ものづくり補助金平成27年度製造業鳥取県

手作業の職人技を超える多種多様で高精度な建材の試作開発

株式会社一瀬製作所

この事例のポイント

  • 切欠加工は製品ごとに負荷が変わりボトルネック工程になりがちだった。
  • テーブル型レーザー加工機を導入し、手作業に替えて箱型に曲げるための切欠加工を行えるようにした。
  • 箱曲げは隙間のない綺麗で高品質な仕上がりになり、所要時間が約22%短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社一瀬製作所
所在地鳥取県 門真市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御

事業の背景

当社はステンレス建具の製作を主力とし、多種多様な金属による建物の外装・内装材を製作している。単一オーダー品の製作を生産管理体制で対応している。主な製品は玄関周りの建材で、都市圏の大型商業施設、高層マンションやオフィスビルに使われる建具や化粧金物である。東京五輪に向けて建築需要が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力切欠加工は製品ごとに負荷が変わりボトルネック工程になりがちだった。
  • 納期・工程一品製品のため切断・切欠・曲げの各工程のバラツキを均一にするのが困難だった。
  • 生産能力工程の稼働状況がリアルタイムで見えず、作業の平準化ができていなかった。
  • 人手・技能箱曲げや切欠きは手作業に頼っており、切欠きミスによるリスクとロスがあった。
  • 品質・精度板厚が見えない綺麗な箱曲げ、滑らかな仕上がり、高精度な長尺建材の試作には手作業での対応に限界があった。

やったこと

テーブル型レーザー加工機を導入し、手作業に替えて箱型に曲げるための切欠加工を行えるようにした。LC2415A4NTを導入し、長尺物の正確な切欠加工に対応した。6mの薄板板金の切断加工を可能にし、業界では希少なサイズの加工能力を持つようにした。レーザー加工機の稼働率をリアルタイムで監視し、既存の生産管理システムと連動させて作業の山崩しを行う体制を整えた。新たな斬新なデザインや機能性のある製品の試作開発にも取り組んだ。

  • 加工機テーブル型レーザー加工機LC2415A4NT

新しい製品・サービス:斬新なデザインや機能性のある製品の試作開発

事業の効果

箱曲げは隙間のない綺麗で高品質な仕上がりになり、所要時間が約22%短縮した。手加工による切欠ミスのリスクが減り、切欠加工の時間が約44%短縮するとともにロス率を低く抑えられるようになった。高精度な長尺建材の試作開発では所要時間が45%削減された。仕事の平準化とボトルネックの解消につながり、短納期対応も進めやすくなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決手加工の切欠ミスや工程のボトルネックを課題として挙げ、レーザー加工機で解消する計画が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性事例は最新レーザー加工機導入と仕事の平準化を述べるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは読み取れない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    事例は最新レーザー加工機導入と仕事の平準化を述べるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    6m規模のステンレス板金加工が業界で希少と述べ、強みは読み取れるが、市場動向の分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    手加工の切欠ミスや工程のボトルネックを課題として挙げ、レーザー加工機で解消する計画が示されている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    所要時間が約22%、約44%、45%削減と数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    生産管理システムとの連動に触れるのみで、人材や事務処理体制の具体的な確保状況は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ステンレス建具や6m加工の強み、既存顧客の建築金物・建具メーカーが示されるが、選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    医療・福祉分野参入や小物の付加価値製品を今後の方向として挙げるが、スケジュールや解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    業界では珍しい6m規模のステンレス加工が可能と述べ、同分野で高水準の加工を図る点はうかがえる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    東京五輪や大阪・関西万博関連の建築需要に触れるが、国が補助する波及効果や雇用創出は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    所要時間の削減率は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    加工データの一元管理と生産管理システムの連動に触れるが、地域やサプライチェーンへの貢献は明確でない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    境港市の工場所在地は示されるが、地域の特性を活かして雇用や成長を牽引する記述は読み取れない。

今後の展望

大型レーザー加工機の優位性を生かし、短納期対応や高精度な切抜き加工を進める。受注実績のない既存業界の顧客に営業をかけ、従来の仕事の受注拡大につなげる。医療分野や福祉分野への新規参入を目指す。大阪・関西万博関連の受注も期待している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。