ものづくり補助金平成27年度製造業京都府

顧客からの要望の強いDMC杵を量産製造するための設備導入

株式会社ツー・ナイン・ジャパン

成果一体型杵に比べて約30〜50%の低減が実証された

この事例のポイント

  • 顧客から要望の強いDMC杵を量産するための生産体制が整っていなかった。
  • DMC杵(異種金属接合による分離式打錠杵)の製造に必要な設備を導入し、量産製造のための専用ラインを構築した。
  • 一体型杵に比べて約30〜50%の低減が実証された。DMC杵は杵全体の使い捨てをなくし環境負荷を軽減するとともに、一体型杵に比べて製薬会社のトータルランニングコストを約3…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ツー・ナイン・ジャパン
所在地京都府 京都市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数25人
資本金1億円
設立1989年

事業の背景

当社は錠剤製造用金型(杵と臼)の製造販売を行い、製薬業界の長年の課題である打錠障害の解決を得意としている。特許技術や認定により錠剤製造金型分野で地位を築いてきた。国内の製薬メーカー・健康食品メーカー約200社が主要取引先である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力顧客から要望の強いDMC杵を量産するための生産体制が整っていなかった。
  • コスト・採算打錠杵は先端部が破損すると交換が必要で再利用が難しく、廃棄されていたため環境面・コスト面の負荷が大きかった。

やったこと

DMC杵(異種金属接合による分離式打錠杵)の製造に必要な設備を導入し、量産製造のための専用ラインを構築した。新たに導入したのは30t油圧プレス機、高精度高速小径微細加工機(マシニングセンタ)、CNC精密旋盤、乾式洗浄機(ECOミラー)である。自動化・ロボット化は京都市産業技術研究所との共同研究で進め、旋盤4台はコンベヤで連続処理する。職人の手作業のノウハウと自動化を融合し、精密な杵の製作に高いレベルで適合する製造ラインを完成させた。

加工機30t油圧プレス機
加工機高精度高速小径微細加工機(マシニングセンタ)
加工機CNC精密旋盤
加工機乾式洗浄機(ECOミラー)
ロボットロボット化した切削工程の設備

新しい製品・サービス:DMC杵(分離式の異種金属接合杵)の量産・販売

事業の効果

  • 一体型杵に比べて約30〜50%の低減が実証された

DMC杵は杵全体の使い捨てをなくし環境負荷を軽減するとともに、一体型杵に比べて製薬会社のトータルランニングコストを約30〜50%低減できることが実証され、多くの製薬会社に採用されている。製造環境の快適化により他業種からの入社者も増え、人材確保に好循環が生まれている。2021年より南丹市の新工場で生産を拡大し、国内にとどまらず海外市場への展開も視野に入れている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    2000年に半導体部品金型の離型技術を活用して錠剤製造用金型事業を開始し、特許取得や認定を重ねて現在の事業につなげてきたことが沿革から読み取れます。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内の製薬・健康食品メーカー約200社との取引や、海外市場が国内の約10倍とされる点から、市場と自社の強みを踏まえた方向性がうかがえます。

  • 課題の認識と解決4

    打錠杵の破損による廃棄の環境・コスト負荷という課題を捉え、分離式DMC杵で解決する計画が示されています。製薬会社のランニングコストを30〜50%低減できたとの記述もあります。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    製薬会社のランニングコストを30〜50%低減できたとの記述はありますが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていません。

  • 事業を進める体制3

    従業員25人の体制と、職人の手作業ノウハウに自動化を組み合わせた製造ラインを構築したとの記述はあるものの、補助事業の遂行体制の詳細は乏しいです。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    打錠障害の解決や杵の破損対策といった顧客の強い要望に応え、DMC杵の販売に至った経緯が示されています。

  • 事業化までの道筋3

    2021年に南丹市で新工場を建設して生産を拡大し、産業技術研究所との共同研究を続けるという方針は示されていますが、スケジュールは具体的ではありません。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    DMC杵は業界初の分離式構造で、杵洗浄の乾式洗浄機ECOミラーも業界初と記載され、特許も取得しています。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    高齢化や薬価低下、ジェネリック医薬品の増加を背景に、製薬会社のコスト削減に応える必要性が述べられています。雇用効果は数値で示されていません。

  • 費用対効果3

    製薬会社のトータルランニングコストを30〜50%低減できたと実証された点は示されていますが、補助金額に対する効果の数値は記載がありません。

  • イノベーションへの貢献3

    京都市産業技術研究所との共同研究で切削工程をロボット化し、旋盤4台をコンベヤで連続処理する仕組みを構築したとの記載があります。

政策面70%
  • 成長分野への進出3

    ジェネリック医薬品の増加や製薬方法の高度化に伴う需要増を見込み、海外市場への展開も視野に入れていることが述べられています。

  • 地域経済への波及4

    南丹市の京都新光悦村に新工場を建設し、京町家を保全するなど地域の資源を活かしつつ、人材確保の好循環も生まれたと記載されています。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新工場での生産拡大を進め、産学連携を強化しながら国内外の市場に技術を発信していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。