ものづくり補助金平成28年度卸売業、小売業北海道

自動車修理工場等の水性塗装化を促す「水性塗装化プロジェクト」の推進

マルサン塗料株式会社

この事例のポイント

  • 水性塗料は溶剤型塗料より技術的難度がやや高く、専用ブース導入のためのコストアップが避けられなかった。
  • 顧客である自動車修理工場などへの研修・啓発を行う研修所(カスタマーサポートセンター)に、温度・湿度・風量を調整できる水性塗料対応の塗装ブースを導入した。
  • 顧客の塗装作業員向けの水性塗料研修では、板金塗装の基礎から調色、各種塗装の実践までを行い、技術力と生産性が向上したと評判を得た。

事業者のプロフィール

事業者名マルサン塗料株式会社
所在地北海道 札幌市
業種建築材料、鉱物・金属材料等卸売業
従業員数40人
資本金1,000万円
設立1966年

事業の背景

同社は複数の塗料メーカーの特約代理店を務め、北海道における自動車補修の塗料卸売業のリーディングカンパニーである。欧米では自動車塗料として水性塗料がスタンダードになっており、日本でも活用が迫られている。溶剤型塗料は有機溶剤を含み環境汚染や作業者の健康被害の恐れがあるため、使用に懸念があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力水性塗料は溶剤型塗料より技術的難度がやや高く、専用ブース導入のためのコストアップが避けられなかった。
  • 人手・技能水性塗料の欠点である乾燥スピードの遅さがあり、塗装作業の時間短縮と品質確保が課題だった。
  • 新製品・新技術国内では設備投資や水性塗料への不安から水性塗装化の導入が足踏み状態だった。

やったこと

顧客である自動車修理工場などへの研修・啓発を行う研修所(カスタマーサポートセンター)に、温度・湿度・風量を調整できる水性塗料対応の塗装ブースを導入した。専用ブースにより水性塗料の乾燥スピードの遅さを解消し、塗装面のホコリ付着を減らして作業時間短縮、コスト削減、品質向上を図った。社内スタッフは水性塗料の先進メーカーであるアクゾノーベル社主催の技術研修を修了し、シッケンズ塗装技術者の認定を取得した。関西ペイントの担当者を招いて、顧客の塗装作業員向けの水性塗料技術研修を実施した。

加工機水性塗料対応塗装ブース

事業の効果

顧客の塗装作業員向けの水性塗料研修では、板金塗装の基礎から調色、各種塗装の実践までを行い、技術力と生産性が向上したと評判を得た。研修は社内技術者のスキルアップや顧客への水性塗料の啓発、アフターフォローにもつながるため継続して開催している。作業環境の改善により作業員の定着率向上やランニングコストの低減も見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    北海道で初めて水性塗料対応ブースを導入し、自動車補修の塗料卸の事業を広げる方針が読み取れるが、過去の取組との連続性は具体的には書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    欧州では溶剤型塗料が禁止され水性化が進むという外部環境と、北海道のリーディングカンパニーという立場が書かれている。ただし数値による裏付けはない。

  • 課題の認識と解決2

    水性塗料の乾燥の遅さや技術難度、コストアップが課題として触れられているが、事業計画としての解決の道筋や成長の数値は示されていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    社内スタッフがアクゾノーベル社の研修を修了し認定を取得した点から、人材面の体制はうかがえるが、事務処理能力などは書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    水性塗料は作業環境改善や定着率向上、能率向上につながり、顧客の修理工場の研修にも使われるという価値が書かれている。ターゲットの数量までは示されていない。

  • 事業化までの道筋2

    研修会を継続して開催し、顧客へのアフターフォローにつなげる方針がうかがえるが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    水性塗料対応ブースは北海道の塗料販売で初めての導入とされ、地域での先進性と高い付加価値を示す内容が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    有機溶剤による環境汚染や作業者の健康被害の抑制という社会的意義が書かれているが、雇用や波及効果の定量的な記述はない。

  • 費用対効果2

    作業時間短縮やコスト削減の方向性は書かれているが、投入額に対する付加価値額の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    水性塗装の啓発で業界全体の移行を牽引するとあるが、デジタル技術や新しいビジネスモデルの記述はほぼない。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    欧州と同様に水性塗装へ移行する流れに対応し、自動車塗装業界の転換を牽引するという方向性が書かれている。

  • 地域経済への波及3

    北海道で初めて導入し、地域の自動車補修業界に啓発を広げる方針が書かれているが、地域経済の成長への寄与は数値で示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後の世界的な動向を考慮すると水性塗装への移行は遠くないと見込み、北海道の自動車補修の塗料卸売業のリーディングカンパニーとして、環境にやさしい水性塗料の啓蒙・普及活動に尽力していく。

事業者の声

技術力、生産性も向上した

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。