ものづくり補助金平成28年度建設業青森県

アスベスト含有仕上塗材の切削洗浄除去処理用機械装置導入事業

株式会社藤林商会

この事例のポイント

  • 超高圧水によるアスベスト除去では、除去後の仕上がり精度が安定しない。
  • 噴射ガンでの手作業と超高圧水除去装置による除去を進めてきたが、仕上がり精度と進捗の安定が課題だったため、仕上塗材用機器を改良した「アスベスト含有仕上塗材の自動洗浄装置」を導入した。
  • テスト稼働では、試験壁面の塗膜剥離がスムーズに行え、均一に除去できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社藤林商会
所在地青森県 南津軽郡藤崎町
業種総合工事業
技術分野機械制御
従業員数18人
資本金2,000万円
設立1971年

事業の背景

当社は青森県内の校舎や三沢市米軍基地、青函連絡船などのアスベスト除去処理を30年手がけており、全工事受注高の70%を占めている。労働基準監督署への処理工事届出件数も県内最多である。解体等工事は増え続けており、吹付けアスベストが使用された建物は国内に280万棟以上あるとされる。今まで見落とされていたアスベスト含有の建築用仕上塗材も加わり、除去処理の需要は拡大すると見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度超高圧水によるアスベスト除去では、除去後の仕上がり精度が安定しない。
  • 生産能力除去作業の進捗状況が安定せず、需要の拡大に対応しきれない。
  • 人手・技能人材不足が深刻で、人海戦術ではアスベスト除去の需要増に対応できないため、機械化が必要である。

やったこと

噴射ガンでの手作業と超高圧水除去装置による除去を進めてきたが、仕上がり精度と進捗の安定が課題だったため、仕上塗材用機器を改良した「アスベスト含有仕上塗材の自動洗浄装置」を導入した。装置は高圧ポンプと壁面剥離用昇降装置で構成される。高圧ポンプは、剥離やコンクリートのはつり・切断に適したエンジン駆動式超高圧ポンプと、超高圧ポンプから切削除去装置まで超高圧水を送る超高圧ホース(超高圧水制御装置含む)を導入した。壁面剥離用昇降装置は、遠隔からポンプの圧力調整と足場の昇降ができるよう発注先と協議して試作機を製作した。

その他エンジン駆動式超高圧ポンプ
その他超高圧ホース(超高圧水制御装置含む)
その他壁面剥離用昇降装置

新しい製品・サービス:アスベスト含有仕上塗材の自動洗浄装置

事業の効果

テスト稼働では、試験壁面の塗膜剥離がスムーズに行え、均一に除去できた。アスベスト粉塵飛散防止用の隔離密封養生が不要になり、仮設費が大幅に削減される。水による除去のため騒音や粉塵が非常に少なく、除去後の洗浄清掃も後追いで一工程で行えるため人的コストも抑えられる。隣接壁面との空域が狭く作業足場や作業者の立ち入りが難しい壁面も除去できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    30年のアスベスト除去実績と全工事受注の70%を占める点が書かれ、事業の一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    今後の需要拡大を試算し、特許出願済みの超高圧水工法や県内最多の届出件数など、自社の強みに基づく競争力強化が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    仕上がり精度と除去進捗の不安定さという課題を明示し、自動洗浄装置の導入で解決する計画が書かれている。高付加価値化の数値目標は見当たらない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、需要拡大の試算があるのみで実現可能性の根拠は薄い。

  • 事業を進める体制3

    30年の実績と労基署への届出件数の県内最多が書かれ、体制の一端はうかがえるが、人材配置や事務処理体制の具体記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    仮設費削減、騒音・粉塵の少なさ、後追い洗浄による人的コスト抑制、狭所施工可能など、選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    テスト稼働で塗膜剥離が均一に行えたことや、試作機を発注先と協議したことは書かれるが、今後のスケジュールや課題解決方法は限定的。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    超高圧水によるアスベスト除去は一般的でない工法で、特許出願済みや工法協会の設立、フランチャイズ化を目指す点が書かれている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    アスベスト除去需要が2280万棟超の建物で拡大し、人材不足下での機械化が必要と社会的背景が具体的に書かれている。

  • 費用対効果3

    仮設費削減や人的コスト抑制は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    超高圧水と遠隔操作の自動化による除去の機械化が書かれ、業界の技術革新への寄与はうかがえるが、サプライチェーンへの波及は記述が薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    アスベスト除去需要の拡大は書かれるが、日本経済の構造転換に資する分野への進出という記述はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    青森県内での実績や県内最多の届出件数は書かれるが、地域の雇用創出や経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

工法に関係する特許は出願済みで、今後も検証・開発・考案された装置について出願を続ける。煙突アスベスト除去処理工法に加え、建築仕上塗材処理工法の協会も設立し会員を募集中で、フランチャイズ化とディファクトスタンダート化を目指す。『環境展』『洗浄総合展』『モノづくりマッチングJAPAN』などへの出展やホームページの拡充で知名度向上を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。