ものづくり補助金平成27年度建設業長崎県

3D計測機器を活用した高効率な法面掘削管理による生産性の向上、及び販路拡大

株式会社加藤総建

成果工事期間 100%→33%

この事例のポイント

  • 丁張と呼ばれる元請けの測量に3名の人員と約1ヶ月を要していた。
  • ドローンで測量したデータを変換してUSBで機械に入力し、そのデータをもとに重機が自動で切削を行う3Dマシンガイダンスシステムを導入した。
  • 工事期間 100%→33%。3Dマシンガイダンスシステムの導入により作業時間が短縮され、精度も向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社加藤総建
所在地長崎県 長崎市
業種総合工事業
技術分野情報処理,機械制御,測定計測
資本金1,900万円
設立1993年

事業の背景

10年前に一般土木・総合建設から法面土木と法面工事に関する仮設工へ事業を転換した。自社で開発した特殊法面掘削機で施工し、掘削機自体の販売も行っている。法面工事を請け負う会社は長崎県で唯一のため、県から発注される工事の9割を施工しており、技術の高さから北海道から沖縄まで全国から注文が入る。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力丁張と呼ばれる元請けの測量に3名の人員と約1ヶ月を要していた。
  • 品質・精度木が生えた状態で行う丁張は精度が不十分だった。
  • コスト・採算人力で山を削ると山肌がむき出しの状態で長時間施工することになり、管理のためのコストがかかっていた。
  • その他木が生えた斜面での測量や人力による施工は危険があり、2次災害が起こる恐れもあった。

やったこと

ドローンで測量したデータを変換してUSBで機械に入力し、そのデータをもとに重機が自動で切削を行う3Dマシンガイダンスシステムを導入した。重機アームにセンサーを取り付け、現状と3D設計データとの差を運転席のモニターに表示することで、設計形状をリアルタイムに確認しながら作業できるようにした。自社開発の特殊法面掘削機と3Dマシンガイダンスシステムを組み合わせた「特のり3D工法」を確立した。この工法は国が推奨するICTを導入したもので、全国で当社のみが行っている。

新しい製品・サービス:特のり3D工法

事業の効果

  • 工事期間 100%→33%
  • 必要人員 100%→33%

3Dマシンガイダンスシステムの導入により作業時間が短縮され、精度も向上した。特のり3D工法は通常の施工より金額は上がるが、工事期間も人員も3分の1で済むため、コスト削減が可能になった。また高い安全性が担保されるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性事例は10年前に総合建設から法面土木へ事業転換し、自社開発の特殊法面掘削機を使う施工を続けている点を具体的に示しており、過去の取組との一貫性が読み取れる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性法面工事を請け負う会社は長崎県で唯一で、県発注の9割を施工し、北海道から沖縄まで全国から注文が入ると書かれており、競争優位が具体的に読み取れる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け特のり3D工法は通常施工より金額は上がるがコストを削減でき、高い安全性を担保すると示されており、製品の価値と選ばれる理由が整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標工事期間も人員も3分の1で済むという記述はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の判断材料が不足している。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    事例は10年前に総合建設から法面土木へ事業転換し、自社開発の特殊法面掘削機を使う施工を続けている点を具体的に示しており、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    法面工事を請け負う会社は長崎県で唯一で、県発注の9割を施工し、北海道から沖縄まで全国から注文が入ると書かれており、競争優位が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    丁張測量に3名・約1ヶ月を要し精度も不十分だった課題と、3D計測で作業時間短縮・精度向上を図った経緯は読めるが、高付加価値化や成長目標の数値は示されていない。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工事期間も人員も3分の1で済むという記述はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の判断材料が不足している。

  • 事業を進める体制3

    従業員の約半数が20代で、技術継承に取り組むと書かれており人材面の体制はうかがえるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    特のり3D工法は通常施工より金額は上がるがコストを削減でき、高い安全性を担保すると示されており、製品の価値と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は技術面の改良を重ね精度を上げたいという方向性は示されるが、遂行方法やスケジュール、課題の解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    3Dマシンガイダンスを使ったICT施工を全国で当社のみが行うと書かれており差別化は読めるが、分野の普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    法面工事の2次災害の恐れや人力施工の危険性を減らす点は触れられているが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    工事期間と人員が3分の1になりコストが削減できると書かれており、効果の方向性は具体的に読み取れるが、補助金額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dマシンガイダンスとドローン測量で重機を自動制御する点は先端技術の活用として読めるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    長崎県で唯一の法面工事会社として県発注の9割を施工する点は地域の特性を示すが、雇用創出や地域経済成長への言及は薄い。

今後の展望

現在の施工法はまだ道半ばであり、今後も技術面の改良を重ねて精度をさらに上げていきたい。従業員の約半数は20代であるため、早く仕事を覚えてもらい技術を継承していく予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。