ものづくり補助金平成27年度製造業沖縄県

無投薬、熟成アグーのすべてを売り切る食肉製品づくり

農業生産法人有限会社金城ミート

成果ウインナー製造の生産頻度 1回/月→4回/月

この事例のポイント

  • アグー豚は純血種と交配種で食味が異なり、肥育飼料によっても味に差が出る。
  • 自社農場の豚にノビレチンを豊富に含むシークワーサーの搾り粕を乳酸菌発酵させて与え、無投薬養豚を確立した。
  • ウインナー製造の生産頻度 1回/月→4回/月。熟成庫により熟成効果が高まり、飲食店から肉の味が良くなったとの声を多く得た。

事業者のプロフィール

事業者名農業生産法人有限会社金城ミート
所在地沖縄県 今帰仁村
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数10人
資本金500万円
設立2006年

事業の背景

当社はもともと冷凍食品の卸売業を主体としてきた。地域の特産品で付加価値の高い商品を作るため、沖縄のブランド豚アグーに着目し、その生産・販売を事業の柱のひとつとしている。ロース肉は比較的高値で売れるが、ウデやモモは卸値を安くしても売れにくいという特性がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力アグー豚は純血種と交配種で食味が異なり、肥育飼料によっても味に差が出る。
  • 品質・精度生産性を上げるための薬物投与、特に抗生物質の飼料混入による耐性菌の問題があった。
  • 人手・技能ウデやモモなど売れにくい部位の余剰分を、手作業のウインナー製造では1日18kgしか機械に投入できなかった。

やったこと

自社農場の豚にノビレチンを豊富に含むシークワーサーの搾り粕を乳酸菌発酵させて与え、無投薬養豚を確立した。精肉加工用に熟成庫、オゾン殺菌水生成装置、枝肉移動用の台車やフック、生肉専用の高速スライサーを導入した。平成27年度事業では、ウインナー製造専用の加工用機械一式を導入した。内容は製氷器、オートスタッファー、高速パンドソー、グラインダー、サイレントカッター、ケーシングリンカー、昇降式チラー、高感度金属検出器の8機械である。導入機械の性能テストを兼ねてエマルジョンタイプのウインナーを試作し、生産性や食味を評価した。

  • その他熟成庫オゾン殺菌水生成装置枝肉移動用の台車・フック
  • 加工機生肉専用高速スライサーフレークアイス製氷器オートスタッファー高速パンドソーグラインダーサイレントカッターケーシングリンカー昇降式チラー
  • 検査測定高感度金属検出器

新しい製品・サービス:ノビレチン入りシークワーサー搾り粕を与えた無投薬アグー豚の精肉、およびウデ・モモ等を使った品質の良いウインナー(エマルジョンタイプ、細引き・ポキポキ食感の製品)

事業の効果

  • ウインナー製造の生産頻度 1回/月→4回/月
  • 手作業では1日18kgが機械に入れられる限度だったが、オートスタッファーは1時間で36kgの材料を詰められる

熟成庫により熟成効果が高まり、飲食店から肉の味が良くなったとの声を多く得た。オゾン水の使用で肉の変色がなくなり賞味期限も伸びた。消費期限は衛生環境の整った食肉センターと同程度に設定できるようになった。ウインナーは機械化により生産頻度が週一回に増え、味や口当たり、ポキポキ食感が向上した。重量のばらつきが解消して規格品が作れるようになり、異物混入防止にも目処がついた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性冷凍食品卸から始め、アグー豚の生産・販売を柱にし、無投薬養豚や精肉・ウインナー加工へ段階的に取り組んでいる一貫性が読み取れる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性純血種と交配種で食味が異なる課題を認識し、ノビレチン飼料による無投薬養豚で差別化している。ウデ・モモの販路課題にも対応している。
  • 4
    課題の認識と解決ウデやモモが売れにくい課題を認識し、ウインナー加工機械で1日18kgの手作業を1時間36kg対応へ改善する計画がうかがえる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用沖縄のブランド豚アグーの活用や地域特産品の付加価値化がうかがえるが、波及効果や雇用創出の数値は示されていない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    冷凍食品卸から始め、アグー豚の生産・販売を柱にし、無投薬養豚や精肉・ウインナー加工へ段階的に取り組んでいる一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    純血種と交配種で食味が異なる課題を認識し、ノビレチン飼料による無投薬養豚で差別化している。ウデ・モモの販路課題にも対応している。

  • 課題の認識と解決4

    ウデやモモが売れにくい課題を認識し、ウインナー加工機械で1日18kgの手作業を1時間36kg対応へ改善する計画がうかがえる。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間300頭の生産を500頭、将来1000頭へ拡大する目標があり、2棟体制への増設も計画されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    子豚から肥育までの一貫生産体制や農業大学校の学生受け入れが書かれている。ただし人材不足が課題として挙げられている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    飲食店関係者から肉の味が良くなったとの声があり、規格品や食感の改善で顧客評価を得ている点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    HACCP認証取得、大手デパート取引、海外輸出を目指すスケジュール感はあるが、具体的な時期や方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    無投薬養豚やオゾン水洗浄による変色防止と賞味期限延長など高付加価値化の取組が示されるが、市場水準との比較は書かれていない。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    沖縄のブランド豚アグーの活用や地域特産品の付加価値化がうかがえるが、波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    ウインナー製造で月1回から週1回へ生産性が向上したと書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    オゾン水生成や金属検出器など衛生管理の機械化はあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    沖縄の特産品や今帰仁村での地域ブランド豚を活かした事業であることは読み取れるが、雇用や地域成長の具体的数値は示されていない。

今後の展望

導入機械の能力を生かすため、農場の生産量を増やし、新しい豚舎を借りて2棟体制にする予定である。人材不足の改善のため外国人の雇用や高校新卒者の採用にも取り組む。大手デパートとの取引を念頭に工場でHACCPの認証取得を目指し、将来は海外への輸出も視野に入れている。

  • 目標:年間生産頭数 300頭→500頭

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。