ものづくり補助金平成27年度製造業三重県

水耕栽培型(クボミ型)抜き装置及び水耕栽培シート圧縮装置の導入

株式会社出口化成

成果クボミ型苗地の納入価格(1シート300ピース) 60円/シート→120円/シート

この事例のポイント

  • 十字型苗地しか製造できず、三つ葉や水菜など限られた野菜にしか対応できない。
  • 水耕栽培型(クボミ型)抜き装置を導入し、ウレタンフォームを一定寸法に裁断した後、垂直に立てかけて裏側からピン状の突起物で押し、表面を凸凹にして突起部分をカッターで切断して半球状の…
  • クボミ型苗地の納入価格(1シート300ピース) 60円/シート→120円/シート。クボミ型苗地を製造できるようになり、クボミによる作業性の向上など製品の優位性が広がって需要の増大が見込まれる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社出口化成
所在地三重県 木曽岬町
業種プラスチック製品製造業
従業員数19人
資本金1,000万円

事業の背景

当社はウレタンフォームの加工専門会社で、自社工場で加工することにより短納期や小ロットに対応している。主に家具用の上質なクッション資材、医療・介護向けの通気性のよいクッション資材、レタスや水菜など水耕栽培の苗地に使われる給水性の高いスポンジ資材を扱っている。近年は植物工場に参入する企業や新たに取り組む農家が増えており、植物工場での葉物野菜の栽培はほとんどが水耕栽培である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術十字型苗地しか製造できず、三つ葉や水菜など限られた野菜にしか対応できない。
  • 生産能力レタス等のコーティング種子は丸みがあり播種機で播けないため、一粒ずつ播く必要があり作業時間がかかる。
  • コスト・採算ウレタンフォームは軽いが嵩張るため、トラックへの積載量が限られ物流効率が悪い。
  • コスト・採算取引先や生産農家の保管場所を占有してしまうという課題もある。

やったこと

水耕栽培型(クボミ型)抜き装置を導入し、ウレタンフォームを一定寸法に裁断した後、垂直に立てかけて裏側からピン状の突起物で押し、表面を凸凹にして突起部分をカッターで切断して半球状のクボミを加工した。その後、従来どおりトムソン刃でプレスして苗を1個ずつ切り分けられるように加工した。クボミの目標は当初、直径・深さとも7mm(±1.5mm)としたが、レタス等の種子の収まりやすさを考慮して10mm(±1.5mm)に変更し、試作を重ねて達成した。また水耕栽培シート圧縮装置を導入し、クボミ加工したウレタンフォームを従来の厚みの3分の1に圧縮して梱包する体制を整えた。

  • 加工機水耕栽培型(クボミ型)抜き装置水耕栽培シート圧縮装置

新しい製品・サービス:クボミ型スポンジ苗地(水耕栽培用ウレタンフォーム苗地)

事業の効果

  • クボミ型苗地の納入価格(1シート300ピース) 60円/シート→120円/シート
  • 圧縮後のウレタンフォーム厚み(重ね枚数換算) 30枚→6枚

クボミ型苗地を製造できるようになり、クボミによる作業性の向上など製品の優位性が広がって需要の増大が見込まれる。水耕栽培シート圧縮装置により物流や保管の効率が上がり、全国の多様な品種を扱う生産農家や植物工場に従来より低コストで提供できる。取引価格も十字型苗地より高く設定でき、個人の水耕栽培向けネット販売では1シート1,000円程度の価格設定も可能になる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性植物工場の増加と葉物需要の高まりを背景に、三重県内に同種の事業所がないという市場上の強みを示している。
  • 4
    課題の認識と解決十字型苗地ではレタス等に対応できない課題を明示し、クボミ型と圧縮装置で価格を十字型の60円から120円へ倍にできるとしている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標クボミの形状・深さを7mmから10mmへ目標変更し達成、圧縮は3分の1目標に対し5分の1を実現しており、目標値と成果が数字で示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制試作を繰り返し経験・ノウハウを積み重ねたとあるが、人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    ウレタンフォーム加工の専門会社で、十字型苗地を製造してきた経緯から、クボミ型苗地の製造に広げる流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    植物工場の増加と葉物需要の高まりを背景に、三重県内に同種の事業所がないという市場上の強みを示している。

  • 課題の認識と解決4

    十字型苗地ではレタス等に対応できない課題を明示し、クボミ型と圧縮装置で価格を十字型の60円から120円へ倍にできるとしている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    クボミの形状・深さを7mmから10mmへ目標変更し達成、圧縮は3分の1目標に対し5分の1を実現しており、目標値と成果が数字で示されている。

  • 事業を進める体制2

    試作を繰り返し経験・ノウハウを積み重ねたとあるが、人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    レタス等の丸い種子に合わせた播種のしやすさ、植物工場の需要、1シート120円の価格設定など、顧客と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    新規取引先の開拓や、6年目以降のネット通販サイト立ち上げなど段階的な計画が示されているが、スケジュールは大まかである。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    十字型では対応できない品種をクボミ型で可能にし、三重県内に製造事業所がないという高付加価値化・高価格化が示されている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    植物工場や生産農家の増加に触れているが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由までは読み取れない。

  • 費用対効果4

    圧縮で積載・保管効率を5分の1の厚さまで高め、取引価格を倍にできるとしており、費用対効果の根拠が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    植物工場など新たな農業分野への参入に言及しているが、日本経済の構造転換に資するとの記述はない。

  • 地域経済への波及3

    三重県内に製造事業所がないことに触れ地域での独自性を示すが、地域経済の成長を牽引する記述は限定的である。

今後の展望

製品の優位性をPRして営業攻勢をかけ、新規取引先を順次開拓していく。自社ネット通販についても数年目以降にサイトを立ち上げ、水耕栽培を行う消費者向けに販売していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。