ものづくり補助金平成27年度製造業兵庫県

スマホ用フリップケースの開発と市場展開

株式会社バイナル

成果納期 45日→7日

この事例のポイント

  • 中国で製造委託するとロットの単位が大きくなり、小ロットの注文に対応できなかった。
  • 特殊粘着シートを自社開発し、ケースに本体を粘着固定する方式とすることで、サイズに関係なく150以上の機種に使える手帳型フリップケースを開発した。
  • 納期 45日→7日。低コストで小ロットに対応できるようになり、納期は1か月半から1週間に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社バイナル
所在地兵庫県 神戸市
業種情報通信機械器具製造業
従業員数17人
資本金300万円
設立2009年

事業の背景

当社はスマートフォン周辺商品を主力に製造・販売している。従来の手帳型スマートフォンケースはハードケースに本体をはめ込む形式で、機種に応じて作り分ける必要があった。そのため新機種発売のたびに従来品が不良在庫になっていた。当社はOEMやODMの依頼を受けて商品を製造しており、製造は全て中国で行っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力中国で製造委託するとロットの単位が大きくなり、小ロットの注文に対応できなかった。
  • コスト・採算小ロットに対応しようとするとコストが高くなってしまうという問題があった。
  • 人手・技能発注から納品まで1か月半かかり、顧客の要望にフレキシブルに応えられなかった。
  • 新製品・新技術スマートフォンの機種ごとに作り分ける従来の手帳型ケースは、新機種が出ると従来品が不良在庫となっていた。

やったこと

特殊粘着シートを自社開発し、ケースに本体を粘着固定する方式とすることで、サイズに関係なく150以上の機種に使える手帳型フリップケースを開発した。写真撮影時には本体だけを上部へスライドでき、レンズ位置が異なる機種でも問題なく撮影できる。ベースの商品は中国で大量生産し、表面のデザインはUV-LEDインクジェット印刷機(3台)を導入して社内で印刷できるよう工程を変更した。また、プロダクトごとに専用WEBサイトを作成し、カタログダウンロードやカスタマイズ注文ができるようにした。さらにECポータルサイトを構築し、消費者への直接販売も開始した。

加工機UV-LEDインクジェット印刷機

新しい製品・サービス:多機種に対応できるスマートフォン用フリップケース(手帳型ケース)

事業の効果

  • 納期 45日→7日
  • 取引先数 15社→100社

低コストで小ロットに対応できるようになり、納期は1か月半から1週間に短縮された。顧客の様々な要望に応えられるようになり、取引先は15社程度から100社以上に増えた。印刷品質が高く、大手企業からもリピートが増えている。直接販売やSNSを通じてブランド力も高まり、BtoBの受注獲得にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    OEM依存からの脱却と自社ブランド強化を掲げ、デザイン印刷の内製化やEC・SNS展開を段階的に進めた経緯が具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    新機種発売で不良在庫が出る従来品の弱みに対し、150以上の機種に対応するフリップケースで差別化している。市場動向との関係も示されている。

  • 課題の認識と解決4

    納期が1か月半から1週間に短縮、取引先が15社程度から100社以上に増えたと課題解決の成果が数字で示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。新商品を年1個発売する計画がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制3

    WEB対策にスタッフを3人配置したと記載があり、体制の一部は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    150以上の機種に対応し、カメラ撮影も容易な点や、取引先からのアンケートで改善点を得た経緯が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    海外進出は2021年以降とされ、年1個の新商品計画も示されているが、課題の検証方法や遂行スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ケースに印刷を施した高付加価値品として、これまでにない商品と記載され、同分野での差別化が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域雇用や波及効果への言及は乏しく、神戸市長田区の企業であることがうかがえる程度で国が補助する積極的理由は薄い。

  • 費用対効果3

    低コスト化や納期短縮、取引先の増加など効果は示されているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    SNSやECサイト、専用WEBサイトを活用した直接販売の仕組みが書かれているが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    EC販売や直接販売への転換はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとまでは読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    神戸市長田区の企業であることは示されるが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

年1個の新商品を世に送り出す計画である。日本で地盤を固めた後、2021年以降には海外へ進出する予定である。

  • 目標:主要生産設備としてUV-LEDインクジェット印刷機3台

事業者の声

OEM・ODMメーカーでも陰に回ることなく、露出することが必要になってきたと感じています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。