ものづくり補助金平成27年度製造業三重県

IoTを用いたベンディングマシン※1の活用による高度生産性向上の実現

三田工業株式会社

成果曲げ加工機の台数 1台→2台

この事例のポイント

  • 受注は順調に伸びているが、曲げ加工工程で生産待ちが発生しボトルネックになっている。
  • 曲げ加工機としてアマダ製のベンディングマシーンを導入した。
  • 曲げ加工機の台数 1台→2台。曲げ工程の生産待ちが解消され、生産リードタイムが短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名三田工業株式会社
所在地三重県 鈴鹿市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数57人
資本金1,000万円
設立1963年

事業の背景

当社は金属製の扉を形状や用途に応じて多品種製作し、切断、曲げ、穴あけ、溶接などの加工を行って納入している。創業から50年余りで、設計から施工まで一貫受注を行い、建物の目的に合わせた各種建具を提供している。金属加工業界では、生き残るために取引先ユーザーの生産ニーズを見極め、それに対応できるものづくりの経営力を整えることが重要になっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注は順調に伸びているが、曲げ加工工程で生産待ちが発生しボトルネックになっている。
  • 人手・技能曲げ加工は1台のベンディングマシーンと従業員3名で対応しており、1人当たり月80〜100時間の残業となっていて労働負荷が高く問題になっている。
  • 納期・工程材料の調達、加工、在庫管理の機能を強化する設備投資が急務になっている。

やったこと

曲げ加工機としてアマダ製のベンディングマシーンを導入した。仕様を調査し、当社の要望に沿った機種を選定・発注し、効率的なレイアウトを検討して設置した。導入機は世界最高の高速高精度曲げ加工ができ、経験の浅い作業員でも試し曲げなしで目標角度に加工できる。薄板材から厚板材、形鋼材まで従来機と併用して効率的に運用する。試運転ではネットワークに接続して初期不具合がないか確認し、オペレーター研修で人材育成を行った。さらにハイブリッドドライブベンダー一式を導入し、シートワークスソフトを購入して高精度な曲げ作業を内製化し、IoTを活用できるものを標準化してデータベースに入れた。

加工機アマダ製ベンディングマシーン(IoT対応最新モデル)
加工機ハイブリッドドライブベンダー
ソフトシートワークス

事業の効果

  • 曲げ加工機の台数 1台→2台

曲げ工程の生産待ちが解消され、生産リードタイムが短縮された。2台体制により顧客要求の2倍以上の仕事量をこなせるようになった。コストダウン要求にも応えられ、競争力が強化された。IoT活用で全社的にムリ、ムダ、ムラが排除でき、高品質な製品を安定して供給できる体制ができ、他社との差別化も図れるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    3D活用の建具製作を長年手がけ、受注生産体制を整える流れは読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    主要ユーザーの文化シャッターからの発注シェアを50%に引き上げる目標があり、競争力強化の方向は読めるが、市場動向の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    曲げ工程のボトルネックと残業月80~100時間という課題を明示し、IoT型ベンディングマシーン導入で解消する具体的な計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    顧客要求の2倍以上の仕事量をこなせるようになったと書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は数値で示されていない。

  • 事業を進める体制4

    アマダのオペレーター研修に参加して人材育成を行い、試運転やネットワーク接続の確認も実施したと具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客ニーズへの対応や多彩な特殊オーダー扉の受注拡大は書かれるが、ターゲットの定量的な裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    試運転、研修、データ化、成果評価という手順は書かれるが、スケジュールや課題解決の期限は明確ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3Dデータを駆使した建具製作は建設業界で数少ないと書かれ、高付加価値化の方向はうかがえるが、高価格化の数値はない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    IoT活用の工場ネットワーク化や業界の生き残りに触れるが、地域経済への波及や雇用創出の積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    残業負荷の解消や2倍以上の仕事量への対応など効果は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値はない。

  • イノベーションへの貢献4

    IoTと3DCAD/CAMやデータサーバー、生産管理システムを接続し、紙データをなくしたとデジタル活用の具体が書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    IoTとスマート板金工場の実現は成長分野への転換をうかがわせるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    鈴鹿市の企業であることは読めるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済成長への言及は明確ではない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

価格競争力、安定した品質、生産性の向上により今後の受注増と売上増が見込まれ、収益性も上昇すると期待される。主力の鋼製建具は主要ユーザーからの発注シェアを50%に引き上げ、特殊オーダー扉の受注拡大や高品質な扉の自社製品としての開発販売も視野に入れている。

事業者の声

受注生産から自社製品の開発(オーダーメイドからイージーオーダー、そして自社製品開発)

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。