ものづくり補助金平成27年度製造業京都府

4軸NC彫刻機及びファイバーレーザー機導入による、丸モノ彫刻技術の継承・高度化事業

有限会社大和彫刻所

この事例のポイント

  • 職人の高齢化が進み、丸モノ彫刻を担う技能者の将来が不透明になっていた。
  • 4軸NC彫刻機を導入し、X・Y・ZそれぞれにU軸を加えた構成で、主軸回転中に刃物を径方向にNC制御することで、丸棒、リング、円錐、ひょうたん、球、不定形の丸モノ曲面に彫刻できるよ…
  • 丸モノの曲面上に精密な彫刻を迅速に行えるようになり、立体感のある丸モノ彫刻や深彫りが容易になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社大和彫刻所
所在地京都府 京都市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数7人
資本金3,000万円
設立1966年

事業の背景

創業以来54年、顧客の注文に応じて金属や樹脂などの素材に文字、図形、目盛線などを彫刻する事業を主としてきた。ニッチ市場であり、今後の発展には平モノ彫刻の対極にある丸モノ彫刻のNC化が必要と考えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能職人の高齢化が進み、丸モノ彫刻を担う技能者の将来が不透明になっていた。
  • 人手・技能丸モノ彫刻は技能者の手技が製品価値を左右し、経験の浅い技能者では価値ある彫刻を仕上げにくかった。
  • 生産能力平モノ彫刻は3軸NC彫刻機で対応できていたが、丸モノ彫刻はNC化されておらず対応できなかった。

やったこと

4軸NC彫刻機を導入し、X・Y・ZそれぞれにU軸を加えた構成で、主軸回転中に刃物を径方向にNC制御することで、丸棒、リング、円錐、ひょうたん、球、不定形の丸モノ曲面に彫刻できるようにした。異なる方式の彫刻機の特性を組み合わせるため、メタルファイバーレーザー彫刻機も導入した。レーザー彫刻機は半導体レーザーとガルバノミラーを使い、照射距離が一定に保たれるため円筒やリング形状に適し、油を使わず切り屑も出ない。2種類の機械で別々に彫刻すると芯ずれが起きるため、仮彫りで位置合わせと芯出しを行う方法を確立した。

加工機4軸NC彫刻機
加工機メタルファイバーレーザー彫刻機

新しい製品・サービス:丸モノ曲面への精密彫刻と、4軸NC彫刻機とレーザー彫刻機を複合した工芸品彫刻。

事業の効果

丸モノの曲面上に精密な彫刻を迅速に行えるようになり、立体感のある丸モノ彫刻や深彫りが容易になった。技能者の手技を必要としないため、経験の浅い従業員でも操作でき、技能承継が円滑に進むと期待している。2種類の彫刻機の複合により、立体感のあるV溝彫刻や輪郭の影などの新しい彫刻効果を生み出せるようになった。新たな工芸品分野にも一歩を踏み出した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業54年の彫刻事業を基に、丸モノ彫刻への展開を将来の発展の鍵と位置づけており、既存事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    職人の高齢化や丸モノ彫刻へのNC化必要性は読み取れるが、市場や競合に対する強みの定量的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決3

    技能者の手技依存という課題認識と4軸NC彫刻機導入による高度化方針は示されるが、売上や付加価値の数値目標はない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    技能者による0.1mm精度の手技やノウハウ共有の方針は読み取れるが、人員数や事務処理体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    丸モノ彫刻の市場参入や医療・環境分野への展開計画は示されるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋4

    平モノ彫刻の技術から丸モノへ段階的に進め、仮彫による芯合わせや展示会出品など遂行方法と課題解決策が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    丸モノ彫刻はニッチで職人技依存の分野とされ、複合彫刻による新工芸品分野への参入を目指す点で高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果2

    消費電力を7割程度削減できる点はうかがえるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献3

    4軸とレーザーの複合彫刻や油を使わない加工など先端的な技術活用が書かれ、新分野への貢献が示唆される。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    京都市山科区の企業であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や成長への言及はうかがえる程度である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

医療分野や環境分野など新分野への参入を計画している。4軸NC彫刻機を使いこなし、各種展示会に出品して彫刻技術を発表していく予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。