ものづくり補助金平成28年度卸売業、小売業北海道

北海道産小麦粉ブレンドプロジェクトによる新市場の開拓

橋谷株式会社

この事例のポイント

  • 単一品種の北海道産小麦粉は、製パンや製麺の給水・発酵・整形などの工程で操作性が悪く、仕上がりが不均一になることが問題視されている。
  • 小麦粉3kgと粉末飴300gを混合させ、混合時間を1分間隔で5種設定してミキシングテストを実施した。
  • 北海道産小麦を操作性よくブレンドし、さまざまな用途に合わせた小ロット多品種の提供が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名橋谷株式会社
所在地北海道 札幌市白石区
業種飲食料品卸売業
技術分野材料製造プロセス,製造環境
従業員数110人
資本金2,550万円
設立1919年

事業の背景

明治28年創業の橋谷株式会社は、食品卸売業として国内有数の小麦粉メーカー各社の特約を持ち、従来はBtoBのビジネスが主力だった。健康志向や安全志向から北海道産小麦が注目されている一方、単一品種の小麦粉では操作性にばらつきがあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度単一品種の北海道産小麦粉は、製パンや製麺の給水・発酵・整形などの工程で操作性が悪く、仕上がりが不均一になることが問題視されている。
  • 販路・情報発信単一品種の北海道産小麦粉を一般小売用に商品化しても、ユーザーが使いこなすのは比較的難しいのが現状である。

やったこと

小麦粉3kgと粉末飴300gを混合させ、混合時間を1分間隔で5種設定してミキシングテストを実施した。製粉会社ごとに異なる小麦粉の特質を理解し、その特徴を生かしたブレンドを製造した。比重などの技術的問題も考慮したブレンドのレシピを作成し、ブレンド技術については公設研究機関の助言を得て問題解決を図った。テストサンプルの菌検査では独自の数値を示し、パンに適した配合であることが分かった。

加工機乾式粉体混合機ロッキングミキサー

新しい製品・サービス:北海道産小麦100%使用の製パン用強力粉「わたしのパン」

事業の効果

北海道産小麦を操作性よくブレンドし、さまざまな用途に合わせた小ロット多品種の提供が可能になった。ホームベーカリーでも素人が美味しいパンを焼けるようになり、冷凍保存後にリベイクしても美味しく食べられる小麦粉を提供できるようになった。大手製粉メーカーのブレンド小麦粉と違い、小規模パン屋の声を聞いてオリジナル性を高め、人手不足の中で製造効率を上げる小麦粉としての位置付けを確保しようとしている。また、従来のBtoBに加えBtoCのビジネスが入り、新たな広がりを期待している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    食品卸売で特約を持つ従来事業の延長でBtoC展開を狙うと書かれるが、既存取組との一貫性を示す具体記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    北海道産小麦の健康・安全志向という外部動向と、国内有数の製粉会社特約という自社の強みを組み合わせた内容が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    ホームベーカリー対応や小ロット多品種提供など課題への対応は書かれるが、付加価値向上の数値目標や計画の詳細は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値の数値目標や賃上げ目標は記載されておらず、実現可能性を判断する材料がわずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制2

    公設研究機関との連携で助言を得たと書かれるが、人材や事務処理体制の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小規模パン屋の声を聞き、ホームベーカリーで素人でも焼ける点や冷凍後リベイク対応など、顧客と選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    ミキシングテストを1分間隔の5種で実施し、テストサンプルで独自の数値を得たと書かれるが、中長期の遂行スケジュールは不明確。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    北海道産100%の小ロット多品種ブレンド小麦粉は、大手と差別化した高付加価値商品として位置付けられている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    北海道産小麦の利用拡大や製造効率化による人手不足対応がうかがえるが、経済波及や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    公設研究機関との連携はあるが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は記述がわずかにうかがえる程度。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    北海道産小麦を活用し地域の屋号で親しまれてきた点から地域特性の活用はうかがえるが、雇用や地域成長への効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

東京都卸売業、小売業平成25年度

スライド式ホルダーを採用した床排水トラップの開発

製品形状を円形から正方形に変更し、一軸方向へのスライドで着脱できるスライド構造の床排水トラップ「スライドロック」を開発した。

効果:洗濯機の排水ホース内に残ってしまう排水量を大幅に少なくすることができた。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。