ものづくり補助金平成26年度建設業青森県

大型門型クレーンの設置による生産効率改善と新分野進出

株式会社長谷川鉄工

この事例のポイント

  • 仮組立や仮組立検査を行うと、大型物件では長期間ヤードを占有され、ヤードが足りなくなる。
  • 定格荷重、スパン、揚程、走行の4項目の条件を満たす機種を検討し、軌条式橋型クレーン(4.8t×15m、揚程8m×走行60m)を導入した。
  • 複数案件の仮組立が同時に可能となり、ヤードを1案件で占有することがなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社長谷川鉄工
所在地青森県 平川市
業種職別工事業
技術分野製造環境
従業員数20人
資本金1,000万円
設立1971年

事業の背景

当社は青森県に本拠を置き、主に建築鉄骨を製作している。地元だけでなく仙台をはじめとした東北地方や東京方面からの受注も増えており、複雑な建築鉄骨や耐震補強鉄骨、設備関連鉄骨などの製作を依頼されている。建築鉄骨の製作工程では、出荷前に仮組立と仮組立検査を行うことが取引先から求められるようになってきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力仮組立や仮組立検査を行うと、大型物件では長期間ヤードを占有され、ヤードが足りなくなる。
  • 納期・工程仮組立に使うユニック車やラフタークレーンを外部に手配する必要があり、手配から配備までに時間がかかって工程管理が複雑になる。
  • コスト・採算重機配備によりヤードが狭くなり、業務管理にも影響が出ていた。

やったこと

定格荷重、スパン、揚程、走行の4項目の条件を満たす機種を検討し、軌条式橋型クレーン(4.8t×15m、揚程8m×走行60m)を導入した。導入後は、揚程、巻き上げ装置動作、サドル部及びスパン、定格荷重(ウエイト使用)の4項目について試運転と性能確認を行った。既存ヤードと併せて、小型から大型案件までの業務を効率的に行えるヤード体制を構築した。

その他軌条式橋型クレーン(4.8t×15m、揚程8m×走行60m)

事業の効果

複数案件の仮組立が同時に可能となり、ヤードを1案件で占有することがなくなった。1回の作業で多くの製品の移動と組立ができ、近年の単品製品の大型化にも対応できるようになった。クレーン待ちの時間が解消され、前工程に合わせた人員配置で工程管理がスムーズになった。外部の重機手配が不要になり、外注費を削減できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成29年に省スペース溶接ロボットを導入し、建築鉄骨製作を継続してきたとあるが、門型クレーン導入と経営戦略上の位置づけは明確に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    仙台・東京方面からの受注増加や複雑な鉄骨需要に触れる一方、独自技術や高度な設備はないと記載があり、強みの説明は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    仮組立・仮組立検査の要求高まりと、重機手配によるヤード占有や工程管理の複雑化という課題を具体的に認識し、クレーン導入で解消すると示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    成果として外注費削減や複数案件の仮組立が挙がるが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されておらず、実現可能性の根拠は薄い。

  • 事業を進める体制3

    試運転と4項目の性能確認を実施し、20名の従業員で運営するとあるが、補助事業を遂行する体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    複雑化・デザイン化する付帯鉄骨への仮組立検査需要が予想されると述べるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋3

    水門工事などへの営業展開やオリンピック関連工事の受注を目指すとあるが、スケジュールや課題解決の方法は明確に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    新分野として水門工事などの土木関連工事への進出を目指すとあるが、高付加価値化や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    地域雇用の創出に貢献すると述べ、東北地方からの受注増も触れるが、波及効果の定量的な裏付けはない。

  • 費用対効果3

    外注費の削減や『クレーン待ち』の解消など効果は挙げているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    土木関連工事という新分野への進出を掲げるが、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及3

    青森県弘前市を本拠に地元物件や地域雇用の創出に触れており、地域特性との結びつきは読み取れるが具体性は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大型案件に付随する付帯鉄骨は複雑化・デザイン化しており、今後は仮組立検査がより多く求められると見込む。構築したヤード体制と仮組立のノウハウを生かし、オリンピック関連工事や耐震補強鉄骨工事の受注を目指す。施工実績の少ない水門工事などの土木関連工事にも営業展開し、新分野への進出と地域雇用の創出につなげる。

業種と困りごとが近い成果事例

福島県建設業平成26年度

福島県産造作材の生産計画

油圧ハンドシリンダーとコンセプトモルダーを導入し、県産の八溝杉の良い部分を柾目に重ねて貼り合わせる幅の広い集成材を製作できる環境を整えた。

効果:集成材の加工可能な長さ 2,500ミリ→4,000ミリ

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。