ものづくり補助金平成25年度製造業和歌山県

木工CNCマシニングセンタ導入による新製品開発と既存製品の生産性向上。

松屋電工株式会社

この事例のポイント

  • 学校机・イスの市場は少子化の影響で需要が低下することが予想される。
  • 「木エCNCマシニングセンター」を導入し、切削、穴あけ、曲線の接着工程を自動化した。
  • 曲面など複雑な形状の天板加工を安定的に生産できる体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名松屋電工株式会社
所在地和歌山県 有田郡広川町
業種家具・装備品製造業
技術分野複合・新機能材料,立体造形
従業員数135人
資本金6.4億円
設立1943年

事業の背景

同社は1943年に木工製作所として創業し、戦後いち早くスチール製学校机・イスの普及を進めた。現在も学校机・イスで国内市場の30%以上のシェアがあり、天井収納はしごでは国内市場の90%以上を占める。スチール製品と木製品の両方を製造できる企業は少なく、加工から組立まで自社で一貫対応できることが強みである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑学校机・イスの市場は少子化の影響で需要が低下することが予想される。
  • 新製品・新技術得意先から複雑な形状の机の要望が増えており、市場から求められる製品の開発が必要となっていた。
  • 生産能力既存設備では人の手が必要な工程が多く、仕上がりも均一になりにくく、加工速度と生産力の向上が必要だった。

やったこと

「木エCNCマシニングセンター」を導入し、切削、穴あけ、曲線の接着工程を自動化した。これにより曲面の天板にローカンエッジを貼る作業をプログラム制御で行えるようにした。ローカンエッジのジョイント部の合わせ目をほぼゼロにする微調整には苦戦し、半年程度かけて納得できる精度に引き上げた。その試作開発では若手従業員が試行錯誤し、社内の教育効果もあった。

  • 加工機木工CNCマシニングセンター

新しい製品・サービス:曲面の天板を用いた複雑な形状の机

事業の効果

曲面など複雑な形状の天板加工を安定的に生産できる体制が整った。大手店舗什器販売会社のカタログに曲面天板の机が掲載され、ショッピングセンター向けの受注を得て早速成果があがった。繁忙期に断っていた案件も取り込めるようになる見込みである。今後は屋外向け製品の開発も進め、知名度向上のため新規取引先の開拓を図る。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1943年創業以来のスチール・木製品の一貫生産と、学校机・イスで国内30%以上のシェアという実績から、既存事業との一貫性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    少子化による需要低下と多目的教室向け曲線天板の引き合い増を踏まえ、スチールと木製品の両対応や一貫生産が強みとして示されている。

  • 課題の認識と解決4

    少子化で需要低下が見込まれる中、複雑形状の天板需要に対応するためCNCマシニングセンタで切削・穴あけ・曲線接着を自動化する計画が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産力向上は述べられているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    半年かけて合わせ目精度を調整し若手が試作に関与したとあり、体制の一端はうかがえるが、人材や事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    多目的教室向け半楕円形・台形机やショッピングセンター向け曲面天板のニーズを具体的に挙げ、カタログ掲載で受注を得た点が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    ローカンエッジ精度の課題を半年かけて解決したことや、屋外向け製品開発と定期受注の仕組み作りが課題として示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    曲面天板は意匠性の高いローカンエッジによる付加価値向上につながると述べられているが、市場での希少性の数値は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域の製造業として雇用や地場の事業が背景にあるとうかがえるが、国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加の数値は示されず、費用対効果は定量的に読み取れない。

  • イノベーションへの貢献2

    CNCマシニングセンタによる自動化は示されるが、サプライチェーンへの貢献や新しいビジネスモデルの記述は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    広川町の本社工場と日高工場を拠点とした地域企業であることはうかがえるが、地域の雇用や成長への波及は書かれていない。

今後の展望

複雑な形状の天板の需要は今後増えると想定され、製品のバリエーションを増やし対応力も高めていく予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。