ものづくり補助金平成27年度農業、林業静岡県

ブランド卵「美黄卵」を使用したオリジナル菓子の新商品開発

有限会社清水養鶏場

この事例のポイント

  • エサをはじめとする原材料コストの高騰が利益を圧迫していた。
  • 既存のシフォンケーキが主にグループ向けであったことから、個人向けの新商品としてプリン、シュークリーム、カステラの3種類を開発することとした。
  • 小型チラーやショーケースの導入により製造・保存の環境が整い、保存期間をある程度確保できるようになったため製造量を増やすことができた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社清水養鶏場
所在地静岡県 静岡市葵区
業種農業
資本金300万円
設立1993年

事業の背景

有限会社清水養鶏場は創業70年を超える県内有数の養鶏場で、自社ブランド卵「美黄卵」は農林水産大臣賞の受賞後に全国的に知られるようになった。近年は多様な消費者ニーズと鶏卵市場の成熟により個人消費量がほぼ横ばいで推移し、エサをはじめとする原材料コストの高騰が利益を圧迫していた。このため同社は、既存の卵自動販売機や工房でのシフォンケーキ販売を拡充し、新たな付加価値を生み出す必要に迫られていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算エサをはじめとする原材料コストの高騰が利益を圧迫していた。
  • 新製品・新技術個人消費量はほぼ横ばいで推移しており、新たな付加価値の創造が必要になっていた。
  • 生産能力菓子製造・販売の拡充に必要な設備が不足し、製造能力と直売所の集客力を高める必要があった。

やったこと

既存のシフォンケーキが主にグループ向けであったことから、個人向けの新商品としてプリン、シュークリーム、カステラの3種類を開発することとした。製造と保存の体制を整えるため、一度に大量の商品を焼けるデッキオーブン、調理後の細菌発生を防ぐブラストチラー、商品保管用の冷蔵ショーケースを導入し、あわせて小型チラーも導入した。設備導入後に試作を進めたところ、シュークリームとカステラは製造過程で技術と体力が必要で品質を均一にすることが難しかった。一方でプリンは顧客評価が高く安定供給が可能だったため、量産計画へ移行しスタッフも増員した。また、スチームオーブンを導入して商品開発に活用した。

加工機デッキオーブン
加工機スチームオーブン
その他ブラストチラー
その他冷蔵ショーケース
その他小型チラー

新しい製品・サービス:個人向けのプリン、シュークリーム、カステラの3種類の菓子。ブランド卵「美黄卵」を使用した製品として開発を進め、プリンを量産化した。

事業の効果

小型チラーやショーケースの導入により製造・保存の環境が整い、保存期間をある程度確保できるようになったため製造量を増やすことができた。プリンは量産に移行し、スタッフも増員された。直販部門の売上は好調で、自動販売機に並ぶ勢いとなっている。本社直売所も令和元年にリニューアルされ、再びメディアの注目を集めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の菓子製造・販売や直売所機能を拡充する流れが読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ブランド卵「美黄卵」や農林水産大臣賞、しずおか食セレクション認定など強みは書かれるが、市場動向との関係の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    原材料コストの高騰が利益を圧迫している課題を明示し、新商品開発と製造能力強化で付加価値向上を図る計画が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、売上が好調という定性的な記述のみである。

  • 事業を進める体制3

    試作開発から量産計画へ移行しスタッフの増員も図られたとあるが、体制や事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客層から個人向けの新商品を検討し、プリン・シュークリーム・カステラの3種類を開発したと、ターゲットと商品が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作から量産への段階移行や予冷機械導入など工程は書かれるが、スケジュールの明示は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    卵を使った菓子は一般的な分野だが、ブランド卵の付加価値化を図る点はうかがえる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地元の雇用増や直売所の集客など地域への効果がわずかにうかがえるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加の数値は書かれておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地域の養鶏場が直売所と菓子製造で地元に愛される取組を行う点は読み取れるが、経済成長への牽引は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

将来的には地域の子ども向けのお菓子作り体験を実施したいと考えている。

事業者の声

作業環境の向上もありますが、お客様が立ち寄りやすい空間を目指しました。将来的には地域のお子さん向けにお菓子作り体験なんかもできたら面白いですね。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。