ものづくり補助金平成27年度製造業富山県

高強度かつ低コスト生産を実現する自動車フレーム継手構造技術の開発

株式会社小谷製作所

成果従来機と比べて30~40%短縮

この事例のポイント

  • 取引先の三菱ふそうバス製造からバス部品の増産要請があり、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて外国人観光客の増加も見込まれたため、増産体制の整備が急務となっていた。
  • パイプ加工に特化した三次元レーザー加工機を導入し、部材を複雑な形状に切断できるようにした。
  • 従来機と比べて30~40%短縮。生産監視体制の構築により機械の稼働率向上が期待でき、本社から離れた工場の状況も把握できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小谷製作所
所在地富山県 射水市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,接合・実装
従業員数162人
資本金6,000万円
設立1916年

事業の背景

当社は大正5年創業の機械板金メーカーで、昭和19年に有限会社化、平成27年に株式会社化した。バス部品(フレーム、エンジンルームフロントパネル、リヤウォール、ラゲージボックス、ステップなど)を主に担当し、取引先は三菱ふそうバス製造である。外国人観光客の増加によりバス需要が大幅に増え、取引先からの増産要請が続いていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力取引先の三菱ふそうバス製造からバス部品の増産要請があり、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて外国人観光客の増加も見込まれたため、増産体制の整備が急務となっていた。
  • 人手・技能エンジンルームフロントパネルは複雑な組立のため溶接工程でのずれを最小限に抑える必要があるが、平面に切断したパイプ同士の接合では位置決めが難しく、熟練作業者に頼らざるを得なかった。
  • 人手・技能仮止め溶接では仮止め箇所、個数、入熱量などの判断に経験と高度な技術が必要で、限られた人数の熟練作業者では大量の受注を処理することが困難になっていた。

やったこと

パイプ加工に特化した三次元レーザー加工機を導入し、部材を複雑な形状に切断できるようにした。ホゾ・ホゾ孔の形状や大きさ、位置を試行錯誤し、新しい継手構造による接合を実現した。加工機は本江工場に設置し、IoTによる生産監視システムも導入して本社から1.4km離れた場所で稼働状況を把握できるようにした。加工機はパイプだけでなくL字型鋼材のアングルやU字型鋼材のチャンネルも加工でき、長尺物も乗せられるため材料の乗せ換え頻度が減った。危険作業防止アラームも付けた。

加工機三次元レーザー加工機
ソフト生産監視システム(IoT)

新しい製品・サービス:新しい継手構造による接合技術(自動車フレーム継手構造技術)

事業の効果

  • 従来機と比べて30~40%短縮
  • 従来機と比べて19~23%の改善
  • 約20%短縮

生産監視体制の構築により機械の稼働率向上が期待でき、本社から離れた工場の状況も把握できるようになった。熟練作業者以外でも短期間の指導で一定の接合品質を確保でき、受注量の増加にも対応できるようになった。新しい継手構造により高強度・低コストの接合を実現し、わずかな誤差しか認められない精密工作機械部品も受注できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の板金・溶接の取組とバス部品の取引拡大が書かれ、レーザー加工機導入はその延長として位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    外国人観光客増加によるバス需要増と三菱ふそうからの増産要請が書かれているが、競争優位性を示す数値的な比較は限定的。

  • 課題の認識と解決4

    熟練者不足で大量受注が困難だった課題を示し、加工時間30~40%短縮、溶接時間約20%短縮という数値で改善を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    角パイプ切断工程30~40%短縮、アングル等19~23%改善、溶接時間約20%短縮と具体的な数値目標・実績が示されている。

  • 事業を進める体制2

    熟練作業者以外でも短期間の指導で加工できると書かれているが、人員配置や事務処理体制の具体的記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    バス部品の需要増や工作機械部品の強度・精度要求が書かれ、顧客ニーズは読み取れるが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    ホゾ形状の試行錯誤や生産監視システムの導入など遂行方法は書かれているが、中長期スケジュールは明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    新しい継手構造による高強度・低コスト接合を掲げ、精密工作機械部品の受注につなげているが、市場での希少性の記述は限定的。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    バス需要増や東京オリンピックに向けた増産体制という背景は書かれているが、波及効果や雇用創出の記述は少ない。

  • 費用対効果3

    加工時間短縮や稼働率向上が示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    IoTによる生産監視システムの導入と本社との遠隔把握が書かれ、デジタル活用は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動運転や衝突被害軽減ブレーキ搭載に伴う需要増が触れられているが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    富山県射水市の複合一貫生産体制が書かれているが、地域経済への波及や雇用創出の記述は限られる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

外国人観光客の増加に加え、衝突被害軽減ブレーキや自動運転技術の搭載により、バス部品の需要増が見込まれる。工作機械部品も強度・精度・デザイン性を求められる傾向が強まっており、今後も設備投資を続けて新規受注を開拓したいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。