ものづくり補助金平成28年度製造業福島県

液体1,000L加熱複合タンク導入による新商品開発と品質・生産性の向上

高保製薬工業株式会社

この事例のポイント

  • 油脂製剤の年間売上高が減少傾向にあり、顧客の使用量の減少と値下げ要請による単価の引き下げが大きな原因だった。
  • 補助事業では、油脂製剤の加工に主眼を置いた液体1,000L加熱複合タンクと付帯設備を導入し、試作開発を兼ねてテスト運転を行った。
  • テスト製造で作業時間の短縮を達成し、作業者の負担軽減と人件費の削減が可能になる見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名高保製薬工業株式会社
所在地福島県 福島市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数45人
資本金1,000万円
設立1946年

事業の背景

医薬部外品の製造販売を行い、加工食品向け日持向上剤製剤や漬物用複合製剤の製造販売、食品添加物製剤の受託加工(OEM)を主力としている。意思決定の速さや小ロット生産への対応が強みである。油脂製剤の年間売上高は減少傾向にあり、顧客の使用量減少と値下げ要請による単価引き下げが大きな原因だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信油脂製剤の年間売上高が減少傾向にあり、顧客の使用量の減少と値下げ要請による単価の引き下げが大きな原因だった。
  • 販路・情報発信新商品の開発で売上高減少を打開したいと考えていた。
  • 人手・技能東日本大震災以降、人員の採用が困難になっており、生産性の向上が最大の経営課題だった。
  • 生産能力現状の生産設備は撹拌力が低く、加工や洗浄等で多くの問題を抱えていたため、効率的な生産ができない状況だった。

やったこと

補助事業では、油脂製剤の加工に主眼を置いた液体1,000L加熱複合タンクと付帯設備を導入し、試作開発を兼ねてテスト運転を行った。菜種油は原料を70℃まで加熱し高速で撹拌しながら混合し、その後徐々に冷却して粘性を増加させ分離をなくす方法で生産する。最大製造ロットサイズは400kgで、それ以上の注文は数回に分けて加工する必要があったが、導入後は解消を目指す。テスト製造では、のべ作業時間8時間40分(削減率29%)の短縮を達成した。エゴマ油を配合した調味液の試作でベースレシピが完成し、顧客への提案品として紹介する準備を整えた。

加工機液体1,000L加熱複合タンク
その他付帯設備

新しい製品・サービス:福島県産の菜種油やエゴマ油を利用したサラダ風漬物用調味液、ドレッシング等

事業の効果

テスト製造で作業時間の短縮を達成し、作業者の負担軽減と人件費の削減が可能になる見込みである。油脂製剤の製造工程に革新が図られ、さらなる生産性の向上が期待される。テスト製造品の検査値は全て適合し、導入したタンクに適正な撹拌力があり適正な混合ができたと確認された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成25年の設立以来、日持向上剤や漬物用複合製剤の製造販売と受託加工を続けてきたと書かれ、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    小ロット対応や意思決定の速さが強みとされ、大手にできない生産体制が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    生産性向上が最大の経営課題で、油脂製剤の売上減少と撹拌力不足の問題が具体的に挙げられている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業時間の削減率29%(8時間40分短縮)は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    製造部主任の名前は出ているが、補助事業の遂行体制や人員配置について具体的な記載はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    福島県産菜種油やエゴマ油を使った新商品と、既存顧客外の飲料・パン業界への展開が具体的に述べられている。

  • 事業化までの道筋3

    テスト製造から量産、市場調査へ進む流れは書かれているが、スケジュールや期限は明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    エゴマ油や菜種油の加熱乳化製剤に取り組むとあるが、市場での普及度や高価格化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    福島県産の菜種油やエゴマ油を利用する地元生産者や農業法人との連携が書かれ、地域波及の意図がうかがえる。

  • 費用対効果3

    作業時間の削減率29%と人件費削減の見込みは書かれているが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    1,000L加熱複合タンクの導入は書かれるが、デジタル技術の活用や新ビジネスモデルについては記述がない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    福島県産原料を使った地域連携の新製品開発が書かれ、地域の特性を活かす取組として読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新商品の量産化を進め、油脂製剤の年間売上高を増加させたいと考えている。既存顧客以外に業界トップの企業や、飲料業界・パン業界への販路開拓を視野に、市場調査と顧客開拓を行う予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。