ものづくり補助金平成27年度製造業三重県

最新設備の導入による製造ロスの改善及び増産対応の実施

株式会社富士製作所

成果段取り工程の短縮により製造ロス18%の削減を目標

この事例のポイント

  • 自動倉庫・物流倉庫の新設需要増加により顧客から増産対応を求められているが、プレス工程に製造上の課題(製造ロス)があり増産が実現できない。
  • 最新式プレス加工機を導入し、プレス機とダイセットを試運転・検証した。
  • 段取り工程の短縮により製造ロス18%の削減を目標。新規設備導入により段取り時間が低減し、段取り担当者の流動化、新機能による生産性向上、稼働監視機能との連動が確認できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社富士製作所
所在地三重県 伊賀市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,立体造形
従業員数74人
資本金5,000万円
設立1939年

事業の背景

同社は搬送装置をメインとした産業装置用のベアリングメーカーである。昨今の自動倉庫、物流倉庫の新設需要が増加し、顧客から増産対応を求められてきた。実現にはプレス工程に存在する製造ロスの克服が必要であった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力自動倉庫・物流倉庫の新設需要増加により顧客から増産対応を求められているが、プレス工程に製造上の課題(製造ロス)があり増産が実現できない。
  • 生産能力製品ごとに専用プレス機を使う方式のため、1台で複数製品を打ち分けられず、製造ロスが発生している。

やったこと

最新式プレス加工機を導入し、プレス機とダイセットを試運転・検証した。検証項目は、段取り工程の短縮による製造ロス18%の削減と増産体制の構築、不良率の低減(事業期間内の試作段階では1%以内、実生産開始後は0.13%以内の計画)、製造データのリアルタイム監視の実施の3点である。1台のプレス機で複数製品を打ち分けることで、製品ごとの専用機による製造ロスを減らす。

加工機最新式プレス加工機
金型プレス用ダイセット
ソフト製造データのリアルタイム監視システム

事業の効果

  • 段取り工程の短縮により製造ロス18%の削減を目標
  • 事業期間内の試作段階では1%以内の計画
  • 実生産開始後は0.13%以内の計画

新規設備導入により段取り時間が低減し、段取り担当者の流動化、新機能による生産性向上、稼働監視機能との連動が確認できた。製造データをリアルタイムに得て生産計画の精度を高め、管理数値の新設による生産性向上につなげる。増産に合わせて雇用も実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動倉庫・物流倉庫の需要増に対応する増産が目的と書かれ、搬送装置向けベアリングの事業との関係は読み取れるが、過去の取組との一貫性は具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動倉庫・物流倉庫の新設需要増加と顧客からの増産要請が示され、海外売上約15%や5年で25%の目標もあり、市場動向と自社の強みの関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    プレス工程の製造ロスを課題と認識し、段取り時間短縮による製造ロス18%削減という数値目標を掲げて高付加価値化・増産につなげる計画が読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    製造ロス18%削減、不良率1%以内・実生産0.13%以内という数値目標が示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    次期製品企画・開発の担当者やマシンオペレーターの新規雇用による体制構築が書かれているが、事務処理能力などの体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ターゲットはプレスベアリングで、コンベヤローラーの売上増も狙うと書かれ、顧客ターゲットは分かるが、ニーズの裏付けや選ばれる理由の説明は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    段取り短縮、試作段階と実生産段階の不良率目標、リアルタイム監視など段階的な検証項目が示されているが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ベアリングの普及度や高付加価値化についての記述はなく、製品分野の希少性はうかがえるものの具体的な根拠は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    物流倉庫・自動倉庫の需要増に対応し、雇用増や東南アジアなどへの海外展開にも触れており、波及効果は読み取れるが具体性は限定的。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は書かれておらず、製造ロス削減率のみがうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    リアルタイム製造データの取得と分析による生産計画の高度化が書かれ、デジタル活用は読み取れるがサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    自動倉庫・物流倉庫向け需要の拡大という成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自動倉庫・物流倉庫向けの受注拡大を進め、コンベヤローラーの売上増にも注力する。次期製品の企画・開発とマシンオペレーターの新規雇用により増産体制を人員面からも構築する。東南アジア等の物流倉庫向けや先進国の自動倉庫需要への海外展開を進め、5年以内に海外売上比を25%にする。

  • 目標:海外売上比率 15%→25%

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。