ものづくり補助金平成27年度鉱業、採石業、砂利採取業長崎県

蛍光X線分析装置の導入による生産の効率化及び硝子向け原材料としての新規参入

八重島窯業原料株式会社

この事例のポイント

  • 各メーカーの製品規格に合った品質の原料を、効率よく生産し安定して供給することが課題だった。
  • 各生産工程で適宜、蛍光X線分析装置による検査を行い、原鉱に含まれる8元素の成分比率を化学分析値として把握できるようにした。
  • 分析結果をもとに計画的に採掘できるようになり、爆薬の量を減らすことができた。

事業者のプロフィール

事業者名八重島窯業原料株式会社
所在地長崎県 対馬市
業種鉱業、採石業、砂利採取業
技術分野情報処理,材料製造プロセス,測定計測
従業員数10人
資本金3,000万円
設立1984年

事業の背景

長崎県対馬市で、国内最大級の鉱床である曹長石の採掘を行い、対馬陶石・対馬長石の名称で販売している。主に窯業用原料として全国の大手メーカーに出荷し、規格外の石は土木建築用骨材としても販売している。窯業原料を採掘販売する会社は資源の制約から国内に数社しかなく、大手メーカーはコロナ禍で国内産原料の重要性を再認識し始めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度各メーカーの製品規格に合った品質の原料を、効率よく生産し安定して供給することが課題だった。
  • 人手・技能どの脈にどの元素が多く含まれるかを長年の感覚で判断しており、出荷先や採掘場所の判断が確かな数値に基づいていなかった。
  • コスト・採算感覚での判断により、窯業用に集荷できる石を土木用に出すなどのロスや無駄掘りが多かった。

やったこと

各生産工程で適宜、蛍光X線分析装置による検査を行い、原鉱に含まれる8元素の成分比率を化学分析値として把握できるようにした。この分析結果をもとに出荷先を迅速に判断し、計画的に採掘するようにした。これにより、それまで長年の経験で仕掛けていた爆薬の量を減らすことができた。

事業の効果

分析結果をもとに計画的に採掘できるようになり、爆薬の量を減らすことができた。窯業用に集荷できる石を土木用に出すなどのロスも改善された。無駄掘りがなくなり、鉱山の寿命が延びたことも大きな効果であった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性国内で窯業原料を採掘する会社は数社しかなく、大手メーカーが国内産原料の重要性を再認識しているという外部環境と、国内最大級の鉱床という強みが具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決規格に合った原料を効率よく安定供給することが課題と明示され、分析で爆薬量の削減やロスの改善、鉱山寿命の延長という解決効果が書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け対馬陶石・対馬長石の名称で販売し、全国の大手メーカーと取引がある点と、メーカーごとの規格に合わせた成分供給が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標爆薬量の減少やロスの改善は述べられているが、付加価値額や賃上げについての数値目標は書かれていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に土木建築用骨材として規格外の石を活用してきた資源有効活用の取組が書かれ、今後は資源を大切にし海外原料との競争に力を入れる方針も示されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内で窯業原料を採掘する会社は数社しかなく、大手メーカーが国内産原料の重要性を再認識しているという外部環境と、国内最大級の鉱床という強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    規格に合った原料を効率よく安定供給することが課題と明示され、分析で爆薬量の削減やロスの改善、鉱山寿命の延長という解決効果が書かれている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    爆薬量の減少やロスの改善は述べられているが、付加価値額や賃上げについての数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員10名の会社であることは書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    対馬陶石・対馬長石の名称で販売し、全国の大手メーカーと取引がある点と、メーカーごとの規格に合わせた成分供給が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    資源の枯渇や海外原料との競争が中長期の課題として挙げられているが、実施スケジュールや具体的な進め方の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    国内に窯業原料の採掘会社が数社しかない点はうかがえるが、高付加価値化や高価格化の取組は書かれていない。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    国内産原料の重要性が再認識されていることや資源の有効活用が書かれ、国内資源を守る意義は読み取れるが、経済波及や雇用の記述はない。

  • 費用対効果3

    爆薬量の削減、ロスの改善、鉱山寿命の延長という効果は書かれているが、投入額や金額の数値による費用対効果の記載はない。

  • イノベーションへの貢献3

    蛍光X線分析装置で成分を化学分析値として把握し出荷先を迅速に判断できるようになったと書かれ、デジタル技術活用の効果がうかがえる。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    市場の成長分野への進出や日本経済の構造転換に関する記述はなく、わずかに国内資源の重要性がうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及2

    長崎県対馬市で国内最大級の鉱床を活かしている点はうかがえるが、地域の雇用や経済成長への言及はない。

今後の展望

今後は長く採掘できるよう資源を大切にしながら、海外原料との競争に力を入れたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。