ものづくり補助金平成27年度製造業愛知県

「量試一貫サポート」における、量産金型技術を活用した試作品製作システムの開発と専用生産体制の構築

株式会社サンワ金型

成果設計作業時間 18時間→10時間

この事例のポイント

  • 設計と製造の工程では、データのやり取りだけでは防げない軽微な形状・仕様の差異が発生していた。
  • 製造工程の課題を解決するため、各工程の業務を一貫して把握・サポートする「量試一貫サポート」の導入に着手した。
  • 設計作業時間 18時間→10時間。設計と製造を合わせた製作時間が27%効率化された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社サンワ金型
所在地愛知県 安城市
業種生産用機械器具製造業
技術分野情報処理,精密加工
従業員数35人
資本金1,000万円
設立1977年

事業の背景

株式会社サンワ金型は安城市で金型の設計・製造を行う企業で、従業員は35人である。主な取引先は大手自動車部品メーカーとその関係会社が大半で、ラジエーターや冷却機器、モーター関連部品の金型を製造している。硬度の高い鉄を扱うプレス金型と、3次元的な加工を得意とするモールド金型の両方を手掛けており、この2種類を扱う企業は少ないことが強みである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度設計と製造の工程では、データのやり取りだけでは防げない軽微な形状・仕様の差異が発生していた。
  • その他新製品の開発、生産技術の開発、量産の各工程を担う部署の間でコミュニケーションが不足していた。
  • 生産能力旧体制では設計に18時間、製造に40時間(計58時間)を要しており、生産性の向上が求められていた。

やったこと

製造工程の課題を解決するため、各工程の業務を一貫して把握・サポートする「量試一貫サポート」の導入に着手した。試作品製作の生産体制を再構築するため、「平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」を利用し、牧野立形マシニングセンタとソフトウェアを導入した。マシニングセンタおよび試作品製作システムは、生産技術の開発と量産の工程で発生していたリードタイムの短縮に大きく寄与した。

加工機牧野立形マシニングセンタ
ソフトソフトウェア(量試一貫サポートの試作品製作システム)

新しい製品・サービス:量試一貫サポート(量産金型技術を活用した試作品製作システム)

事業の効果

  • 設計作業時間 18時間→10時間
  • 製造作業時間 40時間→32時間
  • 設計・製造の合計作業時間 58時間→42時間

設計と製造を合わせた製作時間が27%効率化された。1か月当たりの生産量は5%向上した。短納期化により内製比率も6%上昇し、生産性の向上に加えて収益性にも大きく寄与した。各工程の業務を一貫して把握することで形状・仕様の差異の発生を防ぎ、特定の製品だけでなく幅広い製品で生産性や精度の向上の効果を発揮できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車部品の金型製造を手掛けてきた中で、試作から量産までの工程を一貫して支援する「量試一貫サポート」を打ち出している点は読み取れるが、経営戦略上の位置づけの詳細は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    硬度の高い鉄のプレス金型と樹脂のモールド金型を扱う企業は少ないという強みが示される。ただし市場動向との関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    設計に18時間、製造に40時間かかっていた課題を、新体制では設計10時間・製造32時間(計42時間)と27%効率化したと具体的な数字で示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    1ヶ月当たりの生産量を5%、内製比率を6%上げたという実績は示されるが、今後の付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員35人で、女性活躍やフレックスタイム制など人材育成に取り組むことはうかがえるが、補助事業を遂行する体制の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    「量試一貫サポート」は形状・仕様の差異防止により幅広い製品で効果を発揮するとされるが、顧客ターゲットや選ばれる理由は整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    取引企業との連携を強め、機能を拡充していく考えが示されるが、スケジュールや具体的な課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    モールド金型技術をプレス金型に応用し高難度のプレス加工で高い技術力を持つとあるが、普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    自動車部品の取引先との連携や内製比率向上が述べられるが、雇用創出や経済波及効果の記載は薄い。

  • 費用対効果4

    約200万円規模の補助事業の投入に対し、製作時間27%削減、生産量5%増、内製比率6%上昇と数字で効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    マシニングセンタと試作品製作システムを導入し、チーム内の連携で工程をまたぐ生産性向上を図る点は読み取れるが、先端技術の詳細は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    安城市に立地する企業であることはうかがえるが、地域特性を活かした経済成長への寄与の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

量試一貫サポートの導入により取引企業間の連携が強まっており、今後は各工程を手掛ける企業やその仕入先を「チーム」として一層連携させ、サポート機能を拡充していく考えである。連携先との協力により生産性を高めるとともに、新製品や生産技術の開発を通じてチーム全体の成長が期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。