ものづくり補助金平成27年度情報通信業奈良県

保育士の本来業務を効率化し、高度化を支援するシステムの開発

株式会社マネジメント・リソース

この事例のポイント

  • 保育士の書類作成や保育計画の情報をまとめるデータベースは、検索結果が出る水準になるまで初期データが約800件必要で、その構築が課題だった。
  • 保育計画などの保育情報と保育アクティビティ(手遊び、お遊び、遊戯など)をデータベース化し、利用者同士で投稿・公開・検索・共有できる保育士プログラムを開発した。
  • 保育計画などの書類作成にかかる手書きの事務負担が軽減され、保育士が子どもと向き合う時間を増やせる見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社マネジメント・リソース
所在地奈良県 桜井市
業種情報サービス業
従業員数4人
資本金500万円
設立2007年

事業の背景

当社は営業支援とIT支援を中期的な事業の柱にしたいと考えていた。社内に保育園関係者や保育士経験のある社員がおり、保育士の勤務現場では過剰な事務処理が労力を本来の保育に使えない原因になっているという問題意識を持っていた。保育士の事務処理を支援する既存プログラムはあったが、経営者や事業主の管理業務を支援する性格が強く、現場の保育士にとっては効率化につながりにくかった。全国では資格を持ちながら就職していない潜在保育士が70万人以上いると言われ、労働環境の改善が課題になっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術保育士の書類作成や保育計画の情報をまとめるデータベースは、検索結果が出る水準になるまで初期データが約800件必要で、その構築が課題だった。
  • 販路・情報発信保育園や幼稚園の事業主を対象にすると月額使用料の負担が導入判断に影響するため、保育士個人が使いやすい対象像を定める必要があった。
  • コスト・採算個人向けに低額の月額制を取るため、利用者の金銭的負担を抑える仕組みが必要だった。

やったこと

保育計画などの保育情報と保育アクティビティ(手遊び、お遊び、遊戯など)をデータベース化し、利用者同士で投稿・公開・検索・共有できる保育士プログラムを開発した。検索した際に10件程度の結果が出る最低限の初期稼動基準を満たすため、初期データとして約800ケースを構築する計画を立てた。保育園に試験的に導入を依頼し、モニタリングによって利用者のノウハウを蓄積・抽出しながら、モニタリング中に作成される保育計画も順次データベースに加える仕組みとした。個人が利用を判断できるよう月額500円程度の低額制を基本とし、情報を投稿・公開するとポイントが得られて月額利用料と相殺できるポイントプログラムを設定した。PCとモバイルのどちらでも使いやすいよう操作性を改善し、各幼稚園・保育園・こども園への訪問営業と保育士向け展示会の実施も予定した。

  • ソフト保育士プログラム保育計画・保育アクティビティのデータベースと情報共有システム

新しい製品・サービス:保育士向け情報共有・データベースシステム(保育士プログラム)

事業の効果

保育計画などの書類作成にかかる手書きの事務負担が軽減され、保育士が子どもと向き合う時間を増やせる見込みである。保育士同士が保育ノウハウや保育アクティビティを共有できるため、勤務年数の短い人でも情報を活用でき、保育の専門性向上とやりがいにつながると期待される。投稿によるポイントで利用料を相殺できるため、個人の金銭的負担を抑えた利用が広がる。新たに幼稚園・保育園・こども園との取引を開拓することで、売上の増加を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    顧客とニーズの裏付け対象は個人の保育士で、潜在保育士70万人、手書きの保育計画作成、月500円の利用料と具体的な数字で、ニーズと選ばれる理由が整理されている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性既存の保育支援プログラムは経営者視点で現場の保育士には効果が乏しいと分析し、現場視点で差別化する点が具体的に示されている。
  • 4
    課題の認識と解決初期データベース約800ケース、月500円の低額制、ポイント相殺など、課題ごとに具体的な解決策が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    費用対効果投入額や付加価値額、生産性向上の数値が示されておらず、費用対効果は具体的に読み取れない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    営業支援・IT支援事業の拡大を中期的課題とし、2007年設立の企業が事業領域を広げる流れは読み取れるが、過去の取組との具体的なつながりは薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    既存の保育支援プログラムは経営者視点で現場の保育士には効果が乏しいと分析し、現場視点で差別化する点が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    初期データベース約800ケース、月500円の低額制、ポイント相殺など、課題ごとに具体的な解決策が示されている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標3

    初年度60万円から5年目660万円という売上目標は数字で示されているが、その達成根拠や実現可能性の説明は少ない。

  • 事業を進める体制3

    従業員4名のうち保育士経験者や保育園関係者がいることは書かれているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け5

    対象は個人の保育士で、潜在保育士70万人、手書きの保育計画作成、月500円の利用料と具体的な数字で、ニーズと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    モニタリング、訪問営業、展示会検討、システム改善などの施策は挙がっているが、時期や期間を含むスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    保育士向けの事務支援には既存プログラムがあり新市場とは言い切れないが、現場視点という差別化の方向性が書かれている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    待機児童解消と保育士不足の解消を火急の課題とし、潜在保育士の再就職を促す社会的な意義は書かれているが、経済波及の規模は示されていない。

  • 費用対効果2

    投入額や付加価値額、生産性向上の数値が示されておらず、費用対効果は具体的に読み取れない。

  • イノベーションへの貢献3

    保育関連業者との連携やデータベースのユーザー参加型の仕組み、介護業界への展開構想が書かれている。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    営業支援やIT支援への事業拡大の方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換に関する記述はない。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

売上目標は初年度60万円、5年目に660万円とする。将来は介護業界なども視野に入れ、システムを拡張する計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。