ものづくり補助金平成27年度サービス業(他に分類されないもの)福岡県

テレマティクスを活用した車両メンテナンス管理システムの開発

株式会社花畠自動車整備工場

この事例のポイント

  • 保有台数の増加で車両管理者の負担が大きくなっている。
  • ものづくり補助金を活用し、走行距離などを車両に搭載した車載装置とスマートフォンで自動的にサーバーへ送るIT管理システムを構築した。
  • ドライバーや車両管理者の入力・報告の負担が軽減され、人的ミスが減って最適な車両管理とメンテナンスが可能になる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社花畠自動車整備工場
所在地福岡県 久留米市
業種自動車整備業
従業員数4人
資本金300万円
設立2009年

事業の背景

昭和初期に鹿児島で創業した自動車関連の老舗で、現在は自動車整備工場として修理や車検を手掛けている。個人客に加え、複数の車両を保有する企業への車両メンテナンスサービスにも力を入れ、取引を拡大している。中小企業では管理者が車に精通しておらず、兼務のため車両管理に集中できないことが多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力保有台数の増加で車両管理者の負担が大きくなっている。
  • 人手・技能ドライバーにとって会社に戻ってからの走行距離等の報告業務が負担になっている。
  • 品質・精度メンテナンス時期の超過などが故障の原因となっている。
  • その他トラブルが起きると車両不足が発生し、通常業務に支障が出る。
  • コスト・採算車両が戻る時間が遅くなると整備担当者の引き取りに残業が必要になり、人件費が上がる。
  • 品質・精度社内での連絡ミスなどによって納車が遅れることがある。

やったこと

ものづくり補助金を活用し、走行距離などを車両に搭載した車載装置とスマートフォンで自動的にサーバーへ送るIT管理システムを構築した。収集したデータから車両管理者と当社へのメンテナンスが必要な車両とその時期を自動通知する仕組みとした。システムの開発はシステム開発会社、車載機器の試作品開発は元情報機器メーカーの開発関係者と共同で取り組んだ。テレマティクスを活用した試作品を開発し、OBDⅡコネクタを通じて車両情報を取得する方法を検証した。特定のメーカーについては情報の取得が可能であることが確認できたが、それ以外のメーカー車は解析方法の解明が今後の課題となった。

その他車載装置(テレマティクス用の試作機)
ソフト管理システム(サーバー・スマートフォン連携)

新しい製品・サービス:車両を個別管理し、運転する人の傾向を把握して対応策を講じられる管理システム。

事業の効果

ドライバーや車両管理者の入力・報告の負担が軽減され、人的ミスが減って最適な車両管理とメンテナンスが可能になる。メンテナンス時期の自動通知により整備側の負担も軽減される。運転者の意識が高まり安全運転につながって事故の減少が見込まれ、物流コストを下げつつ安全性を高められる。会社の信用度の向上も期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和初期創業で新しいものを取り入れる企業風土があるとあるが、本件システムの経営戦略上の位置づけは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    企業との取引拡大や弁当宅配会社との取引、ガルフオイルの取扱いは書かれているが、市場動向と自社の強み弱みの分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    管理者負担、走行距離報告の負担、メンテ超過による故障、車両不足など課題が①〜④で具体的に整理され、システムで解決する流れが書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は書かれておらず、対応メーカー数を増やす方針が示されるのみで数値目標はない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数4人、資本金300万円と記載があるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の具体的な説明は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    管理者の負担軽減、安全運転の促進、物流コスト低減など顧客価値は書かれるが、ターゲットの裏付けや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    試作品開発後に特定メーカーでの検証と、対応メーカー・車種を増やす課題解決の方針が書かれ、中長期の進め方が読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    車両管理へのテレマティクス活用をうかがえるが、普及度や高水準の高付加価値化を示す記述は読み取れない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地域の経済団体からの協力や販売・応用への拍車が書かれるが、経済波及や雇用創出の具体的な根拠は示されていない。

  • 費用対効果2

    事故減少や物流コスト低減への言及はあるが、補助金額に対する付加価値増加などの数値的な費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    車載装置とスマートフォンで走行データを自動送信し、メンテ時期を自動通知する仕組みで、デジタル技術によるサプライチェーン貢献がうかがえる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    運送業や小規模事業者への展開が書かれ、物流分野の成長に関わるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及3

    久留米市の企業や地域の経済団体との関わりが書かれるが、地域の特性を活かした高付加価値化の説明は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

対応可能なメーカーと車種の数を増やすことが課題で、宅配業以外の小規模運送会社やタクシー会社などへの販売、自動車整備工場への供給も視野に入れている。地域の経済団体からも協力を得て販売や応用に拍車がかかるだろうとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。