ものづくり補助金平成27年度製造業鳥取県

昇華転写システムの導入で「新たな染色システムの構築」と「新たな取引先獲得」を

有限会社寿テント

この事例のポイント

  • 現行の大型プリンターではポリエステル生地への印刷に対応できない。
  • 中国地区初となる昇華転写システムを導入し、ポリエステル生地やグラスファイバー生地への印刷を可能にした。
  • グラデーション的な高発色プリントが可能となり、屋外でも鮮明な色もちが1年以上続くようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社寿テント
所在地鳥取県 北栄町
業種その他の製造業
技術分野デザイン,接合・実装,立体造形
従業員数17人
資本金5,000万円
設立1984年

事業の背景

当社は昭和59年の創業以来、テント製造とテント類のレンタル事業を展開している。設立当初はテント製作のみの取引だったが、現在は「イベント会場まるごと請負」という形態が増えている。受け持つ業務エリアは北海道から沖縄までの広範囲になりつつあり、全国展開事業所として認められつつある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術現行の大型プリンターではポリエステル生地への印刷に対応できない。
  • 集客・繁閑海外メーカーが製作したテントへの印刷が困難で、受注機会の損失が発生している。
  • 品質・精度ユーザーからの配色・色調や立体感のある印刷物へのチェックが厳しくなり、クレーム・手直しの対象となっている。

やったこと

中国地区初となる昇華転写システムを導入し、ポリエステル生地やグラスファイバー生地への印刷を可能にした。製版が不要で感光乳剤などの薬品も使わなくなり、印刷工程を内製化した。あわせてハイブリッド高周波ウェルダーを導入し、デジタル電流調整により焼きつきの原因となるスパークを極限まで減らし、加工途中の破損を抑えた。

  • 加工機昇華転写システムハイブリッド高周波ウェルダー

新しい製品・サービス:ポリエステル生地やグラスファイバー生地を使った幕天井・壁幕などの製造。

事業の効果

グラデーション的な高発色プリントが可能となり、屋外でも鮮明な色もちが1年以上続くようになった。製版や薬品が不要となり、印刷工程の内製化で作業効率が向上した。焼きつきが飛躍的に改善され、ハイブリッド高周波ウェルダーによる生産性が向上した。大手イベント会社との信頼も高まり、国内のイベント受注が増加している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性独自のテント製造技術を持ち、薄いポリエステル生地への印刷ニーズに応えて県外の大手イベント会社から受注が増えている点で、競争優位性が示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け軽くて発色が良く安価なポリエステル生地へのニーズが急増しており、顧客の要望と選ばれる理由が具体的に整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標生産性向上やQCD改善を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値が見当たらず、薄い記述にとどまる。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    1984年創業のテント製造・レンタル事業を基盤に、昇華転写システムの導入で印刷内製化を進める計画で、既存事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    独自のテント製造技術を持ち、薄いポリエステル生地への印刷ニーズに応えて県外の大手イベント会社から受注が増えている点で、競争優位性が示されている。

  • 課題の認識と解決3

    印刷への対応不可、海外製テントへの印刷困難、クレーム・手直しといった課題を整理し、内製化と加工精度向上で解決する計画になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性向上やQCD改善を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値が見当たらず、薄い記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    全国の大手イベント会社の下請けとして施工実績があり、設営・運営の人材と技術を持つことが記述されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    軽くて発色が良く安価なポリエステル生地へのニーズが急増しており、顧客の要望と選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    事業実施期間を平成28年7月から10月と明示し、導入設備ごとに課題解決の方法を示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    薄いポリエステル生地への昇華転写印刷は同分野で一般的でなく、グラデーションの高発色や1年以上の色持ちという差別化が示されている。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    大手イベント会社からの受注増や東京オリンピックへの体制強化に触れるが、地域経済や雇用創出への波及効果は明確に書かれていない。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    昇華転写システムやハイブリッド高周波ウェルダーといった先端設備の導入で、印刷と加工の内製化を進める計画になっている。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    鳥取県の国体を契機に創業・拡大した経緯があり、地域の企業として全国のイベント事業を受注していることが示されている。

今後の展望

東京オリンピックに向けて受注体制の強化を図っており、全国のイベント事業へ能力を強化する方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。