ものづくり補助金平成27年度製造業広島県

チョコレート技術導入による豆菓子製造の発展と海外展開

徳永製菓 株式会社

この事例のポイント

  • 多品種少量生産の体制で、新たな豆菓子の生産性を高める必要があった。
  • 複数台のレボリングパーンを同時に稼働させ、多品種少量生産の体制を確立した。
  • 新設備の導入でチョコレートコーティング技術を確立し、多品種少量生産の体制を構築して目標値を上回る成果を出した。

事業者のプロフィール

事業者名徳永製菓 株式会社
所在地広島県 福山市
業種食料品製造業
従業員数40人
資本金3,000万円
設立1952年

事業の背景

創業以来150年にわたり、多品種少量生産の豆菓子専門店として200種を超える商品開発を行ってきた。チョコレートパウダーを使った豆菓子が好調で、チョコレートを楽しめる商品への需要が見えてきた。ナッツにチョコレートをコーティングした製品は大手チョコレートメーカーを中心に販売されており、当社は自社製品に加えてOEM生産も売上の主力としている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力多品種少量生産の体制で、新たな豆菓子の生産性を高める必要があった。
  • 新製品・新技術豆菓子とチョコレートを組み合わせた新商品を開発するため、チョコレートコーティング技術を確立する必要があった。
  • 販路・情報発信国内の新規販路を開拓し、海外でも販売できる商品を増やして売上を伸ばす必要があった。

やったこと

複数台のレボリングパーンを同時に稼働させ、多品種少量生産の体制を確立した。チョコレートはホワイト、ミルク、イチゴ、抹茶、胡麻の5種類を使い、核にはくるみや黒豆、フリーズドライの果物などの素材を組み合わせて、20種類超の試作品を製作した。豆菓子という和のテイストに世界共通のチョコレートを組み合わせることで、国内外で親しまれる製品の方向性を確認した。新設備の導入によりチョコレートコーティング技術を確立し、製造できる品目数を増やした。

加工機レボリングパーン
その他チョコ配合を行う設備

新しい製品・サービス:チョコレートをコーティングした新たな豆菓子

事業の効果

新設備の導入でチョコレートコーティング技術を確立し、多品種少量生産の体制を構築して目標値を上回る成果を出した。1人1時間あたりの生産性は11%向上し(達成度183%)、製造可能な品目数は22品目増えた(達成度110%)。1日あたりの生産量は450kgとなり(達成度150%)、不良品発生率は5%となった(達成度100%)。使用できる素材の幅が広く、多彩な商品展開が可能であることも実証された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来150年の豆菓子専門店で200種超の商品開発を行ってきた経緯から、既存技術との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    チョコパウダー豆菓子の好調に着目し、大手チョコメーカーとの差別化を狙う点は読み取れるが、自社の経営資源の強みを数値で示す記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    現状課題として既存販路の限界と海外展開の必要性を示し、生産性+11%、1日生産量450kgなど事業計画に結び付く数値目標が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産性+11%(達成度183%)、品目数+22(達成度110%)、1日生産量450kg(達成度150%)など目標と達成度が示され、高付加価値化の見通しも記載されている。

  • 事業を進める体制2

    多品種少量生産体制の確立は書かれるが、人材や事務処理能力など補助事業を遂行する体制についての記述はほとんどない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ホワイト、ミルクなど5種のチョコと多様な核素材による20種超の試作、国内外で親しまれる商品という顧客像とニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後はチョコ以外の素材への応用、インバウンド向け製品の検討など展開方針は示されるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    ナッツのチョココーティングは大手チョコメーカー中心の市場で、豆菓子とチョコの間にある白地の新市場を設定すると明記されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外販売やインバウンド需要の取り込みに言及するが、地域経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由の記述は乏しい。

  • 費用対効果3

    生産性11%向上や不良品率5%などの成果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加額の記載がなく費用対効果は判断しにくい。

  • イノベーションへの貢献2

    新技術の融合による新商品開発は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンのイノベーションへの貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    新市場の開拓と海外展開は読み取れるが、日本経済の構造転換や成長分野への進出という観点での記述は薄い。

  • 地域経済への波及3

    ご当地素材を使ったオリジナル豆菓子で各地産品の販路拡大や地域おこしに貢献してきたと書かれ、地域特性の活用が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本事業の技術を既存の豆菓子製造と組み合わせ、チョコレート製品市場に新商品を投入して売上の拡大を目指す。今後はチョコレート以外の素材にもコーティング技術を応用する。近年のインバウンド需要を見込み、来日する外国人観光客向けの高付加価値の「和」の製品も考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。