ものづくり補助金平成27年度製造業大阪府

日本とベトナムの両拠点で樹脂部品金型を短納期で製作・供給

三進化学工業 株式会社

この事例のポイント

  • 多品種少量生産へのシフトが進む中、小型部品向けの金型製作には既存のマシニングセンターがやや不向きだった。
  • 中小企業庁のものづくり補助金を活用し、オークマ製の縦型マシニングセンターを導入した。
  • 高速切削が可能になったことで金型製作の効率が上がり、金型加工などの製作時間が短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名三進化学工業 株式会社
所在地大阪府 大阪市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数14人
資本金1,000万円
設立1968年

事業の背景

主力は太陽光パネル用端子ボックスなどの太陽光関連部品や、エアコン向け樹脂部品の製造である。2000年代半ばに端子ボックスの取引先がベトナムへ生産拠点を移したのを機に、平成22年にベトナム工場を設立した。日本の本社工場では小ロットの多品種少量生産へのシフトが進んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力多品種少量生産へのシフトが進む中、小型部品向けの金型製作には既存のマシニングセンターがやや不向きだった。
  • 納期・工程金型設計・製作の効率化とさらなる短納期化が経営課題となっていた。

やったこと

中小企業庁のものづくり補助金を活用し、オークマ製の縦型マシニングセンターを導入した。主軸回転速度は毎分20,000回転で高速切削加工が可能であり、加工速度は従来機種の2倍近くとなった。新規導入したマシニングセンターで、1ショットで8個取りできる金型を設計・製作している。100分の1mm単位の高精度加工により、ヒケ、ソリ、バリ、ウェルドラインといった不具合を防ぐ高品質な金型を作っている。この金型製作により、修正テープ向け小型部品の樹脂成形も請け負えるようになった。

加工機オークマ製縦型マシニングセンター

事業の効果

高速切削が可能になったことで金型製作の効率が上がり、金型加工などの製作時間が短縮された。小型部品向けの金型も高品質に作れるようになり、修正テープ向け小型部品の樹脂成形も請け負えるようになった。チューブロックの受託では成形加工に加えて商品包装の梱包作業も引き受け、受託領域が広がった。新たに従業員を採用して対応しており、製作した金型の確認と修正を迅速に行えるようになり納期短縮につながると見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成13年に3次元CADを導入し金型設計を効率化してきた流れの中で、今回MCを導入し金型製作の短納期化を課題に据えている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    金型を1100分の1mm単位で高精度加工し、ヒケやソリなどの不具合を防ぐ高品質を強みとし、ベトナムでも競争力確保を図っている。

  • 課題の認識と解決3

    短納期化という課題は明確だが、検査装置の導入は時期未定とされ、事業計画の具体性は十分に読み取れない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    主軸回転数や加工速度が従来の約2倍という設備性能は示されるが、付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    従業員14名の少数体制で、ベトナム工場では従業員50名に上り、新たに従業員を採用して受託作業に対応している。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    チューブロックなど小型部品の受託や太陽光・空調部品の取引先を挙げ、短納期と小ロット対応が選ばれる理由として示されている。

  • 事業化までの道筋2

    検査装置の導入は時期未定としており、中長期の遂行方法やスケジュールは具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    金型の8個取り設計や高精度加工を行うが、射出成形用金型の分野自体の普及度や高価格化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国が補助する必要性は、雇用や波及効果の数字として示されておらず、新規従業員採用が触れられる程度である。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献3

    平成13年の3次元CAD導入や画像処理による検査装置の導入構想など、デジタル技術の活用がうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ベトナムでの海外生産拠点の拡大や小型部品の受注拡大に触れるが、日本経済の構造転換への言及はわずかである。

  • 地域経済への波及2

    大阪の本社を拠点とする事業だが、地域特性を活かした付加価値創出や雇用・地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

チューブロックに続き、小型部品製造の受注拡大を目指す方針である。金型の設計・製作を効率化し、さらなる短納期化を図る。ベトナム工場でも金型設計・製作の短縮に取り組み、日本と同様に競争力を確保する構えだ。

事業者の声

「当社は日本とベトナムの両国で、射出成形と金型製造に対応することで顧客のニーズに応えていきます。MCを導入したことで金型製造のスピードが高まり、今後も事業スピードの向上に努めていきます。」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。