ものづくり補助金平成27年度製造業奈良県

高付加価値商品“稲天プレミアム大吟醸”開発の為の製造・製品環境の改善

稲田酒造合名会社

この事例のポイント

  • 若者の酒離れが進み、売上が伸び悩んでいた。
  • 高付加価値商品の開発に先立ち、まず製造設備の改善を行った。
  • 設備改善により、高付加価値商品「稲天プレミアム大吟醸」の開発と製造が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名稲田酒造合名会社
所在地奈良県 奈良県天理市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数10人
資本金80万円
設立1949年

事業の背景

当社は創業130年余りの小さな蔵元で、造り手・売り手・飲み手が一本の糸で結ばれ、人と人との繋がりを大切にしている。近年は若者の酒離れで売上が伸び悩んでいた一方、「山の辺の道」などハイキングコースに近い立地からハイキング客がメント顧客として成長しつつあった。ハイキング客には40~60代の比較的裕福な層も多く、観光地特有の「折角なのでいいものを」という思考から、高品質・高級志向の潜在的ニーズがあることが分かっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑若者の酒離れが進み、売上が伸び悩んでいた。
  • 新製品・新技術40~60代の裕福な層を中心とする高品質・高級志向のニーズに既存ラインナップが対応できず、販売機会を逃していたため、高付加価値商品の開発が急務だった。
  • 生産能力製造設備が老朽化しており、搾り機などで異臭の危惧があり、一定の水温での洗米ができず吸水率も安定しなかった。

やったこと

高付加価値商品の開発に先立ち、まず製造設備の改善を行った。小型冷水器、サーマルタンク、搾り機、半自動打栓機を導入し、一定の水温による洗米を可能にして吸水率を安定させた。特に搾り機は部品を一新し、スムーズな絞り作業を実現するとともに老朽化による異臭の危惧を払拭した。これにより、計画していた「高精白の長期低温発酵」の仕込み方法を実現できる環境を整えた。

その他小型冷水器
その他サーマルタンク
加工機搾り機
加工機半自動打栓機

新しい製品・サービス:稲天プレミアム大吟醸

事業の効果

設備改善により、高付加価値商品「稲天プレミアム大吟醸」の開発と製造が可能になった。搾り機の刷新で絞り作業がスムーズになり、異臭の危惧も解消されたことで品質・改善に大きな成果が出た。この商品は令和元年全国新酒鑑評会で念願の金賞を受賞した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存ブランドで高品質ニーズに対応しきれず、高付加価値商品の開発が急務だったと書かれ、過去の取組との連続性は読み取れるが具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ハイキング者の40~60代の裕福な層と高品質・高級志向の潜在ニーズを把握し、市場動向と自社の立地を踏まえた商品開発が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    既存ラインナップでは販売機会を逃していた課題を認識し、設備改善で高精白の長期低温発酵を実現し高付加価値商品を製造できたと書かれている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化の目標数値は書かれておらず、金賞受賞という結果と今後の金賞連続受賞の目標が記されるのみである。

  • 事業を進める体制2

    従業員10名の小規模蔵元であることは書かれるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    稲天プレミアム大吟醸の製造と令和元年全国新酒鑑評会での金賞受賞、ハイキング者という顧客層は読み取れるが、選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の金賞連続受賞や地産大吟醸という方針はあるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    同じ分野の中で、全国新酒鑑評会の金賞を受賞した高品質な大吟醸を高付加価値化して開発したことが書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地元の農家との連携や地元の酒米を使う構想がうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述は明確ではない。

  • 費用対効果2

    投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は書かれておらず、品質向上の成果のみがうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタルの波を利用するという記述はあるが、先端的デジタル技術の活用内容は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    奈良県天理市の地元の酒米や奈良漬けなど地域資源を活かす方針が書かれているが、地域成長への寄与は数字で示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

金賞の連続受賞を目指すとともに、将来的には地元の農家と協力して地元産の酒米で大吟醸を仕込み、その「地産大吟醸」で金賞を取ることを最終目標としている。各種コンクールへの出品や試飲会の開催などで市場調査を行い、販路拡大に向けた新たな要素を模索している。

事業者の声

地元でとれたものを地元で消費したい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。