ものづくり補助金平成27年度卸売業、小売業佐賀県

機能性の高い神埼特産の焼き菓子「ひしぼうろ」量産体制の構築

成果一度に焼き上がる量 40枚→80枚

この事例のポイント

  • 使用していたオーブンは火の対流にばらつきがあり、手前側を中心に焼きムラが出て、約1割のロスとなっていた。
  • 遠・近赤外線の応用技術で石窯焼きを再現する輻射窯(二段式ガスオーブン)を導入し、ひしぼうろの試作を行った。
  • 一度に焼き上がる量 40枚→80枚。一度に焼き上がる量が従来の2倍の80枚となり、熱効率が上がって焼き時間が約5%短縮されたことで、製造リードタイムが短縮…

事業者のプロフィール

所在地佐賀県 神埼市
業種飲食料品小売業
技術分野製造環境
従業員数2人
資本金0万円
設立1919年

事業の背景

1919年創業、2019年に100周年を迎えた和菓子店である。平成24年11月に神埼市・西九州大学との産学官連携で、地域資源のひしの皮を使った「ひしぼうろ」を開発し、地元の特産品として一定の認知度を持つ人気商品となった。ひしぼうろの県内外への販路が広がる中、当時の製造体制では対応しきれないと判断された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度使用していたオーブンは火の対流にばらつきがあり、手前側を中心に焼きムラが出て、約1割のロスとなっていた。
  • 生産能力1回に焼けるのは1プレート20枚ずつの計40枚で、焼き上がりまで7分かかっていた。
  • 人手・技能焼き上がり後もオーブンが高温のため、作業者が熱を避けながらプレートを取り出すなど非効率だった。
  • 生産能力品質・リードタイム・生産性の面で市場ニーズに応えられていないと判断された。

やったこと

遠・近赤外線の応用技術で石窯焼きを再現する輻射窯(二段式ガスオーブン)を導入し、ひしぼうろの試作を行った。生地の量や製造環境(温度・湿度)が品質に及ぼす影響を繰り返し検証し、最適な条件を確立した。炉内の特殊構造により遠赤外線と近赤外線の反射熱で焼きムラなく均一に焼けることを確認した。作業内容はマニュアルにまとめ、焼き技術の習得と向上を図った。

  • 加工機輻射窯二段式ガスオーブン

事業の効果

  • 一度に焼き上がる量 40枚→80枚

一度に焼き上がる量が従来の2倍の80枚となり、熱効率が上がって焼き時間が約5%短縮されたことで、製造リードタイムが短縮された。オーブン自体が熱を発しないため取り出し作業が容易になり、作業効率も向上した。焼きムラやロスが大幅に減り、ガス代も抑えられたことで原価率が下がった。最終的に生産高は2割から3割増え、販路拡大の準備が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決焼きムラ約1割のロス、1回40枚・7分という課題を認識し、生産高2〜3割増という成果目標と結びつけて記載している。
  • 4
    地域経済への波及神埼市の地域資源「ひし」を使った特産品で地域に貢献し、地元での購買層拡大を目指すと具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制作業内容をマニュアル化し焼き技術の習得に取り組んだとあるが、従業員数2人の体制や事務処理能力の詳細は読み取れない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業100年の伝統製菓店で、産学官連携によるひしぼうろ開発や地域特産化など過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ひしぼうろが県内外で販路拡大し市場ニーズがあることや、ポリフェノール等の特長に触れているが、競争優位の分析までは書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    焼きムラ約1割のロス、1回40枚・7分という課題を認識し、生産高2〜3割増という成果目標と結びつけて記載している。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産高を2割から3割増すことに成功したとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    作業内容をマニュアル化し焼き技術の習得に取り組んだとあるが、従業員数2人の体制や事務処理能力の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    添加剤を使わない安全安心、ポリフェノールの栄養面、求めやすい価格など選ばれる理由が書かれているが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    試作での条件検証、マニュアル化、福岡県内での販路開拓など遂行方法は示されているが、スケジュールは明確ではない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    ひしぼうろは地元で一定の認知度があり人気商品とあるが、同分野での高付加価値化・高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    神埼市・西九州大学との産学官連携で地域資源のひしを活用し地域の特産品化を図っており、地域への貢献は読み取れる。

  • 費用対効果3

    ロス削減、ガス代の抑制、原価率縮小、生産高2〜3割増とあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    遠・近赤外線の応用技術による還射窯の導入は技術活用だが、デジタル技術や新しいビジネスモデルとの関係は薄い。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    神埼市の地域資源「ひし」を使った特産品で地域に貢献し、地元での購買層拡大を目指すと具体的に書かれている。

今後の展望

九州内での売り上げ増を目指し、博多大丸での販売を軸に福岡県内での定着と、地元・佐賀県内での購買層拡大を図る。ひしぼうろを佐賀の特産品としてより多くの人に知ってもらい、おいしさとヘルシーさ、求めやすい価格をアピールしながらファンを増やしていく。

事業者の声

地域の人たちとの縁で誕生した「ひしぼうろ」で地域に貢献し恩返しをしていきたいです。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。