ものづくり補助金平成28年度製造業北海道

農水産業のIoT化を支援する多機能無線センサーシステムの開発

株式会社ハイテックシステム

成果通信距離 300m→7,000m

この事例のポイント

  • 既存の無線通信装置は300m程度の短い距離、狭いエリアでしか無線センサーシステムを構築できなかった。
  • LPWAの代表的な規格の一つであるLoRaWANに採用されているLoRa変調方式で通信できる多機能無線センサーシステムを開発した。
  • 通信距離 300m→7,000m。最大7kmのデータ通信が可能となり、牧場や海洋など広いエリアやモバイルが接続できない場所でも通信できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ハイテックシステム
所在地北海道 恵庭市
業種電気機械器具製造業
技術分野情報処理,測定計測
従業員数23人
資本金3,600万円
設立1991年

事業の背景

当社は1991年の創業以来、計測・監視・制御システムの設計・製作・施工・保守を一貫して電力会社に提供してきた。特に水力発電所の管理システムでは道内の80%の発電所に導入されている。近年は本業のノウハウを活かし、北海道の一次産業分野にもIoTを展開している。農水産業のIoT普及では広い圃場や漁場でのネットワーク需要が多く、LPWAが注目されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の無線通信装置は300m程度の短い距離、狭いエリアでしか無線センサーシステムを構築できなかった。
  • 生産能力モバイル回線は僻地で通信不可となる場合が多く、消費電力も大きく充電可能な電源のない場所での稼働に制限があった。
  • コスト・採算モバイル回線はデバイスごとにSIM契約が必要で、費用がかさむ傾向があった。
  • 新製品・新技術無線センサーは温度センサーのみの対応で、センサーの多様化とデジタルインターフェースの延伸が求められていた。

やったこと

LPWAの代表的な規格の一つであるLoRaWANに採用されているLoRa変調方式で通信できる多機能無線センサーシステムを開発した。試作は2回のフェーズに分けて実施した。1回目は技術検証試作として、通信可能距離の検証と、センサーとCPU間のデジタルインターフェース延伸の検証を行った。2回目は量産性の確認と、技術検証での問題点の修正、無線子機装置の小型化を行った。

その他多機能無線センサーシステム(エリアデバイス傾斜計を含む)

新しい製品・サービス:農水産業のIoT化を支援する多機能無線センサーシステム(エリアデバイス傾斜計など)

事業の効果

  • 通信距離 300m→7,000m
  • センサーとCPU間のデジタルインターフェースを2mの延伸を実現

最大7kmのデータ通信が可能となり、牧場や海洋など広いエリアやモバイルが接続できない場所でも通信できるようになった。無線子機はセンサーを着脱可能な構造として多機能化し、デジタルインターフェースも2m延伸できた。LPWAは普及段階の技術であり、現段階でデバイスを試作開発できたことは市場拡大の中で優位性を発揮できると考えられる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    水力発電所の計測・監視・制御を主業とし、そのノウハウを一次産業IoTへ展開する流れが書かれているが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    既存の無線は300m程度、本装置は最大7kmと具体的な比較があり、道内発電所80%導入の実績が強みとして示されている。

  • 課題の認識と解決3

    僻地での通信不可やSIM契約によるコスト増という課題は認識されているが、高付加価値化や成長への道筋は具体的に示されていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。引き合いが多数あるとの記述のみ。

  • 事業を進める体制3

    創業以来の計測・制御の設計・製作・施工・保守の一貫体制や従業員23人が示されており、体制の一端はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    農場・牧場や海洋などモバイル未接続エリア向けという対象と、長距離省電力接続という選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    試作を2回のフェーズに分け、技術検証と量産性確認、小型化修正という段階的な遂行方法が明確に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    LPWAは現在進行形で普及段階にあり、一次産業IoTでの普及度は低いと示されている。市場優位性も言及されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    一次産業の生産性向上や北海道を支える産業への応用が述べられているが、雇用創出や波及効果の数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれておらず、わずかに効果がうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献4

    LoRaWAN準拠の多機能無線センサーにより、一次産業のIoT化とサプライチェーン上のデータ連携に貢献する技術が具体的に述べられている。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    一次産業IoTの市場拡大に言及するが、日本経済の構造転換への寄与は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    北海道の一次産業を支える事業として位置付けられ、酪農・農業・漁業への応用が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

LPWAは現在進行形で普及段階にあり、市場が拡大する中で優位性を発揮できると考えられる。

事業者の声

ハカル、ウゴカス、トトノエル

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。