ものづくり補助金平成27年度農業、林業徳島県

環境制御によるオリジナル薔薇品種開発と品質、生産力の向上

有限会社岡松バラ園

この事例のポイント

  • 環境制御が手動とタイマーによる最低限のもので、管理に膨大な手間がかかっていた。
  • 2.3ヘクタール・11棟(連結により現在5棟、広さは同じ)のハウスに各種センサーと複合環境制御盤を設置した。
  • ハウス全体を一括制御できるようになり、天候や場所によるタイムラグがなくなって、誰にでもきめ細かな環境制御が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社岡松バラ園
所在地徳島県 海陽町
業種農業
従業員数18人
資本金950万円
設立1993年

事業の背景

台風による壊滅的な被害を受け、再起をめざす状況にあった。2008年よりオリジナル品種を世に送り出してきたが、バラの品質や採花本数は環境に大きく左右されるため細やかな制御が欠かせなかった。変化する市場のニーズに応えるため、高品質・高付加価値のオリジナル品種の開発が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能環境制御が手動とタイマーによる最低限のもので、管理に膨大な手間がかかっていた。
  • 品質・精度最適な環境が整えにくく、バラの品質や採花本数を安定させることが難しかった。

やったこと

2.3ヘクタール・11棟(連結により現在5棟、広さは同じ)のハウスに各種センサーと複合環境制御盤を設置した。肥料、水、温度、湿度、CO2濃度、日照などを時間ごとに管理し、ハウス内に最適環境を創出する。専門家から指導を受け、最先端であるオランダの環境制御技術を学ぶとともに、データの分析・解析技術を習得した。遠隔操作のためのアグリネットクラウドシステムも導入した。

検査測定各種センサー
その他複合環境制御盤
ソフトアグリネットクラウドシステム

新しい製品・サービス:高付加価値のオリジナルバラ品種(100余りのオリジナル品種を創出)

事業の効果

ハウス全体を一括制御できるようになり、天候や場所によるタイムラグがなくなって、誰にでもきめ細かな環境制御が可能になった。これにより採種率と採花数が向上し、省力化と安定したロット生産を同時に実現した。熟練者が品種開発に力を注げるようになって開発効率も上がり、100余りのオリジナル品種を生み出せた。生産力と品質が向上し、増収も実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    2008年からオリジナル品種を送り出し続けており、今回の環境制御導入は既存の品種開発を強化する一貫した取組と読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    市場ニーズへの対応や北米・アジアへの海外展開を目指す記載はあるが、外部環境と自社の強み・弱みを分析した記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    手動とタイマーによる最低限の制御で管理に手間がかかるという課題を示し、環境制御の導入で採花数や生産力の向上を実現したと書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    増収や採花数アップは述べられているが、付加価値額や賃上げの具体的な数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    熟練者が品種開発に集中できるようになったという人材面の記述はあるが、補助事業を遂行する体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高付加価値のオリジナル品種を国内新規顧客や北米・アジアへ展開する方針が書かれているが、ターゲットの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    観光バラ園のオープン予定など今後の方向はあるが、遂行スケジュールや課題の解決方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    バラの高付加価値品種に注力し100余りのオリジナル品種を生み出した点が書かれ、同分野で高水準の高付加価値化を図る取組と読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    この街に雇用を生むとの記載はあるが、川上・川下への波及効果や社会的インフラとしての根拠は示されていない。

  • 費用対効果2

    投入額や費用対効果の数値は書かれておらず、増収や省力化の効果がうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献3

    環境制御、データ解析、クラウドによる遠隔操作を導入した点は読み取れるが、地域やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    オランダの環境制御技術やデータ解析の習得はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    地域の雇用創出の言及はあるが、地域特性を活かした高付加価値化や地域成長への牽引は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内新規顧客の獲得や北米・アジアへの海外展開をめざし、ハウスの一部では観光バラ園をオープン予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。