ものづくり補助金平成27年度卸売業、小売業佐賀県

“懐かしい味”の価値を見出しブランド力強化 高齢者に優しい増産体制構築

有限会社赤門堂

成果生産能力 1倍→1.5倍

この事例のポイント

  • 主力商品「奴黒兵衛」は1つずつ型で抜く手作業のため、大量生産ができない。
  • 輻射窯ガスオーブン(EKⅡ-663TS・CKKK)を導入した。
  • 生産能力 1倍→1.5倍。輻射窯ガスオーブンの導入で、職人の代表が型抜きに専念し、女性スタッフが窯入れや取り出しを担う分業体制が整い、増産が可能…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社赤門堂
所在地佐賀県 鹿島市
業種飲食料品小売業
従業員数3人
資本金300万円
設立1994年

事業の背景

1949年創業の菓子店で、発酵食品を使い健康に配慮した銘菓を製造・販売している。常に30~40種類のお菓子を提供している。主力商品は肥前鹿島黒糖ぼうろ「奴黒兵衛」で、現在は県内外4店舗へ納品している。昔懐かしい味の共通点を分析し、醤油麹と黒糖のベストミックスを主力としてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力主力商品「奴黒兵衛」は1つずつ型で抜く手作業のため、大量生産ができない。
  • 生産能力機械化を試したが、生地に粘度があり均一な製品を作るには手作りの型抜きに勝るものがなかった。
  • 人手・技能従来の設備は表面が熱くなり工場内の冷房が効きづらく、高齢の熟練者には作業が難しかった。
  • 人手・技能職人である代表と女性スタッフの技術や知識、意識に差があり、女性スタッフには周辺作業を中心に任せていた。

やったこと

輻射窯ガスオーブン(EKⅡ-663TS・CKKK)を導入した。女性スタッフに操作を指導し、ガス窯に生地を入れ時間が来たら取り出す作業を習得してもらった。これにより職人の代表が型抜きに専念できるようになり、増産体制を整えた。購入したオーブンは焼成温度と時間をセットするとブザーで知らせ、オーブン表面の温度が上昇しない涼厨仕様で、窯の前でも快適に作業できる。この機能により女性スタッフの作業範囲が広がり、作業時間も短縮した。導入後に「奴黒兵衛」の試作を行い、生産能力はこれまでの1.5倍に向上した。

加工機輻射窯ガスオーブン(EKⅡ-663TS・CKKK)

新しい製品・サービス:生姜蜜をかけた奴白兵衛(本文の表記のまま)

事業の効果

  • 生産能力 1倍→1.5倍

輻射窯ガスオーブンの導入で、職人の代表が型抜きに専念し、女性スタッフが窯入れや取り出しを担う分業体制が整い、増産が可能になった。作業全体にかかる時間も短縮され、「奴黒兵衛」の生産能力はこれまでの1.5倍になった。高温になりにくい涼厨仕様により酷暑の中でも菓子製造がはかどり、従業員からも好評である。高齢の熟練者が働きやすい環境が整い、ブランド力の強化にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    主力商品「奴黒兵衛」のブランド力強化と増産体制構築を目的とし、既存の製品戦略との関係が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    県内外4店舗への納品や、インターネットを活用した販路拡大の予定はうかがえるが、市場動向や競争優位の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    手作業による生産量の限界と高齢者向け作業の課題を認識し、設備導入で1.5倍の生産能力を目指す点が読み取れる。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産能力が従来の1.5倍になったと記載があり、1回仕込み量660個、全体時間70分の数値も示されている。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    女性スタッフへの操作指導や作業分担の変更は記載があるが、人員体制や事務処理能力の具体的な記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    「懐かしい味」「ブランド力強化」という価値と、高齢者が作るべき理由は書かれているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の納品店舗拡大やネット販路の取組予定はあるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    醤油麹と黒糖を使った郷土菓子で、生産性を1.5倍に高めている点は読み取れるが、分野全体の普及度との比較はない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    郷土菓子の継承や全国の店舗との連携構想はうかがえるが、経済波及や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産能力1.5倍、作業時間短縮といった効果は書かれているが、補助金額に対する費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献1

    先端的なデジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は書かれていません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    鹿島の郷土菓子をもとにした商品で地域性はうかがえるが、地域経済成長への寄与は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は懐かしい商品を扱う全国の店舗と緩やかな連携を図る予定である。増産体制が整えば、納品店舗の拡大とインターネットを活用した販路拡大に本格的に取り組む計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。