ものづくり補助金平成27年度製造業奈良県

新型乾燥機導入による新商品開発と生産安定化の取組み

成果生産量 1倍→2倍

この事例のポイント

  • 素麺は夏に食べるものという固定観念が強く、売上が6〜7月に集中しているため、冬季の市場開拓が業界全体の課題となっていた。
  • 本事業では新型の冷却除湿器(乾燥機)を導入した。
  • 生産量 1倍→2倍。乾燥工程の温度と湿度を一定に管理できるようになり、時間が短縮されて品質が向上した。

事業者のプロフィール

所在地奈良県 黒滝村
業種食料品製造業
技術分野製造環境,機械制御
設立1984年

事業の背景

当製麺所は1984年に奈良県吉野郡黒滝村で創業し、三輪素麺や手延べうどん・そばを製造している。売上は組合への卸が約8割を占め、残り約2割は贈答先の口コミを中心にDM、自社カタログ、FAX等による直売で展開している。2021年現在は素麺の需要が巣籠もり需要もあって高騰しているが、一過性の可能性が高く、生産者の廃業などで供給量が減っていることが在庫不足の一因となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑素麺は夏に食べるものという固定観念が強く、売上が6〜7月に集中しているため、冬季の市場開拓が業界全体の課題となっていた。
  • 集客・繁閑2015年頃は素麺需要が低迷して全国的に在庫過多となり、生産調整で事業継続が苦しい状況だった。
  • 生産能力乾燥工程が天候や湿度の影響を大きく受けており、温度と湿度を一定に保てず、時間短縮や品質向上が難しかった。
  • 新製品・新技術通年で販売できる素麺以外の新商品の開発が急務となっていた。
  • 人手・技能後継者やなり手が不足しており、人手を機械化で補って生産量を維持できるかが課題となっていた。

やったこと

本事業では新型の冷却除湿器(乾燥機)を導入した。これにより、天候や湿度に大きく影響を受けていた乾燥工程で温度と湿度を一定に管理できるようになった。同時に生産量が約2倍に向上し、省エネによるコスト削減も可能になった。生産環境が安定して生産能力に余裕が生まれたことで、新商品の開発試作と量産に取り組めるようになった。

加工機新型の冷却除湿器(乾燥機)

新しい製品・サービス:手延べにゅうめん、薬膳そうめん(にゅうめん)、熟成素麺「3年古物(ひねもの)」など

事業の効果

  • 生産量 1倍→2倍

乾燥工程の温度と湿度を一定に管理できるようになり、時間が短縮されて品質が向上した。生産量は約2倍に増え、省エネによるコスト削減も可能になった。生産環境の安定によって生産能力に余裕が生まれ、冬季や通年で販売できる新商品の開発試作と量産が実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の三輪素麺製造や手延べ製法の応用が書かれ、特殊麺開発の継続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    組合卸が約8割、残り2割を口コミ直売で展開し、冬季市場開拓が戦略と明記されているが、競争優位の定量的根拠は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    在庫不足や夏季集中といった課題を認識し、冬季の裏レシピ公開や鍋の〆需要で高付加価値・成長につなげる方針が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産量が約2倍に向上したとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性の判断材料が少ない。

  • 事業を進める体制2

    組合の副理事長を代表が兼任する点はうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    冬季に鍋の〆で乾麺を使うという顧客の使い方と、強力粉使用で煮崩れしにくい製品特性が具体的に説明されている。

  • 事業化までの道筋3

    新商品として手延べにゅうめん、薬膳そうめん、3年古物などの開発計画が挙げられているが、スケジュールや課題解決手順は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    三輪素麺は夏の食べ物というイメージが根強い中で、冬季・通年商品や熟成素麺3年古物を開発し差別化を図っている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    黒滝村の過疎対策や地場産業の一翼を担う点はうかがえるが、波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産量が約2倍になり省エネによるコスト削減も可能になったと書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    乾燥工程の温度湿度管理による新型冷却除湿器の導入はうかがえるが、デジタル技術や新ビジネスモデルとしての記述は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    人手不足を機械化で補う方向性は示されているが、日本経済の構造転換に資するという記述は限定的である。

  • 地域経済への波及4

    黒滝村の気候風土を活かした三輪素麺の生産を地域の特性として明記し、地域の産業を支える事業として具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。