ものづくり補助金平成27年度農業、林業高知県

機械設備導入による菓子の生産体制強化と販路拡大事業

有限会社ニシモト たまごファミリー

成果1日の製造数 210個→420個

この事例のポイント

  • 取引先から賞味期限延長の要望があり、短時間製造・急速冷凍・大容量保管の条件が揃わず課題になっていた。
  • スチームラックオーブン(ZEN SRZ-10E)を1台導入し、従来のオーブンに比べ2倍の数量の「じゅわっと半熟たまごカステラ」を焼けるようにした。
  • 1日の製造数 210個→420個。スチームラックオーブンの導入で1日の製造数が210個から420個へ倍増し、大口受注に対応できる生産体制になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ニシモト たまごファミリー
所在地高知県 高知市
業種農業
従業員数15人
資本金900万円
設立1975年

事業の背景

当社は1955年から養鶏業を行い、約20万羽を飼育して年間3,300トンの卵を生産している。2013年に6次産業化として自社卵を使ったスイーツの製造・販売を始めたが、バウムクーヘンは既にブランドを確立したメーカーがあり県外で知名度を得るのは困難だった。2015年に開発した「じゅわっと半熟たまごカステラ」は販売が好調で、全国の生協、量販店、百貨店から取引の打診があり販売数は右肩上がりとなった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑取引先から賞味期限延長の要望があり、短時間製造・急速冷凍・大容量保管の条件が揃わず課題になっていた。
  • 生産能力スチームラックオーブンの生産能力が1日210個に限られ、取引先の短期間数千個納入の要望に応えられなかった。
  • 生産能力冷凍設備が1,200個分しかなく、在庫を十分に持てず大口受注の機会を逃していた。
  • 生産能力1台のオーブンで焼き上げ温度の異なる焼き菓子を作っていたため、予熱や冷却を繰り返し人手と時間を要し非効率だった。

やったこと

スチームラックオーブン(ZEN SRZ-10E)を1台導入し、従来のオーブンに比べ2倍の数量の「じゅわっと半熟たまごカステラ」を焼けるようにした。従来の5段のスチームラックオーブンは1回14個×1日15回で1日210個、仕込みを含め7.5時間かかっていた。プレハブ型の冷蔵庫・冷凍庫を1台増設し、従来の最大1,200個の保管に対し3,600個を収容できるようにして合計4,800個の保管を可能にした。これにより温度帯を分けて作業でき、生産効率と労働時間が改善された。

加工機スチームラックオーブン(ZEN SRZ-10E)
加工機プレハブ冷蔵庫・冷凍庫

新しい製品・サービス:じゅわっと半熟たまごカステラ

事業の効果

  • 1日の製造数 210個→420個
  • 冷凍保管数 1,200個→4,800個
  • 賞味期間 20日→60日

スチームラックオーブンの導入で1日の製造数が210個から420個へ倍増し、大口受注に対応できる生産体制になった。プレハブ冷凍庫の増設で冷凍保管数が1,200個から4,800個になり、県外からの大口注文にも応えられるようになった。急速冷凍と大容量冷凍により鮮度が保たれ、賞味期間は20日から60日に延びた。温度帯を分けた作業で生産効率と労働時間も改善された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    バウムクーヘンから卵を生かした商品へ転換し、自社生産卵を使う6次産業化の流れが読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    添加物不使用の商品特性と高知家お土産物コンクール2015入賞、生協・量販店・百貨店からの取引打診など、競争優位の根拠が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    1日210個の上限と冷凍在庫1,200個という課題を示し、生産量2倍、冷凍4,800個への増強で解決する計画が数字で示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1日の生産量を210個から420個、冷凍保管を1,200個から4,800個とし、賞味期間を20日から60日へ延ばす目標が数値で示されている。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    オーブン2台化で温度帯を分けて作業できるようになったとあるが、人材や事務処理体制の確保については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    添加物なしの特性や炭たま卵の実証、大口受注ニーズ(3,000個以上の在庫要望)が具体的に示され、選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    海外向け商品の賞味期限課題を研究で解決する方針や、アイスクリーム製造の計画など今後の予定は書かれているが、スケジュールは具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    卵の持ち味を生かした菓子は差別化されているが、高付加価値化や高価格化の数値は書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    県内の食品コンクール入賞や卵生産に触れるが、経済波及効果や雇用創出などの国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産効率と労働時間が改善されたとあるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    冷凍流通による保存期間延長や海外商談への言及はあるが、日本経済の構造転換への寄与は書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    高知県の養鶏・卵生産を基盤に、炭たまの地域ブランドを育てる方針が示され、地域の特性を生かす事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ギフトやお取り寄せ市場、量販店や百貨店への販路拡大に力を入れる。海外商談で好感触を得ているが、海外向け賞味期限3ヵ月の要望には品質保証が難しく、研究を重ねて海外向け商品を開発していく。関西のアイスクリームメーカーから炭たまを使ったアイスの製造・販売の申し出があり計画が進行中で、今後は「炭たまシリーズ」のラインナップを増やしブランド化につなげていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。