ものづくり補助金平成27年度製造業京都府

高性能マシニングセンター導入とセミオーダー型パターの生産体制の構築

ベノック株式会社

この事例のポイント

  • セミオーダーメイドパターの生産に必要なフィッティング工程を確立するため、オーダー内容・選択肢・メニュー等をまとめたフィッティング・シートを作る必要がある。
  • 高性能マシニングセンター(DMG森精機 MILLTAP700)を新たに導入し、セミオーダーメイドパターの生産ラインを整備した。
  • セミオーダーメイドパターの生産体制が確立され、キャパシティが増大して取引先やユーザーのニーズに迅速に対応できるようになる。

事業者のプロフィール

事業者名ベノック株式会社
所在地京都府 京都市南区
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数8人
資本金1億円
設立2001年

事業の背景

弊社はオーダーメイドのゴルフパターを生産・販売している。ゴルフパター市場は大手メーカーが毎年新商品を出す活気ある業界だが、従来は普及品市場が中心だった。当社は業界に先立ちセミオーダーメイド市場とフルオーダーメイド市場の創出に着手し、フルオーダーメイド市場では本格取組み後5年足らずで10,000件のフィッティングデータを蓄積した。フルオーダーメイド市場はゴルフパター市場全体の1%から多く見ても5%程度である。セミオーダーメイドパターの市場は概ね2〜3倍が見込めると見ている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術セミオーダーメイドパターの生産に必要なフィッティング工程を確立するため、オーダー内容・選択肢・メニュー等をまとめたフィッティング・シートを作る必要がある。
  • 品質・精度試作品の品質検査後、フルオーダーメイドのユーザーに試打してもらい、使い勝手や改善点をヒヤリングして再評価・改善を行い、安定的な生産体制を確立する必要がある。
  • 生産能力セミオーダーメイドパターの生産ラインを確保するため、他の加工機の機能を整理し、設備ごとの役割分担と生産計画を検討する必要がある。
  • 人手・技能フルオーダーメイドのフィッティングは10種類ほどの要素を調整するため対応できる技術者が限られ、生産効率に限度がある。

やったこと

高性能マシニングセンター(DMG森精機 MILLTAP700)を新たに導入し、セミオーダーメイドパターの生産ラインを整備した。取組みは、セミオーダー内容・選択肢・メニューをまとめたオーダーシートの完成、試作品の生産と品質検査、ユーザーへの試作品評価とヒヤリングによる改善点対応、各加工機の機能整理と役割分担・生産計画の検討、工程の標準化の順で進めた。加工条件の洗い出しから生産ラインの整備までを7ヶ月間で完了させ、生産ラインの本格稼働は2017年3月からを予定している。フルオーダーメイドで培った経験・技術・ノウハウを組み込み、既存の生産プロセスも含めて改善し、QCD(品質・コスト・デリバリー)の向上を図る。フィッティング加工技術者3名が責任者として全体の工程管理を担当する。

加工機MILLTAP700(DMG森精機)

新しい製品・サービス:超多品種・少本数ロットで生産するセミオーダーメイドパター

事業の効果

セミオーダーメイドパターの生産体制が確立され、キャパシティが増大して取引先やユーザーのニーズに迅速に対応できるようになる。工程手順の標準化と生産効率の向上により、手戻りや調整などの直接・間接経費が削減される見込みである。MILLTAP700の導入により、自社・他社製のパターの調整や修理にも対応でき、海外進出も視野に入る。加工待ち時間が短縮され、生産スピードも向上する。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    オーダーメイド事業の強みを活かしセミオーダー市場へ参入する方針は読み取れるが、過去の取組との一貫性を示す数字や時期の記載は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    フィッティングデータ10,000件、市場規模の1%から5%、セミオーダー市場2〜3倍の見込みなど、市場と自社の強みを具体的に示している。

  • 課題の認識と解決3

    フィッティング工程と生産ラインの課題は挙げられているが、高付加価値化や成長の定量的な目標は示されていない。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値創出や賃上げの目標値は書かれていない。生産スピードや満足度の向上が述べられるのみ。

  • 事業を進める体制4

    フィッティング加工技術者3名が担当責任者となり工程管理を行う体制と、7ヶ月の開発スケジュールが具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ユーザー1人1人のフィッティングに近づける製品価値と、10種類ほどの要素を基にした顧客ターゲットが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    加工条件の洗い出しから生産ライン整備まで7ヶ月、2017年3月本格稼働と、課題の解決手順と時期が明示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    セミオーダーメイド市場は業界に先立ち創出に着手したとあり、フルオーダーは大手と異なる高水準の差別化を図っている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    海外進出や国賓への贈呈などはうかがえるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記載は薄い。

  • 費用対効果2

    生産時間の短縮や経費削減は述べられているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CADやフィッティングプログラムの標準化は書かれているが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    京都の本社工場で国内外に事業展開する点は読み取れるが、地域の雇用や経済成長への言及は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

フルオーダーとセミオーダーの両市場に向けて生産体制、技術者育成、取引先との連携を進め、超多品種・少本数ロットで他社との差別化を図り、BENOCKパターブランドを確立・浸透させる。WEB販売を始め、台北、ハワイ、タイ等にフィッティング・スタジオを開設して国内外の販売チャネルを多様化する。

  • 目標:フルオーダーメイド市場に本格取組み後5年足らずで10,000件のフィッティングデータが蓄積できた
  • 目標:セミオーダーメイドパター市場規模 1倍→2倍

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。