ものづくり補助金平成27年度製造業大阪府

工具箱の新価値創造デザイン性と確かな耐久性

東洋スチール 株式会社

この事例のポイント

  • 工具箱の顧客・用途が拡大できていなかったため、一般消費者を対象とする雑貨向け工具箱の企画・開発に取り組む必要があった。
  • 製造工程と製造方法を、プレス加工機と金型を用いた曲げ加工に変更した。
  • 製造工程をプレス加工機と金型を用いた曲げ加工に変更したことで、プレス加工工程が大幅に短縮され、製造コストも大幅に低減した。

事業者のプロフィール

事業者名東洋スチール 株式会社
所在地大阪府 東大阪市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数23人
資本金3,000万円
設立1965年

事業の背景

同社は昭和40年に大阪府東大阪市でプレス加工技術を基にものづくりを始めた企業で、金属製工具箱の国内トップブランドとして地位を確立している。発売当初の工具箱は金属の曲げ加工で作られており、類似製品との価格競争や廉価なプラスチック製工具箱への対抗が課題だった。現在は売上の20%を一般消費者向け製品が占めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑工具箱の顧客・用途が拡大できていなかったため、一般消費者を対象とする雑貨向け工具箱の企画・開発に取り組む必要があった。
  • 新製品・新技術雑貨向けミニチュア工具箱「COBAKO(コバコ)」は金型と量産技術が確立しておらず、早期事業化が課題だった。

やったこと

製造工程と製造方法を、プレス加工機と金型を用いた曲げ加工に変更した。雑貨向けミニチュア工具箱「COBAKO」の金型および量産技術を開発し、早期事業化に取り組んだ。COBAKOは同社が得意とする深絞り加工ではなく折り曲げ加工とし、深絞り加工の山型工具箱の角が丸いのに対し、エッジを効かせたシャープなデザインとした。発売当初は山型工具箱とは異なる明るいブルーで塗装していたが、顧客の要望に応じて山型工具箱と色も形もそっくりのミニチュア版に改めた。東大阪商工会議所のセミナーを通じて、近畿大学との産学連携による新製品開発も開始した。

新しい製品・サービス:雑貨向けミニチュア工具箱「COBAKO(コバコ)」

事業の効果

製造工程をプレス加工機と金型を用いた曲げ加工に変更したことで、プレス加工工程が大幅に短縮され、製造コストも大幅に低減した。これによりCOBAKOの早期事業化が実現した。販路面では、国内最大のECサイトであるアマゾンを通じて一般消費者に直接販売し、無印良品、MOMAデザインストア、大手通信販売会社のフェリシモなどの販路も構築した。海外ではアメリカ、イギリス、フランス、イタリア、香港などの無印良品やMOMAデザインストアを通じて全世界で販売されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来のプレス加工技術を基盤に金属製工具箱を開発し、ピンク塗装の転機を経て現在も売上の20%を一般消費者向けに展開しており、事業の一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    深絞り加工の強みを生かし、同じ製品を異なる販路で販売できる点や国内トップブランドという地位が事例に示されており、競争優位性がうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    類似製品との価格競争や廉価なプラスチック製品への対抗という課題を認識し、プレス工程の短縮と製造コストの大幅低減で早期事業化につなげている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    今後の目標として売上全体を伸ばすことが挙げられているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員23名と保有設備(プレス機など)は示されているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    一般消費者向けの雑貨工具箱で、テストマーケティングでの高い評価や無印良品などでの販売実績が示され、選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    展示会出展や海外展開、産学連携などの今後の取組は挙げられているが、スケジュールや課題の解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ミニチュア工具箱はグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受けた製品であり、同分野で高付加価値化を図る点がうかがえるが、数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外の無印良品やMOMAデザインストアなどでの販売展開は示されるが、雇用創出や経済波及効果の記述は見当たらない。

  • 費用対効果3

    製造コストの大幅低減と早期事業化の成果は示されているが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ECサイトやクラウドファンディングの活用、大学との産学連携は記されるが、先端デジタル技術の活用は明確には書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    一般消費者向けの雑貨分野へ進出し、海外展開も行う点はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する根拠は示されていない。

  • 地域経済への波及2

    大阪府東大阪市でプレス加工を営む地域企業であることは示されるが、地域特性を生かした雇用や成長への波及は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

東京インターナショナル・ギフト・ショーや海外の展示会に積極的に出展し、新たな販路・顧客の獲得を目指している。海外展開については準備も万全で、開発した製品の海外展開を進める。今後はBtoCの売上比率を高めるのではなく、全体的に売上を伸ばすことを目標としている。

事業者の声

「若い子には、我々にはない発想やひらめきがある。とても面白い」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。