ものづくり補助金平成27年度製造業静岡県

LED照明機器および次世代レーザヘッドライト量産化への貢献

有限会社モリ工業

成果サイクルタイム 120分→62分

この事例のポイント

  • 受注が増加して生産が追いつかず、機会損失につながるケースも増えていた。
  • 大型マシニングセンターを導入し、複合加工を可能にした。
  • サイクルタイム 120分→62分。複合加工によりボトルネック加工の段取りとプログラム入力が1回に短縮され、切削条件も改善して加工精度が安定した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社モリ工業
所在地静岡県 静岡市清水区
業種生産用機械器具製造業
技術分野機械制御,精密加工,立体造形
資本金500万円
設立1987年

事業の背景

静岡市清水区に本社を置く有限会社モリ工業は、県内有数の産業用機械製造企業で、創業は昭和60年と比較的若い。顧客の要望に忠実で質が高く短納期である点が特徴で、顧客満足度も高い。主に自動車部品メーカー向けの組立機械を手掛け、中でも自動車照明器具の専用機械の受注が多い。受注量に対して供給が追いつかず、競争の激しい自動車産業で選ばれ続けるための付加価値向上も求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注が増加して生産が追いつかず、機会損失につながるケースも増えていた。
  • 人手・技能工場のキャパシティが限界で、組立・在庫保管等のスペースが不足していた。
  • 品質・精度ボトルネックとなっていた旋盤・フライス加工の効率が低く、従業員の作業負担も大きかった。
  • 新製品・新技術顧客から選ばれ続けるため、次世代型ヘッドライトの組立機械など付加価値の向上が必要だった。

やったこと

大型マシニングセンターを導入し、複合加工を可能にした。事前に拡張したスペースへ配置後、テスト加工を実施し、加工手順の最適化を行った。組立及び在庫保管等のスペースを拡充し、人員も積極的に登用した。従来の5分の1のサイズとなるLEDダイオードを扱える精密部品の製造にも対応した高精度のマシニングセンターを導入した。旋盤・フライス加工の工程を複合マシニングセンターに集約し、作業時間の短縮と全工程の稼働力の改善を狙った。

加工機大型マシニングセンター(複合加工対応)
加工機高精度マシニングセンター(LEDダイオード対応の精密部品加工用)
加工機複合マシニングセンター

新しい製品・サービス:次世代型ヘッドライトの組立機械

事業の効果

  • サイクルタイム 120分→62分
  • 複合加工の実現によって、段取りとプログラム入力が1回に短縮された。

複合加工によりボトルネック加工の段取りとプログラム入力が1回に短縮され、切削条件も改善して加工精度が安定した。サイクルタイムは従来の120分から62分へ短縮された。工程短縮により複雑な形状も高精度かつ短時間で行えるようになり、試作開発等の積極受注が可能になった。工場全体の生産性が上がり、新規案件に取り組む余力も生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車照明向け専用機械の受注が多く、次世代ヘッドライト組立機の開発で生産体制を再構築するとあり、事業の位置付けはうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客対応力の高さによる受注増と、自動車産業で選ばれ続けるための付加価値向上の必要性は書かれているが、競合との比較や強み分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    受注に生産が追いつかず機会損失があった課題に対し、ボトルネック加工の複合加工化で工程を改善した点が明確に書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    サイクルタイムが従来の2工程120分から事業後62分へと約48%の作業率向上が実現したと数字で示されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    積極的な人員の登用と組立・保管スペースの拡充を行ったとあるが、人材や事務処理体制の具体的な規模は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    LEDダイオードを扱える精密部品の製造や次世代ヘッドライト組立機など顧客ニーズは書かれているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    高精度マシニングセンターを事前にスペース拡張後に配置し、テスト加工で加工手順を最適化したという導入手順が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達2

    社運を賭けた取り組みだったとあるが、財務状況や金融機関からの資金調達については書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    次世代ヘッドライト組立機や次世代レーザーヘッドライト用産業機械という分野に取り組むが、普及度や高付加価値化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    今後国内で普及するであろう次世代型ヘッドライトの量産化への貢献がうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述は書かれていない。

  • 費用対効果3

    作業率向上や工場全体の生産性向上は示されるが、補助金投入額に対する付加価値額の増加など費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    複合加工機の導入や自動化の研究はうかがえるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    次世代型ヘッドライトという成長分野への取り組みがうかがえるが、構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    静岡市清水区の地域企業であることは書かれるが、地域の特性を活かした雇用創出や経済成長への寄与は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

従業員の作業を自動化する研究を進めており、他社の加工の請負も行うなど、技術力を基盤とした新事業への取り組みを続ける。

事業者の声

工場全体の生産性が上がったので、新規案件に積極的に取り組む余力も出てきました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。