ものづくり補助金平成27年度卸売業、小売業広島県

「かき呉子」(特許)を量産する製造工場の新設と外食産業向け営業の強化

有限会社柴崎商店

この事例のポイント

  • いりこ・ちりめんは水揚げ量が年々減少しており将来性に不安があった。
  • 従来の小型機器による「かき呉子」の製造工程に対し、各工程へ高性能な中型機器を導入し製造工程の改善を行った。
  • 高性能な機器により「かき呉子」に適した条件で製造できるようになり、生産能力が引き上げられた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社柴崎商店
所在地広島県 呉市
業種飲食料品卸売業
技術分野製造環境
従業員数7人
資本金1,000万円
設立1983年

事業の背景

当社はいりこ、ちりめんなど海産物の乾燥食品を製造・販売している。いりこ、ちりめんは一年中そのまま食することができる食材だが、年々水揚げ量が減少しており将来性に不安があったため新商品の開発に取り組んだ。広島の特産である牡蠣に当社固有の干物化技術を適用し、牡蠣を常温乾燥し急速凍結することで、これまでにない冷凍牡蠣の商品化に成功し特許も取得した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力いりこ・ちりめんは水揚げ量が年々減少しており将来性に不安があった。
  • 新製品・新技術牡蠣を用いた新製品「かき呉子」の生産能力が不足しており、外食産業大手への売り込みができなかった。

やったこと

従来の小型機器による「かき呉子」の製造工程に対し、各工程へ高性能な中型機器を導入し製造工程の改善を行った。スチーム加熱工程へスチーム加熱機、急速凍結工程へ急速凍結機、真空パック工程へ真空包装機を導入した。検査工程では大手食品企業で標準となっているX線金属検査機を導入した。あわせて製造工程の見直しを実施し、量産体制の確立と品質向上を実現した。

加工機スチーム加熱機
加工機急速凍結機
加工機真空包装機
検査測定X線金属検査機

新しい製品・サービス:「かき呉子(冷凍食品)」(特許560329号)。広島県の特産品である牡蠣と当社固有技術である干物化技術を活用し、解凍後もぷりぷり感があり冷蔵で長期保存が可能な冷凍食品。

事業の効果

高性能な機器により「かき呉子」に適した条件で製造できるようになり、生産能力が引き上げられた。これまでより高品質で長期保存可能な製品を安心安全な状態で量産できるようになった。製品のぷりぷり感が増し、大型商材も真空包装できるようになり幅広い顧客要望に対応可能となった。袋シールミスが激減し、異物混入検査精度の向上と検査時間の短縮が実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性4

    いりこ・ちりめんの乾燥食品製造から、特許技術による冷凍牡蠣「かき呉子」への展開が過去の取組との一貫性を示している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    複数の外食チェーンから引き合いがあり、食品業界大手からも評価を得ているとあるが、自社の強み分析は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決3

    水揚げ減少による将来性不安が課題として示され、量産体制で外食大手へ売り込む計画だが、数値目標や売上見込みは書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員7名の小規模企業で、製造工程の見直しを実施したとあるが、体制や人材の具体的な記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ぷりぷり感や解凍時のドリップが無い点、大手食品企業標準の異物混入防止など、製品価値と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    新設工場の導入機器と工程改善、将来的な業務用食品卸への展開は示されるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    牡蠣の冷凍食品化は既存の一般的な分野ではなく、特許技術により従来なかった冷凍牡蠣を商品化した点が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    広島の特産品である牡蠣の一次産業から外食産業までの供給連携や地方創生への貢献がうかがえるが、雇用数などの数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加に関する数値は書かれておらず、費用対効果はわずかにうかがえるのみである。

  • イノベーションへの貢献2

    先端的デジタル技術の活用は記載がなく、地域の一次産業と連携する点がわずかにうかがえる程度である。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    水揚げ減少に対応する新分野への進出という点で構造転換の要素がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及4

    広島県の特産品である牡蠣を活用し、地元の一次産業と連携して外食産業へ供給する地域特性を活かした事業として具体的に読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

いつでも美味しい冷凍牡蠣により生牡蠣の時期以外にも良質な牡蠣を供給でき、外食産業で一年を通して牡蠣を使ったメニューが提供できるようになる。地元特産の牡蠣を一次産業の養殖業者から二次産業の当社、三次産業の外食産業を通して消費者へ届け、地方創生に貢献していく。将来的には外食産業大手に加え業務用食品卸への販売を展開していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。