ものづくり補助金平成28年度製造業秋田県

伝統的な和の優れた美しさを表現できる組子細工を使うインテリアの提供

株式会社マルサ

成果直線性のブレ 30mm→3mm

この事例のポイント

  • 製品を大型化すると枠材に節や年輪の歪みによるねじれや狂いが生じやすい。
  • 変形の少ない集成材で木枠を作り、表面に化粧板を貼り付ける方法を採用し、ドイツのホルツヘル社製のエッジバンダー(自動縁貼機)を導入した。
  • 直線性のブレ 30mm→3mm。変形の少ない集成材を使うことで反りやねじれが防止され、直線性のブレが大きく改善した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社マルサ
所在地秋田県 能代市
業種木材・木製品製造業
技術分野精密加工,立体造形
従業員数25人
資本金1,100万円
設立1949年

事業の背景

マルサは寺社仏閣や旅館などの和風建築の内装として組子障子などを製作している。手作業の工程が多い業界だが、熟練工を20名程度抱え、他社にない生産力と、デザイン要求や短納期への対応力で高い評価を得ている。近年は観光客の増加に伴い、ホテルや大型旅館、イベントホールで組子障子が使われるようになり、大型化や和洋融合のデザインが好まれる状況となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度製品を大型化すると枠材に節や年輪の歪みによるねじれや狂いが生じやすい。
  • コスト・採算節や歪みのない木材を使うとコストが高くなる。
  • 品質・精度均一な木目や美しい色を揃えることが難しい。
  • 品質・精度気温や湿度の変化により収縮亀裂が生じやすい。

やったこと

変形の少ない集成材で木枠を作り、表面に化粧板を貼り付ける方法を採用し、ドイツのホルツヘル社製のエッジバンダー(自動縁貼機)を導入した。この機械により、集成材表面への化粧板の貼り付けから、手触りを改善する表面研磨工程までを機械化できる。これにより精度向上とコスト削減を両立させた。

  • 加工機エッジバンダー自動縁貼機

新しい製品・サービス:狂いのない集成材に化粧板を貼り付けた大型木製フレームを用いた、大型で現代的なデザインの組子細工。

事業の効果

  • 直線性のブレ 30mm→3mm
  • 表面研磨・化粧板貼り付け作業期間 4倍率→1倍率

変形の少ない集成材を使うことで反りやねじれが防止され、直線性のブレが大きく改善した。化粧板の貼り付けと表面研磨は補修作業が不要となり、作業期間が大幅に短縮した。コスト削減が収益向上に直結する構図となり、平成29年度の売上と収益は前年度に比べて大幅に増加した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性20名程度の熟練工や高い生産力、短納期対応への評価など自社の強みが具体的に示され、外国人観光客増加という市場動向と結びつけている。
  • 4
    課題の認識と解決枠の反り・ねじれ、コスト高、木目の不揃い、収縮亀裂という課題を列挙し、集成材と化粧板による解決策を示している。
  • 4
    新しさ・高付加価値手作業中心の組子細工を機械化と集成材で大型化し、業者が少なく価格比較ができない売り手市場であることが示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業化までの道筋今後の活動として受注の一過性への懸念や広域での分担体制の必要性にふれているが、中長期の遂行スケジュールは示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    伝統的な組子障子の製作を続けてきた経緯と、大型・現代的デザインへの展開が語られているが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    20名程度の熟練工や高い生産力、短納期対応への評価など自社の強みが具体的に示され、外国人観光客増加という市場動向と結びつけている。

  • 課題の認識と解決4

    枠の反り・ねじれ、コスト高、木目の不揃い、収縮亀裂という課題を列挙し、集成材と化粧板による解決策を示している。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    直線性のブレを30mmから3mmへ1/10に改善、表面研磨工程の作業期間を1/4に短縮と数値はあるが、付加価値や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    熟練工が20名程度在籍し、伝統技術と設備を融合する方針は示されているが、補助事業の遂行体制や事務処理面の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大型・和洋融合デザインへの需要や若い世代・外国人への発信は読み取れるが、顧客ターゲットや価格面での選ばれる理由は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の活動として受注の一過性への懸念や広域での分担体制の必要性にふれているが、中長期の遂行スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    手作業中心の組子細工を機械化と集成材で大型化し、業者が少なく価格比較ができない売り手市場であることが示されている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    神社仏閣や旅館、観光客増加への対応という文脈はあるが、地域経済や雇用創出への波及効果を国が補助する理由としては述べられていない。

  • 費用対効果3

    コスト削減が収益向上に直結すると述べ、前年度より売上と収益が大幅増加したとあるが、補助金投入額との比較は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    設備を利用した新技術の融合に言及があるが、先端的デジタル技術や地域サプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    能代市の木材産業の歴史と地域の木工技術に触れ、地域の特性を活かす事業であることはうかがえるが、雇用や成長への効果は書かれていない。

今後の展望

外国人観光客の増加や東京オリンピック開催決定などで受注は良好だが、佐藤社長は一過性のものと捉えている。時代の変化に合わせて職人の手技と機械技術の融合を図ることが必要と考えており、1現場あたりの工数が増大する中で、広域の2〜3社が協力し得意分野を分担する仕組みが必要になるとみている。

事業者の声

常に職人の手技と機械技術の融合をはかることが必要

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。