,000万円の売上を目指し、量販店・ネット販売や展示会を活用して販路を拡大する。特殊治具工具の相談も増えているため、その分野にも注力する。

  • 目標:5年後に1,000万円の売上を目指している

事業者の声

平成24年度の「ものづくり補助事業」に採択されたことにより、埋もれていたニッチな工具に光があたりました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。