ものづくり補助金平成27年度漁業香川県

最先端廃校活用蝶鮫養殖システムによる地域特産物・世界市場への開拓

大協建工株式会社

この事例のポイント

  • チョウザメ養殖では、成長の歩留まりや飼育時間など収容尾数によるランニングコストが養殖成果に大きく影響する。
  • 廃校を活用した陸上養殖施設で、チョウザメの水質環境をIT利用で管理するシステムを導入した。
  • 水質の常時監視と異常値の早期把握により、魚体のストレスを減らし、人的労力や魚体損失を抑えられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名大協建工株式会社
所在地香川県 高松市
業種水産養殖業
従業員数60人
設立1972年

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算チョウザメ養殖では、成長の歩留まりや飼育時間など収容尾数によるランニングコストが養殖成果に大きく影響する。
  • 品質・精度水質変化で成長率が落ち、溶存酸素不足による斃死につながるため、水質環境の繊細な管理が必要だった。
  • 生産能力水槽の移動・選別時の魚体ストレスや災害時の生産維持が課題となっていた。

やったこと

廃校を活用した陸上養殖施設で、チョウザメの水質環境をIT利用で管理するシステムを導入した。水質観測プラットホームで溶存酸素濃度、水素イオン濃度、水温をリアルタイムに監視し、異常値を検知して機器を動かす仕組みを構築した。急速液体フリーザーやパーシャル冷蔵熟成装置で製品の鮮度維持と品質安定化を図った。

検査測定水質観測プラットホームシステム
その他最先端急速液体フリーザーシステム
その他パーシャル冷蔵熟成装置
その他最先端酸素供給循環ろ過装置
検査測定デジタル自動軽量システム
その他水槽

新しい製品・サービス:CAVIC JAPANの生キャビア

事業の効果

水質の常時監視と異常値の早期把握により、魚体のストレスを減らし、人的労力や魚体損失を抑えられるようになった。管理値情報を素早く共有でき、価格面と性能面での優位性を確保できる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    40年以上の内装仕上工事業を基盤に、2013年からチョウザメ養殖を新たな事業の柱として始めたと書かれており、経営上の位置づけは読み取れるが、過去の取組との連続性は具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    輸入キャビアの塩分15%に対し生キャビアは3%に抑えていること、東京に店舗を開き有名ホテルから受注が増えていることが書かれ、競争優位の根拠がある。

  • 課題の認識と解決4

    ランニングコストや水質管理、災害時の生産維持が課題と整理され、水質観測やリアルタイム監視システムで解決を図る流れが示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    東京五輪開催時期に販売量1トン超、50万円/kgという具体的な目標値が示されているが、達成に向けた裏付けの数字は少ない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数60名と代表者名は書かれているが、養殖事業を遂行する人材や事務処理体制についての記載はほとんどない。

  • 顧客とニーズの裏付け5

    塩分3%のクリーミーさや冷凍配送、ホテル等の業務需要、国内需要の回復など、製品価値と顧客ターゲットが数字つきで具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    キャビア消費量の推移と東京五輪時期の量産体制という見通しはあるが、中長期の遂行方法や課題解決の具体的な手順は記載が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内キャビア消費量が52tから6tへ激減した後の回復と、50万円/kgの想定価格から、高付加価値・高価格化を図る取組であることが読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    廃校活用による地域特産物のブランド化、観光誘致、地域貢献が書かれているが、経済波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    人的労力や魚体損失の削減、価格面の優位性に触れているが、補助金額に対する効果を示す金額や数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    水質観測プラットホームやIoT、リアルタイム監視、データ共有による異常値検知など、デジタル技術を活用した養殖管理が具体的に書かれている。

政策面70%
  • 成長分野への進出3

    ワシントン条約による輸入規制を背景に国内需要を取り込む構想と、ジャパンブランドとしての輸出目標が書かれており、市場転換への示唆がある。

  • 地域経済への波及4

    廃校中学校を活用し、東かがわ市の地域特産物として生キャビアをブランド化し、地元企業やコミュニティとの連携を目指す点が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

東京五輪開催時期に販売量を1t超えとし、量産体制を充実させる計画である。業務販売の流通拡大や、ジャパンブランドとしての海外輸出を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

沖縄県漁業平成26年度

真空包装機・大型冷凍コンテナ導入による通年供給体制の確立

活車海老を冷却水槽に入れ氷水で〆た後、真空包装機で真空包装し、-50℃で急速冷凍する「活き〆急速冷凍車海老」を試作し製品化した。

効果:大容量冷凍コンテナ増設によりストックが増え、在庫調整が可能になり需要の多い年末にも対応可能となった。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。