ものづくり補助金平成27年度製造業愛知県

革新的な電極材である銅含浸グラファイト専用加工機導入による生産性の向上

株式会社田中金型製作所

成果加工時間 30時間→18時間

この事例のポイント

  • 高硬度材の加工が求められるようになったが、従来の型彫り放電加工では電極の制作に手間と時間がかかっていた。
  • 平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金を利用し、牧野フライス製作所製の電極加工機を導入した。
  • 加工時間 30時間→18時間。新素材の銅含浸グラファイトと電極加工機の導入により、加工時間が短縮され生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社田中金型製作所
所在地愛知県 名古屋市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数38人
資本金1,800万円
設立1968年

事業の背景

株式会社田中金型製作所はプラスチック金型の製造を手掛けており、扱う金型は自動車のドアハンドルやシフトレバー、パネルなどの自動車内装部品向けである。トヨタ自動車株式会社やスズキ株式会社など大手自動車メーカー向けの受注が売上高の90%程度を占めていた。顧客ニーズの変化を受け、高硬度材の加工を可能にする新素材への着目が進んでいた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力高硬度材の加工が求められるようになったが、従来の型彫り放電加工では電極の制作に手間と時間がかかっていた。
  • 品質・精度銅素材は硬度が高く消耗は少ないが加工に時間を要し、グラファイト素材は加工スピードは速いが加工面が荒く消耗が激しいという、それぞれの素材に利点と欠点があった。
  • 品質・精度湿式加工機を使っていたため、粉塵による工場内の汚れや機械の故障の原因、従業員の健康被害の恐れがあった。
  • コスト・採算材料コストと加工時間の削減が課題であった。

やったこと

平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金を利用し、牧野フライス製作所製の電極加工機を導入した。電極材には銅素材とグラファイト素材を混ぜ合わせた銅含浸グラファイトを採用し、高い硬度を備えながら寸法精度を向上でき、加工時間も短縮できる素材として活用した。この機械の導入と新素材の活用により、加工時間は従来の30時間から18時間へと40%短縮した。材料コストは320円/㎠から40円/㎠へと87.5%削減することに成功した。この電極加工機には防塵対策機能も付いており、粉塵による機械の故障や従業員の吸引を防ぐことができた。

加工機牧野フライス製作所製 電極加工機

事業の効果

  • 加工時間 30時間→18時間
  • 材料コスト 320円/㎠→40円/㎠

新素材の銅含浸グラファイトと電極加工機の導入により、加工時間が短縮され生産性が向上した。材料コストも大幅に削減された。より多様な要望にも応えられるようになり、品質の向上にもつながった。防塵機能により粉塵による機械故障や従業員の健康被害を防ぎ、作業環境も改善され、清掃作業も短縮できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車内装向け金型の受注が売上の90%程度を占めるとあり、既存事業との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    大手自動車メーカーからの受注が多いとあるが、市場動向や自社の強み・弱みと競争優位性の関係は述べられていない。

  • 課題の認識と解決3

    加工時間の30時間から18時間への40%短縮や材料コストの87.5%削減など課題と効果は具体的だが、高付加価値化に向けた計画の記述は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間を30時間から18時間へ40%短縮、材料コストを320円/㎠から40円/㎠へ87.5%削減と数値目標の成果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    外国人労働者の活用と人材育成のノウハウに触れているが、補助事業を遂行する体制の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    品質向上と多様な要望への対応、自動車内装部品向けの受注は読み取れるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    医療や食品・環境分野への進出を試みるとあるが、遂行方法やスケジュール、課題解決の方法は明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    銅含浸グラファイトを電極材に使う加工は新素材の活用と書かれるが、普及度や高価格化の水準までは述べられていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    医療や食品・環境など新分野への進出や次世代の生産技術継承に触れるが、国が補助する理由や経済波及効果は書かれていない。

  • 費用対効果4

    約900万円規模の補助金の金額は書かれていないが、材料費87.5%削減と加工時間40%短縮という費用対効果の数値が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    新素材と専用電極加工機の導入で品質向上を図るとあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は述べられていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療や食品・環境など新しい分野への進出を試みるとあり、構造転換との関係はわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    名古屋市守山区の事業所で金型製造を行うとあるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も自動車内装用の金型生産に力を入れつつ、医療や食品・環境など新しい分野にも進出し、より複雑な金型の製造を試みていく。外国人労働者を含めた次世代への生産技術の継承と育成を通じて、付加価値の高い金型を提供し続けたい考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。