ものづくり補助金平成28年度製造業福島県

最新ハイブリッド式射出成形機導入による高付加価値薄型成形品の製造

成果寸法精度・生産性 1倍→1.3倍

この事例のポイント

  • 油圧式の射出成形機は成形条件のバラツキなどにより安定した製品ができず、不良率が5~6%と高く、成形できる製品に限りがあった。
  • 5台目の成形機として最新の高スペックハイブリッド式射出成形機(140トン)を導入した。
  • 寸法精度・生産性 1倍→1.3倍。ハイブリッド式成形機の導入で外観重視の製品でピンホールやヒケなどの不良がほとんどなくなり、取引先から高い評価を受けた。

事業者のプロフィール

所在地福島県 会津若松市
業種プラスチック製品製造業
技術分野立体造形
従業員数3人
設立1979年

事業の背景

当社の取扱製品は一般品・低価格品の容器類成形品で、最終サプライヤーは大手量販店のため販売価格の上昇は見込めない。海外へのプラスチック生産拠点の移転が進み、海外製品とのコスト競争にさらされていた。エコ意識の高まりから再生材や生分解性プラスチックへのニーズが高まり、省電・低音など環境に配慮した成形機も不可欠になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力油圧式の射出成形機は成形条件のバラツキなどにより安定した製品ができず、不良率が5~6%と高く、成形できる製品に限りがあった。
  • コスト・採算取引先の値下げ要求と原材料費・光熱費の上昇があり、持続可能な利益の確保が経営上の当面の課題だった。
  • 新製品・新技術多種多様な製品の引き合いに技術的に応えられず、受注を断らざるを得なかった。
  • 品質・精度再生材を使うと一定の強度を確保できず、環境対応とコストダウンのために再生材を使えない状況だった。

やったこと

5台目の成形機として最新の高スペックハイブリッド式射出成形機(140トン)を導入した。再生材の活用や薄口・厚口など高付加価値の多様な成形品の射出成形に着手し、生産工程のコスト削減にも取り組んだ。導入後は成形条件が安定し、寸法精度と生産性は従来機と比べて1.3倍に向上した。高い射出保圧を長時間維持できるため、厚さ約2ミリの薄型成形品が成形できるようになった。再生材を使っても高い射出性能で強度が保てるようになった。

加工機最新の高スペックハイブリッド式射出成形機(140トン)

新しい製品・サービス:薄型成形品、再生材を活用した高付加価値の多様な成形品、生分解性プラスチックやトライタン樹脂を使った環境配慮製品

事業の効果

  • 寸法精度・生産性 1倍→1.3倍
  • 大手仏具メーカーからプラスチック線香ケースを受注し、月産1万セット、年産10万セットを実現

ハイブリッド式成形機の導入で外観重視の製品でピンホールやヒケなどの不良がほとんどなくなり、取引先から高い評価を受けた。従来160トン機で生産していた製品も140トン機で安定して生産できるようになった。薄型成形品の受注が実現し、原材料のコストダウンや消費電力削減により年間の経費節減にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の射出成形機の不良率5〜6%と課題が示され、高付加価値の成形品への着手が書かれているが、過去の取組との一貫性は詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先の値下げ要求やコストアップに触れ、薄型成形品・再生材活用で差別化するとあるが、市場動向と自社の強みの分析は具体的でない。

  • 課題の認識と解決4

    不良率5〜6%、値下げ要求、コストアップという課題を示し、ハイブリッド機導入で寸法精度・生産性1.3倍と高付加価値化につなげている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産性1.3倍、年間売上100万円増、月産1万セット・年産10万セットの受注など数字つきの目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    薄型成形品や再生材活用による製品価値、大手仏具メーカーからの線香ケース受注など顧客と需要の裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は電動式成形機の導入やバイオ材製品の開発を視野に入れると書かれているが、スケジュールや解決方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    再生材・生分解性プラスチック・薄型成形品など高付加価値の製品分野に進出し、取引先と共同でバイオ材製品を開発している。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外移転による競争激化や環境配慮ニーズが背景にあると述べられるが、波及効果や雇用創出の記述はわずかにうかがえるだけ。

  • 費用対効果3

    消費電力削減や年間の経費節減、売上増の効果が示されているが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    環境配慮の再生材活用や取引先との共同開発はあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取りにくい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    環境配慮型製品や薄型成形品への進出が書かれ、成長分野への移行がわずかにうかがえるが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    会津若松の地域性への言及はなく、地域経済や雇用への波及はわずかにうかがえるのみ。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

電動式成形機の導入も視野に入れ、バイオ材入り製品などを開発する。仏具などの受注拡大と現行取引先の受注維持、年間売上100万円増を目標に営業を行う。

  • 目標:油圧式では不良率が5~6%だった(導入後の不良率の数値は記載なし)

事業者の声

とりあえずやる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。