ものづくり補助金平成27年度製造業愛知県

難削材加工に適した次世代型の超硬切削工具の試作開発

株式会社津島製作所

この事例のポイント

  • 航空機部品向けエンドミルのホルダーは、内径の要求精度が非常に高く、内径研磨の工程を入れざるを得なかった。
  • 平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金を活用し、オークマの複合加工機「マルタスU3000」を導入した。
  • ホルダーの振れ精度5マイクロメートルを切削で達成し、内径研磨に頼らずに加工できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社津島製作所
所在地愛知県 稲沢市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数40人
資本金800万円
設立1973年

事業の背景

津島製作所は大手切削工具メーカーを顧客に持ち、標準品から特殊品まで多彩な切削工具を手がけてきた。売上の9割を切削工具が占め、包装機械部品や猟銃部品など新規分野の開拓にも積極的だった。平成26年、顧客から航空機部品向けエンドミルの新製品開発の依頼を受けた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度航空機部品向けエンドミルのホルダーは、内径の要求精度が非常に高く、内径研磨の工程を入れざるを得なかった。
  • コスト・採算内径研磨の工程があるためコストが高くつき、航空機産業の需要に合わせた手頃な価格という製品の狙いに反していた。
  • 品質・精度ホルダー外径に対する内径の振れ精度は許容が5マイクロメートルしかなく、切削でこの精度を出すのは至難の業だった。
  • 品質・精度刃先の取り付け角度の公差も通常品よりはるかに厳しく、もう一つの課題になっていた。

やったこと

平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金を活用し、オークマの複合加工機「マルタスU3000」を導入した。同機は二つの主軸を持ち、片方の主軸で旋盤加工を終えた後、自動でワークを取り外して反対側の主軸に付け替え、マシニングセンター加工を行う。一つの機械で旋盤とMC加工を連続して行うことで、主軸の付け替え時の高い精度を保ちながら加工位置を割り出せるようにした。角度精度については、メーカーの協力を得て専用の超硬工具を用意してもらい、クリアした。50本を試作して10本を抜き取り検査したところ、振れと角度がすべて精度内におさまった。

加工機オークマ 複合加工機「マルタスU3000」

新しい製品・サービス:航空機部品向けエンドミル(超硬製の刃先とホルダーで構成)

事業の効果

ホルダーの振れ精度5マイクロメートルを切削で達成し、内径研磨に頼らずに加工できるようになった。角度精度も専用工具によって要求を満たした。旋盤とMC加工を一台の機械で完結させ、人の手による取り外しや付け替えの作業を減らした。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    切削工具を手がけ、包装機械部品や猟銃部品など新規分野へ拡大している点はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    航空機産業の需要に応える趣旨の製品と、大手メーカーとの取引・高い技術力は読み取れるが、市場動向との関係は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    ホルダー内径の要求精度が高く内径研磨が必要で高コストだった課題を、切削化で解決する方針が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    目標精度5マイクロメートルに対し、50本試作して10本抜き取り検査した全数が精度内だったと記載され、達成の裏付けがある。付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    連日工場でメーカーと試行錯誤したことや渡辺社長の判断は書かれているが、人材や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    航空機部品向けエンドミルで顧客ニーズは明確だが、選ばれる理由や顧客ターゲットの整理は具体的に書かれていない。

  • 事業化までの道筋3

    旋盤とMCの複合加工機で一台完結させる方法や試行錯誤の経緯は書かれているが、中長期のスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    切削で振れ精度5マイクロメートルを達成し、研削レベルの加工を切削で実現しており、同分野で高水準の高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    航空機産業の需要に応えて価格を抑えたことや新規分野開拓は書かれているが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    内径研磨の工程を切削に替えてコストを下げる方針と複合加工機の導入は読み取れるが、補助金額に対する効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    複合加工機で一台完結させ、ロボット組み込みで完全自動化する構想がうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    航空機産業や新規分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するかは書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    稲沢市の地域での事業は読み取れるが、地域特性を活かした雇用や経済成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

受け身ではなく自分たちの意志で仕事に臨みたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。