ものづくり補助金平成27年度製造業静岡県

塗装ブース廃液スラッジ自動除去装置で使用する新たな分離剤の試作品開発

アイサン工業株式会社

成果廃棄処分する塗料スラッジ排出量 100%→90%

この事例のポイント

  • 塗装工場では塗料スラッジの回収や廃液処理に作業負担とメンテナンスコストがかかっている。
  • 生産性と効率性の高いタンブラー混合機と自動充填機を導入した。
  • 廃棄処分する塗料スラッジ排出量 100%→90%。試作した微粉末分離剤は、塗料分子の吸着性を高めて不粘着化し、塗料スラッジ同士の結合を強めて脱水性を向上させた。

事業者のプロフィール

事業者名アイサン工業株式会社
所在地静岡県 浜松市南区
業種その他の製造業
技術分野材料製造プロセス,製造環境
資本金1,000万円
設立1970年

事業の背景

同社の売上の半数は塗装関連商品が占めている。主力の凝集剤エコマックスは、天然の鉱物を主成分とした環境負荷の低い無機系凝集剤である。湿式塗装ブースが多く採用される中、塗装工場では排水処理や廃棄物処理のルールが厳格で、塗料スラッジの回収に苦慮している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算塗装工場では塗料スラッジの回収や廃液処理に作業負担とメンテナンスコストがかかっている。
  • 新製品・新技術多くの塗装工場から、廃水処理作業の軽減と経費削減につながる安価で機能性の高い分離材の開発要請があった。

やったこと

生産性と効率性の高いタンブラー混合機と自動充填機を導入した。混合工程では最適な温度・湿度管理のもとで短時間の混合を可能にし、材料の投入や混合物の排出の作業性も改善して粉塵の飛散を減らした。梱包工程では短時間で密閉性の高い充填ができるようにし、品質劣化の防止と工程短縮を図った。これらの設備を使い、塗料廃水を短時間(30秒程度)で分離する微粉末状の分離剤を試作開発した。

加工機タンブラー混合機
加工機自動充填機

新しい製品・サービス:塗料廃水を分離する微粉末状の分離剤

事業の効果

  • 廃棄処分する塗料スラッジ排出量 100%→90%
  • 廃水処理コスト 100%→50%

試作した微粉末分離剤は、塗料分子の吸着性を高めて不粘着化し、塗料スラッジ同士の結合を強めて脱水性を向上させた。含水率が下がることで廃棄処理量も減少した。より微細な懸濁物質も吸着し、消臭・除菌効果により水の腐敗を防止できることを確認した。他社製品比で廃水処理コストを50%以上削減できることも実証された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存商品の凝集剤エコマックスの改良と塗装工場からの要請への対応が書かれ、過去の取組との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    塗装工場の廃液処理の苦慮という市場ニーズと、天然鉱物を主成分とする環境負荷の低い製品という強みに触れるが、競争優位の定量的根拠は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    廃液処理の作業負担や設備故障という課題を示し、微粉末化による高付加価値分離剤の開発と生産工程見直しで解決を図る計画が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    廃水処理コストを他社製品比で50%以上削減、廃棄塗料スラッジ排出量を従来比10%減と数値目標と実証結果が示されている。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    塗装工場からの要請に応える安価で機能性の高い分離剤という価値と、分離時間30秒程度などの選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    混合工程、梱包工程の短時間化など工程ごとの課題と対応策が示されるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    塗装ブースの湿式廃液処理という分野で、微粉末化による不粘着化や脱水性向上など、同分野で高水準の機能性を図る内容が書かれている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    環境負荷低減や地球環境改善への貢献が書かれ、今後の市場拡大も期待されるとあるが、波及効果や雇用創出の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果4

    他社製品比で廃水処理コストを50%以上削減し、廃棄物排出量を10%減らすなど、費用対効果を数値で示している。

  • イノベーションへの貢献3

    環境配慮型の無機系凝集剤として塗装業界の廃液処理に貢献するとあるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への言及は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    環境関連技術の開発と実用化に注力するとあり、環境分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及は明確でない。

  • 地域経済への波及2

    浜松市の事業者であることは示されるが、地域特性を活かした雇用や地域経済成長への記述は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

塗装工場から寄せられた声に応えた新商品であり、今後の市場拡大が期待できる。今後も環境関連技術の開発と実用化に注力し、地球環境改善への貢献を通じて企業価値を高めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。