ものづくり補助金平成27年度製造業鹿児島県

スラリー処理技術導入による芋焼酎の生産効率化と酒質の多様化

濵田酒造株式会社

この事例のポイント

  • 芋選別で出るヒゲやヘタなどの切れ端はトリミング残渣として廃棄されており、アルコール発酵の基質となるデンプンや特徴香成分を活かせていなかった。
  • 超微粒摩砕機を導入し、スラリー処理によって残渣をペースト化した。
  • スラリー処理により残渣をペースト化したことで、デンプンの資化性が約2%向上し、生産効率化を図ることができた。

事業者のプロフィール

事業者名濵田酒造株式会社
所在地鹿児島県 いちき串木野市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数312人
資本金3,000万円
設立1868年

事業の背景

当社は明治元年(1868年)創業の本格焼酎メーカーで、いちき串木野市に蔵を構えている。現在は伝兵衛蔵、傳藏院蔵、薩摩金山蔵の3つの蔵があり、それぞれ伝統、革新、継承の特徴を生かした焼酎を販売している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力芋選別で出るヒゲやヘタなどの切れ端はトリミング残渣として廃棄されており、アルコール発酵の基質となるデンプンや特徴香成分を活かせていなかった。
  • 人手・技能サツマイモの選別は焼酎品質に大きく影響するため、1個ずつ人の手で丁寧に行われている。

やったこと

超微粒摩砕機を導入し、スラリー処理によって残渣をペースト化した。これにより、デンプンの資化性が約2%向上し、生産効率化を図ることができた。残渣を焼酎原料として使い、試作製造した芋焼酎を社内アンケート調査で評価したところ、フルーティーで特徴的な風味を持つ香り高いフレーバータイプの酒質として高く評価された。

加工機超微粒摩砕機

新しい製品・サービス:果実様や花様の特徴的な香味を持つフレーバータイプの試作芋焼酎

事業の効果

スラリー処理により残渣をペースト化したことで、デンプンの資化性が約2%向上し、生産効率化を図ることができた。トリミング残渣を焼酎原料として活用し、原料ロスの低減につながった。試作した芋焼酎は社内アンケートで香り高く特徴的な風味として高く評価され、酒質の多様化につながる成果が得られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の蔵3つの特徴を生かす方針や焼酎づくりの理念は書かれているが、本件投資の位置づけは具体的に読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    社内アンケートで香り高いフレーバータイプが高評価だったとあるが、市場動向や自社の強み・弱みとの関係は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    トリミング残渣の廃棄と手作業選別という課題を示し、残渣をペースト化して原料利用し高付加価値化を図る計画が書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    デンプン資化性が約2%向上したとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    フルーティーで香り高いフレーバータイプの酒質という特徴と、酒質の多様化という狙いは読み取れるが、顧客ターゲットは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    今後は製造規模のスケールアップや再現性の課題抽出・改善を行い安定生産を目指すと書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    特徴香成分が多い芋焼酎で、フルーティーな香味のフレーバータイプを高評価と示され、同分野で差別化した高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地元いちき串木野市への感謝や地域との関わりに触れるが、経済波及効果や雇用創出の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果2

    原料ロスの低減と生産性向上が挙げられているが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    スラリー処理技術の導入で残渣を原料化する点は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    鹿児島県の地元原料である芋を活かし地域に根ざした焼酎を作る点はうかがえるが、地域経済の牽引としての記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製造規模のスケールアップや再現性などに関する課題を抽出・改善し、安定的な生産体制の構築を目指す。また、残渣を活かした戦略的酒質の焼酎製造に取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。