ものづくり補助金平成27年度製造業静岡県

精度不良の改善と工程数削減による品質の向上を図り生産工程の高度化を図る

株式会社パロン

成果縁貼工程数 13工程→7工程

この事例のポイント

  • 木工の基礎工程である木口面への縁貼工程がボトルネックとなり、工場全体の生産性を押し下げていた。
  • 縁貼加工用にエッジバンダーを導入した。
  • 縁貼工程数 13工程→7工程。縁貼工程が13工程から7工程に減り、1サイクルのタイムは550秒から230秒に縮まって生産性が飛躍的に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社パロン
所在地静岡県 静岡市
業種家具・装備品製造業
技術分野精密加工,接合・実装
資本金6億円
設立1954年

事業の背景

静岡市の株式会社パロンは家具・什器の製造を主力とし、スチールと木工の両部門を持つ。国内の什器需要は空間デザインの観点から増加傾向にあり、今後の市場拡大を見据えると受注生産の体制強化が不可欠だった。売上構成の半分はOEM製品をはじめとする特注物件で、商業・文教施設向けでは同一製品の大量生産にも対応する必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力木工の基礎工程である木口面への縁貼工程がボトルネックとなり、工場全体の生産性を押し下げていた。
  • 品質・精度縁材のカッティングや糊付けを手作業で行っており、位置決めや段取り替えも手作業のため精度が安定しなかった。
  • 人手・技能加工ノウハウがマニュアル化されておらず属人的な生産となっていた。
  • 納期・工程一部工程で遅れが出ると次工程に移れず、納期遅延や工場生産性の低下を招く懸念があった。

やったこと

縁貼加工用にエッジバンダーを導入した。選定基準は、縁材のカッティングや糊付けといった複合的な作業を自動化できることだった。導入した縁貼機はタッチパネル上でプログラムを設定すれば、フラッシュ材を送るだけで精度補正や加工ができる高性能機で、作業人員は2名から1名に省力化された。加工データを記録でき、試作開発を除けば基本操作を覚えるだけで誰でも扱える環境を整えた。

加工機エッジバンダー(縁貼機)

事業の効果

  • 縁貼工程数 13工程→7工程
  • 1サイクル当たりのタイム 550秒→230秒
  • 作業人員 2人→1人

縁貼工程が13工程から7工程に減り、1サイクルのタイムは550秒から230秒に縮まって生産性が飛躍的に向上した。作業人員も2名から1名になり、作業者の負担も大きく軽減された。自動制御により精度不良が発生せず、難しいアール箇所も綺麗に仕上がるようになり、付加価値の高い商品の提供が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    木工の縁張工程のボトルネック解消と商業施設什器の市場拡大への対応が書かれ、過去からの事業との連続性は読み取れるが具体性は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内什器需要の増加や大量生産への対応要請が書かれ、外部環境と縁貼工程の課題との関係が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決5

    縁貼工程が13工程から7工程へ短縮、1サイクルが550秒から230秒に縮まったと数字で課題解決の効果が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    タイムや工程数の改善は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の判断は難しい。

  • 事業を進める体制2

    作業人員を2名から1名に省力化とあるが、事業遂行の人材体制や事務処理能力についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    商業施設什器の需要増と、縁貼の精度向上で付加価値の高い商品を提供できる点が書かれ、顧客ニーズとの関係は読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    導入機の設定やデータ記録、誰でも扱える環境の整備など遂行の方向性は書かれているが、スケジュールの詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    空間デザインの観点から什器需要が増加傾向とあり、分野の認知度に触れるがジャンルの普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    オリンピック景気による商業施設需要の増加に触れるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記述は見当たらない。

  • 費用対効果3

    生産性が飛躍的に向上したと書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    加工データの記録や自動制御による精度向上が書かれ、デジタル活用の要素はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は述べられていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    静岡市の総合家具メーカーとして地域の事業であることは分かるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後もオリンピック景気による商業施設向け什器の需要は増加傾向にあり、春からのシーズン本格稼働に向けて更なる効率化を図っていく。

事業者の声

加工時間は2倍の速さになりましたね。縁材ロールの消費も従来に比べ、ものすごく早くなりましたし、作業者への負担もかなり緩和されました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。