ものづくり補助金平成27年度卸売業、小売業奈良県

手芸店発の「刺繍による衣服カスタマイズサービス」提供事業

有限会社扇屋

成果外注時は1週間ほどのタイムラグがあったが、内製化により時間が大幅に短縮された。

この事例のポイント

  • 刺繍工程を外注していたため、商品の移動や刺繍工程に1週間ほどのタイムラグがあり、敏速な対応ができなかった。
  • 業務用刺繍ミシンを導入し、刺繍加工を外注から内製に切り替えた。
  • 外注時は1週間ほどのタイムラグがあったが、内製化により時間が大幅に短縮された。刺繍の内製化により、依頼から受け渡しまでの時間が大幅に短縮され、顧客は一度の来店で依頼から受け取りまで済ませられるよう…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社扇屋
所在地奈良県 五條市
業種織物・衣服・身の回り品小売業
従業員数5人
資本金300万円
設立2003年

事業の背景

当社は1960年代から続く地域の手芸店で、パッチワーク、手芸用品、毛糸などを扱うほか、ネーム刺繍やTシャツプリントなどの衣類加工サービスも行っている。近年はハンドメイドに関心を持つ人が増え、衣類にワンポイントを入れたりオリジナルデザインを施したりして自分流にカスタマイズする傾向が強まっている。手芸店として、ニーズに接触する機会、関連知識の蓄積、材料調達のノウハウという強みを持つ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力刺繍工程を外注していたため、商品の移動や刺繍工程に1週間ほどのタイムラグがあり、敏速な対応ができなかった。
  • 集客・繁閑ネーム刺繍などのカスタマイズ依頼が何度かあったが、ユーザーの利便性を高められずにいた。
  • 新製品・新技術自分流にカスタマイズしたいという顧客ニーズが高まっていたが、刺繍の内製化ができていなかった。
  • 集客・繁閑衣服カスタマイズという新サービスで新規顧客を開拓するには、既存の販促にとらわれない柔軟な提案が必要だった。

やったこと

業務用刺繍ミシンを導入し、刺繍加工を外注から内製に切り替えた。このミシンは1台に10の針があり、多種多様な模様を糸交換なく縫うことができ、最先端カメラを搭載して機器の習熟度を問わず操作できる。依頼時にその場で加工・受け渡しができるようになった。店内に設置して実演を行い、スタッフの練習を兼ねた実演が口コミで広まり問い合わせも増えた。サンプルを作って顧客に見てもらい、出来上がりイメージのギャップをなくし、サンプルは今後の対応にも活用している。

加工機業務用刺繍ミシン

新しい製品・サービス:ネーム入れ、オリジナルデザイン加工の衣類加工サービス、刺繍を用いた顧客デザインや地域キャラクターの商品化サービス

事業の効果

  • 外注時は1週間ほどのタイムラグがあったが、内製化により時間が大幅に短縮された。
  • 顧客来店回数 2回→1回

刺繍の内製化により、依頼から受け渡しまでの時間が大幅に短縮され、顧客は一度の来店で依頼から受け取りまで済ませられるようになった。Tシャツプリントなどカスタマイズに関連する依頼が増え、刺繍だけの依頼による工賃の新たな売上も増加した。スタッフ同士の意見交換が活発になり、互いにフォローしあう環境が生まれ、新しいアイデアや提案が積極的に上がるようになった。刺繍機を扱えることがスタッフのスキルアップや自信にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    地域の手芸店として60年以上の実績があり、刺繍加工サービスを既存の衣類加工サービスの延長として位置づけている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客の自分流カスタマイズ需要の高まりと、手芸店の材料調達や顧客接点という強みに言及しているが、市場規模などの裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    外注による1週間のタイムラグという課題を明示し、業務用刺繍ミシンの内製化で依頼時に加工・受け渡しが可能になったと具体的に述べている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    1週間のタイムラグ短縮や工賃売上の増加は示されるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員5名の規模と、スタッフが練習を兼ねて実演した点はあるが、体制や事務処理能力の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客がデザインを自分流にしたいというニーズを示し、サンプルによるイメージ共有で出来上がりのギャップを解消する方法を示している。

  • 事業化までの道筋3

    課題と施策(サンプル共有、店内実演)は示されているが、遂行スケジュールは概略にとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ネーム刺繍やTシャツプリントは既存の衣類加工サービスで、刺繍カスタマイズの普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域の健康寿命延伸や手芸を軸としたコミュニティ創出といった地域貢献の理念はうかがえるが、経済波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    投資に対する付加価値額の増加や費用対効果の数値は書かれておらず、売上増加の定性的な記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献2

    最先端カメラ搭載の刺繍ミシンを用いるが、デジタル技術によるサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地域に根付いた手芸店として地域キャラクター商品化にも取り組んでおり、地域の特性を活かす点はうかがえるが、雇用や成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ネーム入れ事業では学校等との関係を深めて新規顧客を広げ、カスタマイズ事業では若年層に訴求して新たな顧客を開拓する。キャラクター化事業では顧客のアイデアを具現化し、新たなキャラクター需要を生み出す。

  • 目標:今後5年間で300%を目標としている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。